追憶
追いつかれているような気がする。
なるべく見ないようにして、
近づかないように、
遠回りしてきたものたちから。
それはこわいものではない、
むしろ愛するものたち。
でもそれを愛してたら、
わたしは社会に溶け込めなくなってしまうから、
泣く泣く手放してきたものたち。
自分で手放したくせに、
わたしはさみしがって、泣いていたものたち。
小さい頃は毎日抱きしめていたのに、
大人になるからと無理やり捨てたぬいぐるみのようなものたち。
追いかけてくる、
あのこたちがどんどん追いかけてくる。
捨てる必要はなかったのだと、
言い聞かせながら。
追いつかれてしまいそう。
捕まったら、
もう一度拾ってもいいかな?
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