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竹内宇瑠栖
2021年5月30日 22:48
怪談の定番に「学校の怪談」がある。なぜ学校にそうした話が集まるのかという理由は諸説あるが、学校を建てるだけの広い敷地は墓場やいわくつきの場所しかなかったというのが有力だ。 したがって、学校の先生に聞くとその人は怪異体験をしていなくとも、同僚が怪談を持っているパターンが多い。 先生をされているAさんは、時折話を聞かせてくれる貴重な人だ。 そんな話を一つ。【図書室のモノ音】 現役
2021年5月23日 19:11
パソコンが動かなくなった。 怪談とデジタル機器はそれほど相性が良くない、ように思う。過去にも何度か調子が悪くなったことはあるが、ここまでのものは本当に久しぶりだ。怪談を書き溜めすぎたのだろうかと思う。ハードディスクがまったく動かない。なじみの修理屋へ持ち込んだら、「残念ですが」と最低限のファイルだけ抜き出してくれた。 世の怪談師の方はどのように話の保管、整理をされているのだろうか? や
2021年5月9日 22:23
せっかく怪談にとって切りのよい(?)13夜なので、少し前に聞いた、見えはじめる瞬間の話を。【発現】 高校一年生のAくんは、最近になって、母親の行動の理由が分かった。行動とは、家の階段を特定の端に寄って使うこと、雨の日は洗濯しないことだ。 Aくんの家は典型的な一戸建てで、玄関を入って二メートルほどの短い廊下の先に二階へ向かう階段がある。母親は、この階段を使うときに階段の下から見上げて右
2021年5月2日 13:24
本当は、人と対面して怪談を集めるのが一番いいと思ってはいるが、こう外に出る機会を奪われると、どうしてもパッケージのもので、怪談を聞くことになる。 お気に入りは、長さと手軽さも含めて『怪異蒐集者』シリーズだ。先日、琉球怪談の第一人者・小原猛さんの回を見ていたら、こんなくだりがあった。 「牛」という話の中で、夜空の星の撮影に駐車場に止めて、カメラの準備をしていたら、警備員の人に「マジムンとハ