woodsmanシリーズ
テーマは「トラディショナル (伝統的な) キャンピング」
2021年の5月から製作に着手している一連のシリーズ、
名付けて「ウッズマン シリーズ」
ブッシュクラフターやハンターが使う装備をベースにしたシリーズですが、機能よりもむしろ「伝統的な美意識」を念頭においてデザインしています。
古き良きスタイルを受け継ぎ、伝統的な要素を多分に盛り込みながら、遊び心をたっぷりにデザインしたwoodsmanシリーズの第一段、それぞれが伝統に裏付けられた物語を持っています。
ファイアースターターキット
火打石、ストライカー、チャークロス、火口が入った小型の着火キットポーチ。
マッチやライターで簡単に事足りてしまうといえばそれまでですが、どうせキャンプを楽しむなら伝統的な方法で火を起こすとにより楽しみが増すはずです。
ヴァイキング時代と呼ばれる9-11世紀の、北欧や東欧で使われていたポーチをモデルにしています。
この形状のポーチにはその昔、ポケットの代わりを果していたという説、財布として機能していたという説など諸説ありますが、埋葬品から火付け道具を入れていたと見るのが有力で、いくつかの墓では朽ちたポーチの回りに火打石が転がっていたといいます。
そんなポーチをベースにファイアースターターキットを収納した小型ポーチを製作しました。
ベルトに通すループは開閉しないのが古いスタイルですが「キャンプの時には着け外しできた方が嬉しい」との声から、スナップボタンで開閉出来る様にしました。
フィールド ポーチ
重いバックパックの他にすぐ取り出せる小物や、身の回り品を入れておくための、小型のユーティリティポーチ。
ファーストエイド、携行食、地図、ノート、コンパス、ロープ、入れるものは人それぞれ、使う人の「ストーリー」を自由に詰め込みます。
ポーチは古い森人の道具にふさわしく、中世前期の北欧のヴァイキング、東欧のスラヴ人などバルトの海沿岸地域の人々や、ブリテン島のサクソンたちが使っていたパターン模様で縁取られています。
中に詰め込んだ道具を、ポーチを外してしっかり確認できる様に、こちらもベルトループはスナップボタンで開閉して取り外しがスムースに出来る様になっています。
ベルトループを無くして肩掛けを付け、シティ用のサコッシュへのアレンジも検討中。
ナイフシース
どちらかというとインテリア半分、シース (鞘) ありきで制作しました。
古い古い北欧や東欧の人々が使っていたナイフ、「サクス」を納める装飾鞘を模したナイフシース。
作るに当たって中身の条件は「サクスの様な円柱に近いグリップを持ち、汎用性が高く、入手が容易であり、風貌がクラシカルでキャンプ愛好家たちが納得できるナイフ」でした。
そこで選ばれたのがキャンプ、アウトドア好きならば必ず誰もが一本は手にした事があるユーティリティナイフの定番、オピネル。
汎用性が高いno.10用の鞘になっています。
タイプ1
タイプ2
手斧カバーとホルダー
中身は東欧の個人のアイアンスミスが作るハンドメイドのハチェット (手斧) です。
ビアード (ブレード下部) が長く、スパー (シャフトと斧頭の交わる部分) が天地に向かって尖っているこの独特なフォルムは、北欧の古い時代のスタイルを受けついでいます。
ビアードの長いこのタイプの斧は、根元深く握り込んで細かい作業をするのに向いているため、根元のグリップを取り付けました。
そして、この斧のために設計した鞘とこの斧を腰から下げるためのホルダーで一つのギアになっています。
レンジャーベルト
レンジャーベルトは、普通のトラウザーズ用のベルトと異なり3ピースの革から出来ています。
美しく、それでいてタフなレンジャーベルトは、ギアを腰から下げるためのツーリングベルトとして最適です。
このベルトはヴァイキング時代のいにしえの森人たちのデザインと、レンジャーベルトの伝統的デザインが美しく融合した、ウルフバートトーキョーならではの新しい様式です。
1840年代に誕生したレンジャーベルトは、こんにちでもファッションベルトとして、またホルスターを下げるためのベルトとして使われています。
当時男性のトラウザーズには、ベルトをするという概念がなく、トラウザーズはサスペンダーで肩から吊り下げられていました。
無法渦巻く西部のアメリカで、男性たちは拳銃をトラウザーズの中に突っ込むか、腰にサッシュを巻いてその中に突っ込んで携帯していました。
その頃テキサスのレンジャーに正式採用された拳銃はとても重く、トラウザーズに突っ込むのには向いていなかったため、鞘 (ホルスター) に納められ馬具にくくりつけられていましたが、とっさの使用には不便でした。
そこで鞘に納めた拳銃を、腰にベルトを巻いてそこに吊り下げるアイディアが生まれました。
そうして重い拳銃を吊り下げるのに適したタフなベルトとして、このレンジャーベルトが誕生しました。
西日本の熟練タンナーがピット槽で時間をかけ、伝統的な製法で鞣した、堅牢でしなやかな牛サドルレザーの、繊維の詰まった部分だけを使用した、レンジャーの名に恥じないツーリングベルトです。
キャンプやブッシュクラフトの装備に加えて自分だけの世界を彩ってみてはいかがでしょう?
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