FAQ形式で検討!Amazon流サービス仕様の決め方【企画の道具箱 #8】
みなさん、こんにちは!
前回のプレスリリースに引き続き、今回はWorking Backwardsで用いられるFAQについて解説していきたいと思います。
その前に、Working Backwardsについて簡単におさらいしておきましょう。
Working BackwardsはAmazonのイノベーションメカニズムと言われる方法論です。顧客が得る価値や具体的な目標を先に考え、それを実現するためにはどのような前提条件やステップが必要かを検討していきます。Working Backwardsは一言でいうと「顧客を起点に考えるアプローチ」です。
※詳しくは前回記事を参照。
Working BackwardsにおけるFAQ
Working BackwardsにおけるFAQは、プレスリリースの読み手に発生するであろう疑問に答えるものです。例えば「いくらで使えるの?」「競合サービスとの違いは?」「どのような機能があるの?」といった疑問に対して具体的に回答していきます。見方を変えると、FAQは利用者から見たサービス仕様を纏めたものになります。
FAQを作成するタイミング
FAQはプレスリリースを書くタイミングで併せて作成していきます。プレスリリースを書きながら、発生するであろう疑問をFAQの「Q」として書き出していきます。また、プレスリリースに書くには少し細かいけど仕様として定めておきたい点などもFAQに書き出していきます。
FAQを作成する手順
FAQは4つのステップで作成します。
Q(質問)を洗い出す
プレスリリースを書きながらQ(質問)を洗い出します分類する
Q(質問)を分類します。例えば「サービス内容に関するご質問」「アプリの機能に関するご質問」「サービス利用料金に関するご質問」などに分類しますA(仕様)の決定時期を決める
A(仕様)を検討しておく前に、その仕様はいつ策定するか、を決めます。というのは、初期段階で仕様を決めきれないものも多いからです。FAQを作成する時点で決められないものは、いつまでに決めるのかだけ決めて一旦置いておきますA(仕様)を検討する
Q(質問)に対するA(仕様)を検討して具体的に記述します
Q(質問)の例
例えば百貨店向けの体験型店舗では、以下のような質問が考えられます。詳細はサンプルファイルを参照してください。
店舗の営業時間は何時から何時までですか?
サービス対象年齢やターゲットユーザーは誰ですか?
体験型店舗は競合他社と比べて何が優れていますか?
現行の店舗と体験型店舗との主な違いは何ですか?
体験型店舗のメリットは何ですか?
専用アプリはどのような機能がありますか?
体験型店舗には駐車場やバイク置き場がありますか?
店舗でどんなことができますか?
店舗利用時に利用料はかかりますか?
どのように商品を試せますか?
etc...
FAQ作成のコツ
FAQはサービスの仕様を決めていく活動になるので、かなり時間がかかります。その中でポイントになるのは「最初から完璧なFAQを作ろうとしない」ことです。
Q(質問)の洗い出しについては、最初はラフに思いつく疑問点や「これは決めておいた方がよいな」ということを書きだしていき、検討を進めるなかで項目を補填していきます。
A(仕様)の検討も最初から全ての項目に完璧に回答しようとすると、そこで活動が止まってしまいます。その時点で「決められるもの」「暫定で決められるもの」「決められないもの」が発生することを意識するとよいと思います。
実際のプロジェクトでどの程度の数の質問を作るかは製品やサービスによってマチマチではありますが、私が過去に経験したプロジェクトでは、200件を超える質問数が挙げられました。
テンプレートとサンプルはこちら
おわりに
今日は、Working Backwardsのプレスリリースとあわせて作成するFAQについてご紹介しました。FAQは初期段階で作る「利用者から見たサービス仕様」です。機能要件や業務要件等を抽出するインプットにもなるので、プレスリリースとあわせて現場で活用してみてください。
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