見出し画像

現場で使える!無駄な会議をなくす会議一覧【PMの道具箱 #9】

みなさん、こんちには!

プロジェクトを計画する際、「コミュニケーション計画」として関係者間のコミュニケーションを定義しますが、その中でも大事なのが会議設計です。
必要そうな会議を場当たり的に設定してしまうと、関係者の時間浪費や予定のバッティングなどの問題が発生します。それを防止するため、適切に会議設計を行い、その結果を会議一覧として整理することが重要です。

この記事では、会議一覧のテンプレートを提供し、その作成の手順を説明します。



1.会議一覧とは

会議一覧は、プロジェクトで公式に開催される会議を一覧化したものです。一覧を作成する過程で会議を整理することで、プロジェクトに必要な会議の漏れや重複を防止することができます。
会議一覧はExcelやPowerPointで作成されることが一般的ですが、本記事では文末にてExcel形式のテンプレートを提供します。

2.会議一覧の作成手順

1)会議のリストアップ

プロジェクトの目的、体制・役割分担、スケジュール、会社の組織構造などを踏まえて、必要な会議をリストアップします。

Tips:会議一覧は定期的に見直す
プロジェクトが進行すると、プロジェクト体制変更や所属企業での異動が発生し、必要な会議や参加者が変わります。会議一覧については、一定期間(例えばフェーズごとなど)で見直しましょう。

2)各項目の作成

①会議名

リストアップした会議に会議名を付けます。「進捗報告定例」や「朝会」などの「よくある」会議名は、プロジェクト内の複数のチーム・階層で同じ名前の会議が開催されることが珍しくありません。場当たり的に会議名を付けてしまうと会議を混同しやすくなり、メンバーの会議予定を見ても何の会議に出ているのか把握できないケースが発生します。
そのような事態を避けるため、会議それぞれの位置付けを混同しないように命名することが重要です。混同を避ける命名のポイントを以下に示します。

目的・議題を含める
会議内容が一目でわかるよう、会議名に会議の目的や議題を含めます。
例:「キックオフミーティング」、「課題検討会議」
・頻度を示す
会議の開催頻度がわかるよう、会議名に頻度を示す文言を含めます。
例:「週次進捗定例」、「月次品質報告会議」
・参加者の所属チーム・部門を含める
特定のチームや部門の議題を扱う会議であれば、それを示すために会議名にチーム名や部門名を含めます。
例:「テストチーム進捗報告」「開発部門週次課題検討会議」

②目的

会議毎に目的を記載します。会議をリストアップした時点で目的は決まっていることが多いのですが、目的を明文化し、誰でも理解できるようにすることが重要です。
例えば、以下のように記載します。主語を明記にすることで、会議の位置付けが明確になります。
・ステアリングコミッティ:
 プロジェクト責任者がプロジェクトの重要な意思決定を行う
・フェーズ完了判定会議:
 プロジェクトマネージャがプロジェクトの各フェーズの完了を判定する
・プロジェクト週次進捗定例:
 プロジェクトマネージャがプロジェクト進捗状況を把握する

③実施事項

目的達成に向け、会議の中で具体的に実施することを記載します。「誰が誰に何を説明するか」、「誰が何を承認するか」などを具体的に明記して、誰でも会議における実施内容をイメージできるようにします。

④オーナー

会議の目的達成に責任を持つ人の名前を記載します。これは目的、体制・役割分担、会社の組織構造を踏まえ設定されますが、「目的」の主語となる人が該当するケースが多いです。

⑤参加者

会議の目的達成に向けて参加者を記載します。参加者それぞれが会議でどのような役割を果たすのかを意識し、参加者を厳選することが重要です。

事前にRASICチャートを使ってプロジェクトタスク毎の役割分担を整理し、それと整合する形で会議での役割を定義する方法もあります。

ここでは、「参加者である」ことを示すだけでなく、「参加者でない」ことを明示して関係者と共有することも重要になります。そのため、参加者の候補となるメンバーを会議一覧の列に展開し、参加者に「〇」を付けるだけでなく、不参加者に「×」を付ける形で明記する方法を推奨します。

以下に参加者の記載例を示します。
発注者側(ユーザー企業)と受注者側(システム開発企業)を跨いだ参加者を漏れなく参加者候補として記載し、参加・不参加を明記しています。

会議一覧における参加者の記載例

⑥開催日時

各会議の開催日時を記載します。
プロジェクトの進行に伴い、会議の参加者変更や、参加者の都合による開催日時調整が多く発生します。そのような場合に、別の会議とのバッティングを避けてスムーズに調整するためにも、会議一覧で全ての会議の参加者と開催日時が整理されていることがとても重要になります。

開催日時は、以下のようにシンプルにわかりやすく書きましょう。
・キックオフミーティング  :プロジェクトフェーズ開始時(1時間)
・ステアリングコミッティ  :毎月第一月曜日 10時~11時
・プロジェクト週次進捗定例 :毎週月曜日   11時~12時

Tips:参加者調整が難しい会議は定例化する
ステアリングコミッティのように、参加者が役職者など予定確保が難しい会議があります。緊急で会議を設定したくでも、全員の予定が空いているのが数か月先・・・というケースも珍しくありません。
そのような会議については、月次など一定の期間で定例化して予定を確保し、議題がなければ開催スキップとするよう会議設計するのも一つのテクニックです。

⑦場所

場所も参加者と調整しながら決めていきます。
対面開催であれば移動時間が発生するので、会議室の所在地(どの会社のオフィスか、など)を明記します。オンラインで行う場合は、オンラインであることだけでなく具体的なオンライン会議ツールを記載します。

例えば、以下のように記載します。
 ・ステアリングコミッティ  :〇〇社会議室
 ・プロジェクト週次進捗定例 :〇〇社会議室とオンライン(Zoom)併用


テンプレートとサンプルはこちら

テンプレートとサンプルの利用規約はこちらを参照してください。

おわりに

今回は、プロジェクトにおける会議一覧の作成手順についてご紹介しました。いかがでしたでしょうか?
整理された会議一覧を作成することで、無駄な会議をなくして効率的な会議でのコミュニケーションが可能になります。ぜひ、現場で実践してみてください。

この「現場で使える!コンサル道具箱」では、その名の通りすぐに現場で使えるコンテンツを無料でご提供している note です。あなたの欲しい道具が探せばあるかも?ぜひ他の記事もご覧ください!

ウルシステムズでは「現場で使える!PM道具箱」でご紹介したコンテンツにまつわる知見・経験豊富なコンサルタントが多数在籍しております。ぜひお気軽にご相談ください。