きまぐれフレンドシップ
星新一はひっくり返して考える、というのをよくいっている。それでは、『きまぐれフレンドシップ』(新潮文庫)をひっくり返してみよう。これは、星新一が交友があった人の文庫本に寄せた解説を集めたものだが、星新一の文庫に解説を寄せた人たちのほかの本を読んでみる、というのを少しやった。
中田耕治は「メディチ家の人びと」を読んだ。メディチ家が一番だな。加藤秀俊は「自己表現」は面白かったので「企画の技法」「新・旅行用心集」も読んだ。百目鬼恭三郎は「新古今和歌集一夕話」を読んだ。丸谷才一路線なんだろうか。尾崎秀樹は「越境者たち」を読んだ。尾崎秀実の弟だったんだ。荒巻義雄は「「能登モーゼ伝説」殺人事件」を読んだ。新本格ミステリー誕生直後みたいな時期のもので、スケールが大きい気がした。深見弾は、スタニスワフ・レム「浴槽で発見された日記」を訳している。なんか面白かったな。青木雨彦は「雨彦流 当世文章作法」を読んだ。江川卓の「空白の1日」があったころか。