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【一日一恥】タネと仕掛け~”小さな未来”の作り方~

大言壮語に気をつけて、安易な自己満足も寄せ付けぬ。そんな文章を、血の通った文章と呼びたい。

分相応の少し先、もうちょっとしたら大きくなるかもしれぬと期待して、1cmぐらい大きめの靴を買う。そして足らぬ指先の不安定が、くすぐったいような焦れったいような。そんな文章を書いてゆきたいと思う。

何のこっちゃ。
どうも1日遅れました、木曜日のまさまさです。

たとえば、”未来をつくる”ということ

さて早速の大言壮語を失礼しつつ、まずはこう言わせて頂こう。

「今週僕は、未来のつくられる場に居合わせた」と。

そして、せっかく居合わせたもんだからよく眺めた。相撲で言うところの砂かぶり席。目の前でひとつの未来のタネがのこったのこったと相撲を取り、果たして結末や。行司が勝ち名乗りを上げるまでを見届けた。

そこで感じたことをしたためて、丁度いいからシェアもしちゃおうという、1cm先の文章となります。

***

さて、”未来”だなんて大げさな、と。世界は広くて深くて流れも読めない。「世界の潮流」はコントロール不能の怪物である。誰かが、その確率的なシナリオを予測して「ああなる、こうなる」言おうとも、基本的に未来は「不可知」なもの。それを作るだなんて噴飯ものである。そう思われるだろうか。同感である。

でも、ここで話したい”未来”は、そんな大きな未来ではなく、もっと小さな未来のこと。「世界の潮流」に対するは「この場のさざなみ」のこと。

大きさはどうあれ、ひとつのうねりが、何らかの偶然なり繋がりに支えられ連続して発展してゆくこと。この場で生まれ、これから先に向かう、新しい流れのことである。

それが出来るのを眺めた、観察記である。

タネと仕掛け

最近、とあるクラウドファンディングのプロジェクトを支援した。

さらりと説明すると、クラウドファンディングとは、Crowd(一般)からのFunding(資金調達)のこと。事業性の評価や採算が問われる銀行等からの融資ではなく、あくまでも一般に対して自分のやりたいアイディアを語り、そのために必要となるお金を、支援額別のお返し(気持ちや、物品や、何かしらのリターン)と交換することで募るものである。

その通り。この”小さな未来の作り方”は、クラウドファンディングから感じたことである。なぁんだと思われるかもしれないが、まだ先がある。

これまで災害の義捐金とか、何となくの声掛けに応じたものもあったけど、それらとは明らかに違ったことには、なんだかとても楽しかったこと

そして今それを振り返りつつ、仕組みの妙と、設計のうまさに舌を巻いての話であるとお伝えしたい。

そこで起きていたことを、砂をかぶりつつ目を細めて観察したところ、この取り組みには、以下の3つの仕掛けが効いているように感じた。

それをハイライトにしてお伝えしたい。

3つの「仕掛け」
① シンプルな目標と明確なタイムライン
② プロセスは日々アップデート、共有され、参加者は共犯者になる
③ 最終的な支援は、未来と関係性への投資となり、ワクワクを伴ってリターンされる

ざざっと行きます!

① シンプルな目標と明確なタイムライン

これは簡単なお話で。まずは観客にとってわかりやすい「ルール」を示していることが肝心ということ。クラウドファンディングの目的は、シンプルに目標額への資金調達であり、それぞれのプロジェクトには受付期間(制限時間)が設けられている。これによって、目標金額、現在の調達金額と達成率、残り時間がひと目でわかる。

つまるところ、次の「参加」というフェーズに移る前の段階で、そもそもの意味が「パッと見」で掴めないことには始まらない。

例えば、僕のnoteは早くもこの段階で挫折を続けている。「ルール」がわからない。どういうもんとして見ばいいのかが分からないのだ。

話が逸れた。

② プロセスは日々アップデート、共有され、参加者は共犯者になる

このエッセンスは現代のゲームプランさながらである。プロセス、アップデート、物語、自分ごと、シェアなど、その辺の「聞いたことある系ワード」が満載である。

簡単に説明すれば、クラファンのページには、前述の達成金額や残り時間がわかりやすく表示されているだけでなく、オーナー側からの「活動報告」や、支援者からの「メッセージ」さらには両者の「コメント」が随時、積み重なっていくように出来ている。

それらの「アップデート」を通じて、このクラファンに挑戦している人の「物語」の続きがどうなってるかの「プロセス」はオープンに共有される。どこかのタイミングでグッときた人はそれをSNSなどで簡単に「シェア」出来るので、それらを通じてさらにうっかり「自分ごと」にも感じた日には、ますます没入感を深めてゆける設計になっている。

個人的にも、特に支援をして以降は「今はどんな感じやろ?」というのは、想像以上の楽しみをくれた。当初は、伸びてなかったら大丈夫かしらと心配してみたり、伸びていたらワシの影響薄まるな~と一抹の寂しさを覚えてみたりもしたけれど、途中からはもっと小ざっぱりと、母校のOBとして試合の応援に来ているような感覚になった。

さてここまでは、あくまで「ゲームのようなもの」であって、僕がグッときたのは③である。

③ 支援は、未来と関係性への投資となり、ワクワクを伴ってリターンされる

これです。これが言いたい。これだけ聞いて寝て欲しい。

”小さな”未来が、

何らかの偶然なり繋がりに支えられ連続して発展してゆくこと

だと言うのなら、クラファンに見つけた”小さな未来のつくりかた”は、ここが肝だと思う。

ここには「良いお金の使いかた」があって、「支援による支払い(Pain)と受け取るリターン(Gain)にタイムラグがある」ことや、また「そのリターンは、将来の約束となって、可能性の広がりを連れて返ってくる」であろうことに決定的に重要な意味がある。

具体的に説明しよう。まず僕が今回選んだリターンを紹介したい。それは、支援先の「カフェを一日貸し切れる権利」である。

いつ何に使うのか、なぜお前みたいなもんが!色々と疑問はあるだろうが、一旦飲み込んで頂きたい。出来心である。

***

まずはこのように、タイムラグゆえに、リターンはほぼ必然的に「今消費出来るもの」ではなく「将来に感じられる経験」となる。その結果として、旅は計画が楽しいとも聞くけれど、リターンによって得られる「将来の経験」にはそんな計画期間も付随しうる。いやぁどうしよっかな!である。

さらにその時が来たら、支援の支払いはもう過去に済んでいるので、残るは存分に楽しむだけである。All inclusiveのホテルにチェックインしたのと同じこと。あとは飲むだけ遊ぶだけ。行ったことはないけれど。

というわけで、以上を煎じ詰めれば、何かを「楽しむこと」がとてもうまくデザインされていることに気が付く。

そして多分に僕は、この「カフェを一日貸し切れる権利」を持て余すので、その色んな使いみちを他の人に相談したり、もしかしたら誰か「自分の作品の展示をしたい!」みたいな人にあげちゃうこともあるかもしれない。

そう、それは可能性の広がりをもって、ワクワクと一緒にお返しされるのだと思う。

この場で生まれ、これから先に向かう、新しい流れ

今のきっかけを通じて、将来に起こる小さな約束が連続して発展していく。そんな”小さな未来”のさざなみを、ひょっとしたら誰にでも、起こすことが出来るのだと、そんなことを学んだ。

「仕掛け」に学び「タネ」を愛でたい

てなわけで、クラウドファンディングに参加したらとっても面白かったよ、というのがシンプルな感想です。

多分、何かが上手に展開していくための仕掛け(How)は色々あって、何を採用するかは、遊びどころや芸風の差でしかないし、それがうまくハマるかどうかは相性などもあるので、色々ある方法の中でこれも良さそう!という話に過ぎないが、結局のところ一番大事なのは「タネ」である。

人生には、タネも仕掛けも必要だけれど、タネがなければ始まらない。

ただしそのタネは、自分のタネだけに囚われる必要もない。誰かが、”思いのタネ”を植えることが、全ての始まりだけれど、そのいいタネを見つけ、育て、変化を楽しみにしていく人達が交わり、ひいては共有の財産になるように、ちいさな将来の約束を取り交わしてゆく中で、次の”タネ”が動き出す。

そんな風なあり方がありえるのだということ。

小さな未来とは、まず今ここで思いのタネを撒くことや、蒔かれたタネに水をやることであり、それらの変化の過程を楽しむことであり、そしてその先に、ちいさな約束を作っていくことなのだろう。未来は今と地続きなのだ。

おみそれしました。

(以上)

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Masato | まさまさ牛歩の旅
よくぞここに辿り着き、最後までお読み下さいました。 またどこかでお目にかかれますように。