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ワーケーションのケは、kなのかcなのか

どうもお久しぶりです。
唐突ながら、ワーケーションという言葉をご存知だろうか。

Work + Vacationを合わせた造語として知られるこの「ワーケーション」は、今っぽい働き方の一つで、普段の職場ではなく、例えば自然豊かな景勝地のような場所でも自由に働けるよねという発想であり、特定の職種や、柔軟な就業体制が取れる人にとって新たな選択肢として注目されているらしい。

この言葉がどれほど市民権を得たかはさておき、このワーケーションとやらの中身について、ともすれば気になる人もいるのではなかろうかと、10月に福井市のサポートを受けつつモニター参加した「越前海岸ワーケーション」のレポートを記してみたい。

なおこれを経験した今でも、ワーケーションのケは、kなのかcなのかは分からないが、雰囲気の一端を伝えられると良いなと思う。

第一章:弱者の戦略

人口減少のトレンドが確定しているこの日本の地にあって、その影響を最初に受けるのは、都市ではなく地方である。「シャッター街」や「空き家問題」などは、よく聞かれるところかと思う。

「都市」が構造的に持つ「資本の集中と循環による自己強化」は、地方から人を集め、モノを集め、都市の傘の下に新たな機会を生みだして、花開く。新しい変化のフロンティア。そんな分かりやすいエネルギーと可能性を感じる「都市」に対して「地方」のアピール材料はともすれば心許ない。

また、人口減少のトレンドは、経済ボリュームの減少であり、それは税収の減少とも符号する。この税収がそれぞれの地域の開発や再投資に繋がることを思えば、この減少トレンドは地域毎の「イケてる」格差を生み出し、その構造を固定化してしまう。そんな流れに拍車を掛けるように思えた。

しかし、まだあるのだ。

「人口」の定義を拡大解釈すればいい。その土地に”関わる人口”を増やす。物理的に出来れば素晴らしいが、例えば「ふるさと納税」のように仮想的でも構わない。「自分が好きな場所」を複数持って、一緒に育ち、還元する。世の中には知らないだけでいい場所が沢山ある。人が生きる中で、もっと色んな場所と関わり、人や自然と交わり、循環を作りながら、豊かに生きる。そんなことが出来るのではなかろうか。そんな逆転の一手。自らの持つ魅力を一言で刺す。「そこのアナタ、自然はいかが?」と。

そして、この前者の「物理的な関係人口を増やす」上でのボトルネックが、「仕事をどうするのか」であり、それが今の時代のリモートワークや、多拠点生活や、複業その他、色んな文脈から少しづつ活路が見いだされんとしてきているところであろう。

第二章:場所を選ぶ

ワーケーションなどと謳ってはいるが、要するに、リモートワークである。職種にも依るだろうが、電源があって、wifiが飛んで、時々電話が出来れば事足りる人もいるだろうし、僕もその一人である。好きにしなはれである。

今回は友人のお誘いを受けて知ったが、ワーケーション視点でまとめられた「ここぞ」というようなポータルサイトはまだ見当たらなかったので、今後何かしらのおすすめ出来るソースが出てくれば追記したいと思う。

さて僕は「こんなんあるから行ってみーひん?」と誘われて「いいねー」と受けた(以下参照)

概略すると、このワーケーションのモニターには条件が3つあり、
① 福井市「越前海岸エリア」で2泊以上すること
② 海辺のサテライトオフィスで5時間以上ワークをすること
③「越前海岸盛り上げ隊」企画の体験コンテンツを1つ以上すること

上記3つの条件を満たした上で別途所定の体験レポートを提出すると、モニター参加の協力金を貰うことが出来る(※2020年10月参加時点)

※注 最新情報は、福井市の「未来づくり推進局 まち未来創造課」に準じます。なお本noteは提出したレポートを一部改変して纏めたものです。

第三章:越前海岸ワーケーション!

さて、ここからは2泊3日を時系列でファファっと振り返ります。

<一日目>
1. レンタカー移動(富山~越前海岸)

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 石川県側から北陸自動車場を南下し、金津ICを下りて海方向へ向かえば、越前海岸まではもう少し。夕暮れに街路樹が織りなすコントラストが目に心地よい。

2. 【汐満荘】にチェックイン

 旅館風情のある民宿にて素泊まり。「知らない場所に来た」感覚を、ゆるりと和ましてくれる女将と、必要十分なシンプルなしつらえのお部屋でしばし休憩をとる。この日は、ご近所の居酒屋さんで晩御飯を頂いて、明日の準備をして就寝する。

<二日目>
3. 「越廼サテライトオフィス」にてテレワーク

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 宿泊施設をチェックアウトしワークスペースへ。施設に到着すると職員の方から入館キーの貸与を受けた。東京のチームメンバーと定例のWeb会議を実施する。潮騒をBGMに、水平線の彼方を見て考えながら話していると、何かいいアイデアがひらめくような気がした。

4. 「れいちゃん」でランチ

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 施設職員の方オススメのランチ場所を伺って訪問。複数候補からローカルの香りがした「れいちゃん」に決定。刺身定食はボリュームに対して値ごろ(1,000円)で満足度が高かった。なお、もう一店興味のあった「浜茄子」は、事前予約が必要と教えて頂き、明日のランチの予約までして頂いた。

5. 【箪瓢草堂】にチェックイン&体験開始

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 細い山道を上って宿泊施設に到着。さっそく古民家改修体験をさせて貰う。同施設を拠点にされてる大工さんはめちゃくちゃナイスガイで、大工作業の基本動作をその原理原則から教えて頂けた。
・手のこぎりでまっすぐ切る方法
・インパクトの使い方とコツ
・丸のこ(回転ノコギリ)の使い方や注意点など

あっという間に数時間が経過し、屋根の裏板貼りが75%ほど完了したところで「今日はこれまで」となった。慣れない作業や中腰の姿勢で少しくたびれたが、学びも多く、共同作業をした感が、そのまま施設で過ごす居心地の良さに繋がった気もした。

6. 宿泊施設で晩ごはん&入浴して就寝

 宿泊施設が推していた「塩」と「モーリンガー」風呂に入って就寝する。

<三日目>
7. 宿泊施設で朝ごはん

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 縁側のお部屋にてVegan朝ご飯を頂く。しばし寛ぎチェックアウト。朝のお家に漂う空気感はゆとりがありつつ、キリっと感もあり素晴らしかった。運営に携わっている方々は、みなフレンドリーで滞在期間を通じて楽しく「暮らし」のお話を伺った。

8. 「越廼サテライトオフィス」にてテレワーク

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 二日目同様に午前中にテレワークを行う。この日は会議予定がなかったため、デスクワークを中心にブログ記事作成などを行う。スペース内をプラプラ歩いていたら、同じく施設を利用されていた方とお話をした流れで、ランチをご一緒させて頂けることになった。

9. 「浜茄子」にてランチ

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 予約人数の変更を快諾して頂いた上で訪問。木目調の小上がりのしつらえも風情があり、頂いた海鮮丼も美味しく大満足だった。お昼をご一緒させて頂いた方と、今取り組んでいることを伺ったり、福井のワーケーションに辿り着くまでのことなどをお話する。ランチが済み、お会計をしようと思ったら奢られてしまった。

10. 「カフェアース」にてコーヒータイム

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「越廼ふるさと資料館」を訪問し、この土地の歴史や文化などを学ぶ。想像以上にクオリティが高い。その後、昼下がりのコーヒーブレイク。「カフェアース」の中庭テラス席に腰掛けると、心地よい風が吹いて、しばしその眺めにうっとりした。平日が混まないそうなのでおすすめ。

11. 越前海岸の観光スポットをいくつか巡り出発する

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「鉾島」を探索した後、「鷹巣荘」にて日帰り温泉を堪能し、「弁慶の洗濯板」で夕日を眺めて、越前海岸を後にした。「鷹巣荘」の露天は泉質も眺めも素晴らしかった。

一連の流れを、タイムテーブル的に整理したものが以下である。

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第四章:結びに

今回のワーケーションで感じたことを雑多に述べて結びとしたい。

ワーケーション参加者への感想&アドバイス
● レンタカーはコンパクトサイズが便利
福井市内の一部の路地や山間に入る際には、道が細くなるので、小ぶりの車が便利。これは他の地方拠点にも言えると思われる。

● 潮騒などの環境音は少し注意が必要
Web会議等で環境音を拾いすぎないような工夫があると安心。今回はマイク付きのイヤホン(iPhoneについてるもの)で問題なかった。座席を選べることが多いと思うので、それほどの心配には当たらなそう。

● サテライトオフィスでは、気軽に話してみると吉
今回の施設に来られていた方は、ワーケーションの参加者ないしは、地域の活動をなさっている方で、いずれの場合も「素敵な出会いに繋がりそう」な気配があった。普段の場所を離れることで少しオープンになって、フラットで肩肘張らないお話が出来るのは、ワーケーション特有の魅力だと思う。

また、ここで出会った方にオススメして頂いて訪問した「カフェアース」や、帰り道に寄った越前町の「若竹荘」は思い出に残る経験だった。近くにお寄りの際には、僕からもオススメしたい。

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その場の即興的な出会いに導かれた可能性が、自分の人生に新たな彩りを与えてくれるなと思いつつ、これが「旅するように働く」なのかもしれない。そんなことを帰り道、福井市の「吉野寿司」で握りを頂きながら思いましたとさ。

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(以上)

写真:越前海岸エリア 宿泊施設「箪瓢草堂」の朝ごはん

よくぞここに辿り着き、最後までお読み下さいました。 またどこかでお目にかかれますように。