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小さい人との箱根
箱根外輪山を借景に、へんてこりんな彫刻がにょきにょきと居並ぶ。
彫刻の森美術館は、その非日常な光景を眺めるだけでなく、小さな子供が入って遊べるプレイスカルプチャー(遊戯彫刻)もいくつもあって、ヨーヨー(3歳)は大よろこび。館内はバリアフリーの配慮も行き届いていて、あーちゃん(0歳)のベビーカーを押しても楽々まわれた。
シャボン玉のお城にネットの森。これ以外に、ステンドグラスの塔や巨大迷路など、大人も入って楽しめる設備もいろいろ。
箱根には何度も遊びに来ているくせに、実は、わたしはこの美術館に入るのは初めてだった。学生時代は大勢で夜通し飲み騒いで朝は寝潰してって感じだったし、社会人になってからは、だいたい山登りの帰りで温泉目的だったし。こんな風にゆっくりとアートを楽しむ箱根を知らなかった。
積雪が分厚く残っているから寒いだろうかと心配したけれど、幸いの晴天で空は高く青く、雪原を縫ってたどりついた眺めの良いカフェで一服するのは、なかなか素敵な朝のすごしかただった。
ちなみに、今回は強羅泊の2日目にあまり時間がとれないため美術館になったのだが、もし午後まで時間を使えるならば、元箱根の方に泊って、海賊船・ロープーウェイ・ケーブルカー・登山鉄道をぜーんぶ乗りたおす周遊コースも、乗り物好きの小さい人がいる家族にはオススメ。
大混雑の箱根湯本は、帰る直前にお土産の干物を買うために立ち寄るくらいでちょうど良い。箱根は動き回ってこそ楽しいもの。芦ノ湖沿いのこんなカフェにいくと、赤ちゃん連れとみたら奥のソファ席に案内してくれたりもする。
都心から近くて、どんな世代でも、どんなスタイルでも楽しめる幅の広さが箱根のいいところなんだなあと、改めて思った。
でも、やっぱり、何の制約もなかったらわたし、また外輪山のどれかに登って降りてきて掛け流しの温泉宿で一泊っていうのを選んでしまうと思う。
その夢の週末に「翌朝に彫刻の森美術館でお茶」というメニューが加わった。うん、それくらい気に入った。新緑の季節に、また来たいな。
「大きくなったらママと一緒に、あの山に登りに行く?」というと、
ヨーヨーは「うん!」といいお返事を返してくれた。
山登りがどういうものかは知らなくても、彼にとって「ママと一緒」はすべからくGoodを意味するのだ。
ああ、幸せだ。
ヨーヨーと金時山に登る日のために、今日も仕事がんばろう。