見出し画像

ノンイベントとの遭遇 - シュロスバーグ

ご飯を食べながら、パッパが「自分は5歳くらいから数年間は松田聖子と結婚するって思っていた」と言いだした(はーい、現実はこちらでごめんね)流れで、わたしはヨーヨー(もうすぐ5歳)に、「赤いスイートピー」を歌う若かりし頃の聖子ちゃんの動画@Youtubeを見せ、軽い気持ちで「ママと聖子ちゃんどっちがかわいい?」って聞いたんですよ。

 したら、何の屈託もない即答で、

「この子のほうがかわいいな!」

   …えっ!!!

「男子は8歳くらいまではママが恋人」っていうの、あれは都市伝説だったの?!私の愚弟は6歳くらいになっても、北斗の拳を見て「ユリアよりお母さんのほうがきれい」と言っていたが。ががが。

さあ!ナンシーの「4S点検」の出番だよ!!

画像1

キャリコン試験頻出のナンシー・シュロスバーグといえば「転機を乗り越えるための4S点検」です。本日は心にダメージを負っているため、以下はその理論を使ったセルフ・コンサルをお送りします。


シュロスバーグは転機には二種類があると言っています。それは「イベント」(=想定外のことがおこる)と「ノンイベント」(=期待していたことがおこらないこと)。その分類でいうと、これは大切な人との関係の変化を伴うノンイベントなんだけど、ここは落ち着いて「4つのS」の点検よ…!

Situation(状況):前述のとおりだが、これはわたしにとって「子供の独立への直面」(=典型的な転機の一例!)、正常な発達段階の通過点として生じる転機だなという認識はある。涙。

Self(自分自身):しかし、自分でもびっくりするくらいショックを受けた。当然「ママ!」って答えが返ってくると思ってたのだ。

Support(支援):それを見ていたパッパが即座に「だって、聖子ちゃんは当時一流の専門家たちが寄ってたかって、お金をかけまくって作った”かわいい”のプロだぜ」と言った。ん?たぶん、フォローしてくれたんだよね?いや、冷静に考えたら、若いころの松田聖子とかわいさを張り合うなんて、確かに図々しいにもほどがある。相手が大人の男ならそんな質問は死んでもしない。やはり相手が子供と思って甘くいていた自分に気づく。

Strategies(戦略):とっさに重ねて「じゃあ、ママと聖子ちゃんとどっちが好き?」と聞いたらヨーヨーは「ママのほうが好き」と即答してくれた。が、その瞬間の自分を救うためだけの追加質問はよく考えると浅はかだった。もし、それで無邪気に「聖子ちゃん」と言われていたら、ダメージは深刻だっただろう。聞いてどうするんだよって話だ。バカだな、私。

改めて、シュロスバークのフレームワークにまとめるとこうです;

画像2

ちなみに、真面目な話をすると、実務の上で来談者とこの作業をすすめる際には、STEP1「状況把握」と、STEP2「特定の戦略の選択」のそれぞれのステップをちゃんと段階を踏んで行うことがけっこう大事です。状況把握というのは、転機の全体を見て複眼的に分析し、その性質を良く見定めること。それをやり尽くしてこそ、最適戦略の選択ができるのです。

告白すると、戦略決定の前に私はこんなことも妄想しました; …おっさんになってもマンマ大好き!と言ってはばからぬイタリア人みたいに育てたらどうなるんだっけ。どう育てたら、そうなるんだっけ。そういえば、巷で人気?の幼児教育メソッド、モンテッソーリもレッジョエミリアも、どっちも確かイタリア発祥。いいんじゃない、イタリア式!?…でも、絶品パスタを作れるママンは松田聖子と同じくらい遠い気がしたのでこのアイディアは断念しました(By 牛乳を飲む殺し屋「レオン」)

なお、試験に出題されることはないと思いますが、シュロスバーグの論旨にはSTEP3もあって、そのなかには「常にPlan-Bをもつこと」「そのイベントがもしなかったとしたらという仮定でかんがえてみること」などの、コンティンジェンシー・プランも述べられています。

兎に角、私の話に戻ると、小さい人を甘く見て、自分がキュンとしたいだけのために、くだらぬ質問をしたらダメだなあと思いました。子の発達は親の予見の先を行くものだなと思います。どこかで見抜かれてウザがられるようになる前に、そういうのはもうやめようと思いました。

なんたって0歳から保育園に通っているうえにそもそもの気質がフレンドリーなヨーヨーの発達は、自分には想像できないところがあります。

でも…今日も眠りにつく前に、ヨーヨーはひそひそ声で「ママ、大好きだよ」と言ってくれました。

ありがとう。うれしいな。

ママもあなたのこと、好きよ、今日まで逢った誰より。

でも、そのまっすぐな言葉が聞けるのは、あたりまえじゃなくて、今だけの特別な時間なんだってこともちゃんとわかっておきたいと思います。

どなたさまも、ハッピーなライフ・キャリアを。

いいなと思ったら応援しよう!