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かなた島へ友よ行かん
同年代の友達がFacebookに「今日気が付いたら、”帰れソレント”をくちずさんでいた。なぜ自分、原語で歌えるんだろう?」という旨の投稿をしたのをみて、おぅ、私も”サンタルチア”をイタリア語で歌えるよ、と思い出した。スルマーレルチッカ!
確か、小学校の音楽の授業でやったんだよ。合唱大会?ってあったよね、クラスで1~2曲を選んで歌うか演奏するかするやつ。あれに選曲されていたから、何度も練習して覚えたような気がする。
そのサンタルチア、社会人になって間もなくの頃におさらいする機会があった。会社の先輩と女3人でイタリア旅に行って、カプリ島の海辺のレストランで歌ったのだ。(一人の先輩がとにかく野性味のあるコミュ力の持ち主で、おもむろに「さあ歌うよ!」と立ち上がって朗々と熱唱するのに、もう一人の先輩と私が引っ張られた形だったが…)周囲のお客さんにブラーヴォ!!!って大うけで、たちまち、テーブルは奢りのお酒で埋まった。
その日にとれた新鮮な魚が店先の氷の上に山積みになっていて、好きなのを選んだら適当に調理してくれるお店だった。白いテーブルクロス。そこでしか食べられない生ハム。リモン・チェッロの明るい黄色、甘くて強い刺激。しこたま酔っぱらってホテルまで戻る石畳の道、見上げる夜空は黒ではなくて濃紺だった。夏の夜風がひんやり気持ちよかった。
どこにいってもちやほやされて楽しかったなあぁぁ。たくさん写真をとったのに、ほぼすべて酷い酔っぱらい顔で、人に見せられたもんじゃなかった。二十歳くらいの頃って、世界は自分にひざまずくと思って生きていたよ。
…と、思わず遠い目になったフォーティー・サムシングの夜。明日の家族カラオケ・タイムに、”サンタルチア”、久しぶりに歌おうかな…。
Youtubeの歌詞付き動画をテレビにキャストして玩具のマイクで歌う我が家のストレス発散イベント。2歳と5歳はトランポリンで跳ねまわる。あの頃の無敵感はないけれど、まあ今は今で、これも悪くない。
ところで、このところ凋落感が漂いかけていたSNSがまた活性化している感じがする。特に、もともとリアル友達のオンラインコミュニティや小さなグループでおもしろい試みが生まれている。幼児と一緒にロックダウンで仕事もあるため、私はほとんど横目で見ているだけだけど。平常時は「SNS疲れ」って言葉も聞こえてきたけれど、インターネットがなかったら、このロックダウンはもっと孤独なものになっていたかもしれない。
そんなの、自分の周囲にはないと思う人には、少し前に書いた「さみしがりやのクニット」という絵本の紹介より、再度、キーメッセージを送りたい。
明るい世界の一部になりたければ、その世界を自ら迎えに行けばよい。一歩を踏み出せば、あとはうまくいくよ。勇気をだして。