午後から雨が降るというので、朝のうちにヨーヨーと近くの森林公園に遊びに行った。空気は冷たいし、霧雨が降っていて人影は少ない。でも、腐葉土の地面はいい匂い。
ヨーヨーは、熱心に宝物(どんぐり)を集める。虫が食べてないやつだけねというと、ひとつづつ「これは割れてる」「これはピカピカ」と検分する姿に、成長を感じる。
が、ふとゴーッと上空を抜ける風の音に顔をあげ、「ママ、葉っぱの雨が降っているよ」と、言った。目線を追うと、確かに、秋の木の葉が、湿気を孕んだ風に散らされ、ハラハラと舞い落ちていた。
英語教室でのお絵描きで、茶色や青だけのぐちゃぐちゃした絵をかいていて「地味だなあ」と思わず言ったら、「今日は風が強いから」「くるんくるーんって、雨」、と、躍動感たっぷりに描いていたことを先生に教えられた。
自分が小さい時に色彩々を使うのが好きで褒められたからといって、個性の違うヨーヨーに「いろんな色を使おうね」とさしむけるのは野暮なのかなって、その時にも思ったけれど。
彼は、詩人なのかもしれない。