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気高い心は時間を従え、空間を征服する
友達との話の流れで「愚行録」という映画をおすすめされて、アマゾンプライムで見たんですね…したら、これがとても胃もたれのする作品で。
モチーフが慶応大学の内部生(幼稚舎あがりで大体が資産家・エリートの子息)と外部生(大学からの一般人)のヒエラルキーなんだけど。それに囚われてる登場人物たちの心模様がひどいんですわ。片っ端から、実にひどい。
現実において慶応卒の知人友人も多く、そのほとんどは常識人なので、映画の肖像はその極端な一部をデフォルメしてるだけだとは思います。モチーフはモチーフにすぎない。
しかし、その映画で描かれている病を十分の一に薄めたくらいの地獄に生きてる人もリアルにいるとも思う。そういうのがあることは知っている。
私自身は昔からその手の内的カーストと無縁に生きてこられてほんと良かった。狭い世界で上とか下とか気にしながら生きるのは御免だわ。とは思うものの、なんで(映画の中の人たちは)ああなったかということ考えると、その根っこのところに理不尽な暴力と不安があり、
ニュース見ていても、信じがたい暴力が日常茶飯のこの世の中で、行き場を失った苦しさや怒りや嫉妬に支配される地獄のような人生も実際にあるんだよな。どれくらいの割合か知らんけどイヤだなという思考が止まらず、たかがフィクションに触れただけなのに、低気圧も手伝ってボディブローを食らった感じになってました。
でも、タイミングよく、近日インタビューに伺う方のおすすめの書籍「原因と結果の法則」が届いたのでそれを読んだところ、こちらの一冊が、薬のように劇的に効いて!心がすっきり整いました。
100年も前に書かれたものですが、イギリスの作家ジェームズ・アレンによる、元祖・自己啓発書的な一冊。デール・カーネギーやアール・ナイチンゲールにも影響を与えたということで、平易な言葉でさらっと読めます。
そう、冒頭の映画じゃなくって、こっちが、おすすめです。
なお、心を整えるための愛読書としては、そこからさらにさかのぼること50年前くらいに書かれたレバノンの詩人、カリール・ジブランの「預言者」も、常に持ち歩いているくらい好きす。
ジェームズ・アレンが薬なら、カリール・ジブランは魔法。
現世を、唯我独尊で生き抜くために、片手には良書を。