公休減らして有給増やせばいいと思う
「子どもの学校を休ませて旅行に行く」に賛否 「今しか行けない家族旅行もある」VS「子供にとって学校は仕事だよ?」というニュースを読んで思ったことについて書きます。
子供の学校を休ませて家族旅行に行くことについて「軽蔑」だの「恥ずかしい」だのというのは、プライオリティが家族にある他国の人から見たら、「何言ってんの?!?!」な話だと思います。これについては、私も完全にそっちの人です。一応肯定の声が多いということで救われますが・・・
日本は有給取得率が低い代わりに、みんなで一斉にお休みする公休は他国に比べて多いのです。
トラフィックの傾向が平日と休日で明確に異なるオンライン検索の業界にいたため、FPA時代に、デイリーの売上予測を立てるためにグローバルで各国の休暇スケジュールを集めたことがありました。その際にわたしは日本の分を担当していて、その実態を知りました。「お盆休み」という幅のあるコンセプトが捉えずらくて「うーん、この期間にだいたいXX%くらいの人が休む」という概算を出した。他国で面白かったのはインドで、州ごとに公休が違う(宗教の流派が違えばお祭りの日も違うらしい)ので、アウトプットが所与のテンプレートに収まらず、担当者が工夫しまくった複雑なシートを出してきていて、大ボスが「うわっ」て顔をしたのを覚えています。
だけども、日本の公休はもう、どこに行くにも混み合うし高いし、嫌になっちゃう。同調圧力モデルは限界に来てると思います。
我が国も、年金問題やら働き方改革やらで「国民の自立」を促したいのならば、公休を減らして自律的に休みを取るのは当前の権利という啓発を進めて行った方がいいと思います。
そのシャドーとして、個人は当然「公教育は学校がなんとかしてくれるもの」という丸投げ意識を手放し、遅れた分は自宅で回収するという責任も生じるわけですが、教育とは本来、日々の小さな積み重ね。それを可能にする仕組みづくりはそんなに難しくないはずです。それこそ自立ってもの。
ちなみに、成人の研修業界では「70:20:10の原則」というものが一般的な指針として周知されています。
個人は、実地で役立つ知恵の70%を実際の(業務)体験から学び(from on-the-job)、20%を他者との交流を通じて学び(from social)、10%を研修等の学習プログラムから学ぶ(from formal)というものです。
1980年代に米国の非営利教育研究機関CCLが提唱して各国で採択された指針ですが、最近は時代の変化を受けて、OSF (on-the-job, social, formal) ratio は産業や業種によって異なるという概念が主流です。
つまり、「生きる」という大目的に照らしてみると、学校での授業は上記でいう10%の formal であるのに対して、家族とバケーションで非日常体験をすることは、on-the-job、よっぽど大事なことだと思いませんか?
「子供にとって学校は仕事」なんて言ってしまう人は、自分自身の仕事も、そのように窮屈に考えているのかなと思います。
「仕事は生きることの一部ではあるけれど、仕事のために生きているわけではない」と、当たり前のことが言えない時代が長かったのかもしれません。
もちろん学校に通う中にも on-the-jobとsocialの要素があるので、それを軽視する意図はありませんが、これからの時代、優先順位は各自が自分で考えて行くものだよ、と、言いたいです。