惜みなく愛は奪う
この週末は引越しをします。住み慣れたマンションは気に入っていましたが、建て壊しになるので、5分ほどはなれたところに住み替えます。
最近、するべきことやかんがえるべきことが多いので、思い切って引越し屋さんがパッキングもしてくれるお任せコースをお願いしました、が、なんにもしなくていいとはいわれても、整理したり家具の隅を拭いたりしながらすこしだけ梱包を進めていたところ、ちょっと目を離したスキに、魔の二歳児のヨーヨーが、大きな段ボール箱に詰め込た物をていねいに全部出したかわりに自分が中に入っていました。自転車用ヘルメットをかぶって。
※ 写真は本日のまた別の一コマ、片付けした10分後にはこれ。
しかも雨なのに、退屈して「外に出たい!」と騒ぐから、しかたなくお散歩に出たところ、マンション前の路上に手頃な水たまりを見つけてひらめいてしまったようです。「バチャ、バチャ」と片言の効果音を発しながら、スニーカーの両足を踏みならして満面の笑み!
ああ、その靴、先週手洗いして干したのに夕立にやられたから洗い直して必死の思いで乾かしたばかりだよ。でも楽しそうだから、まあ靴くらいいいか、と、生暖かく見守っていたら、唐突に座り込み。水たまりを全身で楽しむなんて、思いつかなかったから油断してた。大人が「キモチワルイ」という言葉を与えなければ、服がペタッと張り付く感じもただ面白いようで、いよいよキャッキャなってました。が、都会の粉塵にまみれた大人は、水たまりが集積しているであろう黴菌が気になってきてしまい、ほどほどのところで切り上げて家に帰りシャワー&おきがえをさせました。
もちろん、靴も洗いました。古歯ブラシに洗剤をつけ、小さなスニーカーをちまちま手洗いするのです。小学校の時、自分の上履きなんかをイヤイヤ洗って身につけた技術だけれど、ほぼハイヒールしか履かない20年以上の間休眠していたものが、いまになって蘇っています。
魔の2歳児。英語圏では「テリブル・トゥー」です。それが3歳はもっと恐ろしい「ホリブル・スリー」になって、4歳でひたすら可愛い「エンジェル・フォー」になるらしいです。彼等の何がテリブル・ホリブルかっていうと、親の時間を奪うことにおいての、その容赦の無さですね。可愛いんだもん。このわたしがチビ靴を手洗いしてしまうくらい。
家事育児を基本アウトソースしているバリキャリの女性は、子供が成長して、我が国の古き良きお母さんのイメージを知ると「お母さんて、お母さんの仕事あまりしてないね」とか言われるらしく(!)、わたしもこのままいけばそのコースだと思います、が、「チビ靴洗ったぞ!」ってことは威張って言える。とはいえ、自分で洗える年齢になったら、もちろん自分でさせるぞ。
と、思いながら、なぜか中敷までどろんこなそれを、できるだけ白くすることに執念を燃やすわけなのです。ちなみに、専用洗剤のズックリンより、アタックの粉末洗剤のほうが速やかに汚れが落ちる気がします。