ガンナガン『OVER HEAT』プレイ所感

はじめに

2020年11月14日 ゲームマーケット2020秋に頒布された「ガンナガン」拡張セット、『OVER HEAT』。その内容及び、プレイした所感・基本セット環境への影響について記載する。
※そもそも「ガンナガン」ってなに?ゲムマ2020秋で初めて買ってみた!って人は予備知識を入れずに存分に「ガンナガン」で遊んだいただきたい。
「ガンナガン」が持つ楽しさ・苦しさ・奥深さに充分に触れてなお、まだまだ遊び足らない!と思う方はいったん前提共有として下の前記事について読んでいただけると非常に喜ばしい。

また、本記事は、『OVER HEAT』環境でのプレイ時間は15時間程での備忘を兼ねるものとする。
※前記事でも述べているが、「ガンナガン」とは途方もない時間とひらめきによって環境が揺れ動くゲームである。1週間後、半年後、1年後に本記事を読み返したときに「あぁ~初期はこんな感じだったね」となるような記事になると幸いである。

目次

第1章 銃士について
第2章 機銃について
第3章 メタ構成と環境について

第1章 銃士について

第1節 マカ
速度:2/手札:4
ライフ40かつ、デッキ・機銃を犠牲にしてボルテージを長期間活用する技能を持った銃士。
【技能】
「すべてをキミに」:キヨヒメへ装填+通常の装填1枚を毎ターン連打することで継続したダメージを与えることが出来、非常に強力。
「サヨナラは言わないで」:カサネ・エンラ・ドドメなどを使用したアグロデッキの詰め手段として有効。手札で負けるナトリや速度で負けるヒバナ・アマタ・キルコへの対抗手段になる可能性大。
「キミのためなら死ねる」:期待値3~5回のダメージ軽減を行うことが出来る。コンスタントにダメージ軽減を行うことはもちろん、閃光花火やマキシマムリロード(ヌエ)への有効札になる。
【総評】
・すべてをキミに を使用したキヨヒメ射撃ループによるミッドレンジ的戦略が強力。また、ライフ40は純粋にキルターンが1~2ターン遠ざかることに相当するので延命→ライフ回復で耐久・・・といった流れも見える。

第2節 アマタ
速度:3/手札:3※
自傷ダメージによって手札を4~5枚にすることが出来る。また、技能全てが対応でありテクニカルなプレイングが要求される。
【技能】
「鬼火」:グッドメディスン+朧走りのような効果を持つ。ボルテージが溜まりやすいため1ゲームで3~4回は使用することが出来る。元になった(?)2種との差は能動的に使用してリサイクルやデッキ生成に回しにくい点である。
「焔送り」:HITを無効にし、相手に同じダメージを与える(BURST時は倍返し)。カウンター効果は非常に強力だが、各種メディスンや朧走り・影潜みなどの優秀な技能に対して効果が薄いのが難点。しかし、アマタを選択した時点でマキシマムリロードや閃光花火の選択を躊躇わせることが出来る点では優秀な技能。
「陽炎」:相手の技能を無効にすることが出来る。ボルテージ10は一見難しそうだが、ドドメを使用することで難なく到達する。アマタがボルテージを10構えている時点で技能を簡単に使用できない、という前提を相手に押し付けることが出来る強力な技能。
【総評】
・ドドメのヒートアップと相性が良く、スピーディにボルテージを貯め、すべての技能の存在を仄めかせるだけで強力。反面、勝ちに直結する技能がないため、あらゆることに対応は出来たが負けた、という状況に陥りやすい。入念なゲームプランの構築が必要になる。

以上が追加銃士2名に対する所感である。彼女たちが戦場でどのような活躍を期待されるかは第3章で説明する。

第2章 機銃について

第1節 ドドメ
4装填7点射撃が強力。銃弾を表向きに装填できないため、エンラ・カサネ・ダタラ・ツエツキなどの強力な特殊弾を含むデッキとの相性に注意。
【デッキカード】
・リユース(4枚):有効札をデッキに戻すことが出来る。グッドメディスンのようなループ構築よりもピンポイントに強力なカード(バラージ・バックファイア・過焔地獄・轟雷砲など)をデッキに戻して利用する場面が多くみられた。
・バラージ(3枚):フリーズ・ポイズン・スモークすべてを無効にできる対ダタラ用最終兵器。対応は無効にできないのでダタラの迎撃やキヨヒメの各種対応カードには注意。
・オーバーヒート(3枚):セット名を冠する強力なドローカード。コスト5という壁が立ちふさがるためナトリでの運用がメインになる。ナトリ/カサネ・ドドメ/ジャストによる起死回生ループが強力。
・ブリッツ(1枚):追加ターンというカードゲームプレイヤーならだれでも背筋が凍る効果を持つ。が、実際は微妙な初手や理想のカードを引きなおすために使用されるなど地味な働きが多かった。
・バックファイア(3枚):行動以外のカードだが、効果は非常に強力。コスト2という重たい誓約はあるが、ライフを削りきった後のダメ押しにセットして相手の動きを大幅に制限することが出来る。
・ヒートアップ(6枚):ドドメの根幹を形成するカード。アグロデッキはこぞってドドメを片手にヒートアップを連打して1・2ターン目には技能にアクセスするテンプレートが誕生した。
【総評】
高速アグロデッキの希望の新星にして『OVER HEAT』の中で最初に輝いた一番星。初手ドドメからのヒートアップ連打によってゲームプランに必要なボルテージを捻出したらもう片方のデッキを引きに行って勝ちを目指す、という立ち回りの醸成が今後見込まれる。

第2節 キヨヒメ
BURNという相手に継続ダメージを与える効果を射撃する。また、デッキの半数以上が対応カードという長期戦向けな構成をしている。
【デッキカード】
・奪火(4枚):ダメージを軽減しつつ装填を追加する器用な対応カード。焼却壁・炎転化では手札が厳しい、というときに活躍する。
・焼却壁(2枚):コスト1でダメージを5点軽減する優秀な対応カード。ヌエやキヨヒメなどの大ダメージや特殊な効果以外の大抵の射撃を軽減できる。
・連鎖充填弾(4枚):装填を継続することが出来る。自身の機銃であるキヨヒメとのシナジーが強力であるほか、ダタラの回収機構を発動しやすくしたり、ハクメンやツエツキなどの複数ターン装填が必要な機銃を使いやすくする便利なカード。
・過熱(4枚):ナトリ以外の銃士が手札を増強する意味合いでも使用できるが、自らの対応コストで減った手札を補充したり、ダタラのチャフ・スナイプ・ヘッドショット後の射撃に対応することで無駄打ちにすることが出来るため意外と活躍の場が広い。
・吸熱機構(3枚):OVER HEAT環境における最強カード。1点回復が最強?と思われた方にこそぜひ使用していただきたい。まずバーンカウンターのダメージで1点回復、ナトリのカウンターで1点回復。通常の射撃で1点回復。さらに吸熱機構をもう一枚設置すると・・・?
・炎転化(2枚):ダメージを半減し装填を2枚追加する対応。ダメージ半減も強力だが、2枚装填効果が強力。炎転化でキヨヒメに2枚装填→自分のターンに1枚装填してBURN1・・・という動きが理想。
・過焔地獄(1枚):ヘッドショットや轟雷砲などの装填を全消費するサイクル。相手にバーンカウンターを4点与える効果は実質以降2ターンの間に勝利するという内容であり、狙う価値は充分にある。
【総評】
OVER HEAT環境を一択に塗りつぶした最強の銃。詳細は第3章で解説する。

第3節 ツエツキ
射撃によって装填・セット・ボルテージを破壊できる代わりにダメージを与えることが出来ない機銃。内容カードも相手に対する妨害が多い。
【デッキカード】
・レベリング(3枚):ナトリ・アマタに対する協力な妨害カード。しかし、レベリングを使用している時点でこちらもアドバンテージを失っているという点には注意。
・アクティベイト(3枚):各デッキからのドローは有効に働くタイミングが限られるが、単純に手札を+1出来るためアドバンテージ面では強力。
・ジャミング(3枚):射撃・技能のHITを与える以外の効果を無効にする。キヨヒメ相手に構えることで対応1枚で相手の機銃を封印することが出来る。また、技能のHITを与える効果以外をすべて無効にするので、グッドメディスンや鬼火などの使用後裏返るといった効果を無効に出来る(2020年11月16日現在確認中)
・スクランブル(3枚):相手に引き直しを強制することが出来る。機銃の相性を理解する必要があるため、無計画で使用することは出来ない点に注意。使いこなせれば相当強力な1枚。自分に対して使用することで引き直しを図ることもできる。
・エコーバレット(3枚):能動的に相手の技能を封印することが出来る唯一のカード。バッドメディスンや影潜み・マキシマムリロードなどの使用するタイミングが明確な技能を持っている相手に対してとても強力。
・リチャージャー(2枚):毎ターン手札を補充することが出来る。ナトリ以外の銃士は活用できるうえにもう片方のデッキを対応が豊富な機銃にすれば相手ターン終了時に補充、というタイミングを無駄なく活用できる。しかし、ドロー効果は任意でなく確定のためデッキ切れに注意。
・ノイズジェネレーター(3枚):行動カードを制限する。カサネ・ダタラ・ウワン・ヌエなどの行動を多用するデッキに有効な反面、ハクメン・キヨヒメなどの行動を複数回使用しない前提のデッキには効果がない。
【総評】
強力な妨害札が多く、相手の動きをコントロールすることが出来るのは間違いないが、本体からのダメージがないためダメージレースで不利になることが多い。

第3章 環境について

OVER HEAT追加後の環境は下記の通りである。
【tier1】
・キルコ/ドドメ・キヨヒメ/マキシマムリロード
・ナトリ/ダタラ・キヨヒメ/グッドメディスン
・ヒバナ/エンラ・ダタラ/朧走り
【tier2】
・キルコ/ドドメ・ヌエ/マキシマムリロード
・ナトリ/エンラ・ダタラ/グッドメディスン
・ナトリ/ドドメ・カサネ/ジャストアイディア
【tier未分類】
・ナトリ/ダタラ・カサネ/ジャストアイディア
・マカ/ドドメ・キヨヒメ/すべてをキミに
・ラン/キヨヒメ・ツエツキ/がんばる!!

それぞれのデッキについて大まかに動き方を解説する。

・キルコ/ドドメ・キヨヒメ/マキシマムリロード
●ゲームプラン
1・2ターン目にマキシマムリロードからのBURN2を与えて勝利を目指す。(理想:7+6+7+6+7(+6)で勝利)
※ゲームプランを実行する方法
対ナトリ:初手+マリガンでヒートアップを2枚手札に加えてゲームスタート。1ターン目にヒートアップ2回+4装填ドドメ射撃によってボルテージを捻出。マキシマムリロードからBURN2を与える。
対ナトリ以外:ヒートアップの枚数に関わらず、2ターンの間にドドメから6枚以上を射撃して2ターン目にマキシマムリロードを使用。
●強み
ヌエ/カサネを使用するパターンと比較して、自分のライフに余裕が生まれる。また、ヌエの射撃は迎撃などで無効化されるが、キヨヒメのBURNは対応が出来ず、長期戦に有利。
●弱み
1撃必殺が出来ないため、相手もキヨヒメを使用して吸熱機構を使用することによりライフが削り切れなくなる可能性がある。
※対抗策:バックファイアによるカウンターを当てる/マキシマムリロード後に過焔地獄を使用してダメージを増やす

・ナトリ/ダタラ・キヨヒメ/グッドメディスン
●ゲームプラン
キルコ+キヨヒメ構成に勝つために編み出された新たなナトリコントロール。
基本的にはダタラからのダメージ+BURNによるダメージ勝利を目指す。
※ゲームプランを実行する方法
ダタラから初手を作り、フリーズ・ポイズン・スモークによる妨害で延命を図る。2ターン目にグッドメディスンを使用してライフを稼ぎ、引き続き延命をしつつ、ダタラのデッキ内に有効札がなくなるタイミングでキヨヒメから吸熱機構を回収。4~5ターン目にはBURNを与え、ダタラ射撃・BURN・カウンターの吸熱機構による回復によって粘り勝ちを目指す。
●強み
ナトリ編成においてキルコ・キヨヒメ構成に唯一勝利が考えられる構成。
ナトリのカウンター、ダタラの対応不可効果が吸熱機構の回復と相性が良く、吸熱機構を2~3枚設置することで安定した戦いをすることが出来る。
●弱み
プレイング難易度が非常に高く、ワンミスで負ける可能性が常にある。
また、キルコ・キヨヒメ側の攻め筋として、バックファイア・過焔地獄・ドドメからの射撃orBURNの追加という4択があり、すべてを処理する選択肢を理解している必要がある。

※ヒバナ/エンラ・ダタラ/朧走りについては前記事にて述べているので割愛。(ドドメ・キヨヒメ相手にはダタラから引き始めてフリーズバレットを回収する必要あり)

以上がtier1デッキの基本的な立ち回りである。
tier2、未分類については残念ながら研究不足のためここでは多くを語ることが出来ないが、いずれも立ち回りが未完成ながらtier1デッキにあと1歩というところまで追いついたデッキばかりのためさらなる研究の余地がある。
現状、BURNによる継続ダメージ+吸熱機構複数設置による回復が主体のミッドレンジ環境になったと言えるだろう。
また、ツエツキについてだが、キルコによる1~2ターン目にBURNを与える動きが主流のため、ジャミングを引いてキヨヒメを封印する動きが不安定である。
ナトリ以外は初手ツエツキからドロー→ジャミング設置という抵抗が可能なため、ツエツキについてもまだまだ研究の余地がある。
※ヒバナ以外には2ターン目マキシマムリロードが基本の動きになるため。また、ヒバナはキルコより早いため初手に引いたジャミングを設置するタイミングがある。

あとがき

頒布後36時間時点ではキルコ/キヨヒメ・ドドメ/マキシマムリロードが環境を席巻し、ナトリコントロールが形を変えてそれに喰らいつくような様式が誕生しました。
しかし、冒頭でも述べたようにガンナガンとは一瞬の閃きによって新たな構成が誕生し、環境に大きな変化を齎すようなカードゲームです。
記事を作成している我々による研究もさることながら、本記事を読んでくれたガンナーの皆様によって、研究されていくOVER HEAT環境を楽しみに思っています。

また、先日も交流会という形で、オンライン対戦会を開催させていただきました。
参加いただいた方々、ありがとうございました。拙い対戦ばかりでしたが、OVER HEATのプレイ感が伝わっていれば何よりです。
今後も交流会や、noteによる構成紹介・環境考察など公開していきます。
ガンナガンコミュニティの一員として、また、その発展を願って活動していきますので、よろしくお願いします。

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