浮世
床に臥すあなたの汗を拭い取るもう一度だけ声が聴きたい
鼓膜まで届いてほしくて耳元で名前を呼んだ少し大きく
昼時に風が流れる街にきた強い日差しと緑たくさん
ふわついた春の陽気にのせられて気づかぬうちに空回りする
花だより同時に壊れた冷蔵庫緩い温度で待ってろよ夏
少しだけ梅雨が伸びてもかまわない桜の季節降らないで雨
背番号18が立つマウンドは実家のような安心感で
民願う帰ってこい三冠王今からできぬか神迎祭
お互いに見せた隙間を繋ぎ目に赤外線を通信させて
窓枠が歪んでいるとあなた呼ぶはずれた網戸すぐ直るのに
見つめればいいことなんてどこにでもそのはずだって分かってはいる
この胸にぐるぐる巡る葛藤を葛湯に変えて飲んでしまおう
うららかな春の陽気に誘われて下書き全部散歩に行った
久々に届いたメール恩師から「元気そうだな、クロ現観たよ」
挨拶でみなさんご存じとばかりに「三河です」東も西もつまりは愛知
予選終え強豪たちが待ち受ける負けたら終わりアメリカの地へ