ジビエを食べた
ジビエとは野生の鳥獣を狩って得られる肉のこと、らしい。要はシカだとかイノシシだとか、普段の食卓に並ぶことは珍しいような動物の肉を指す。本記事はそのジビエを食べてきたよ、という特にオチもない話である。ジビエを食べるに至ったきっかけは、単純な興味があったのと話のネタになりそうだと思ったからなので、整理がてら書いておく。
ちなみに、僕は舌が安いので繊細な食レポはできないし、なんなら的外れな言葉選びをしてしまうかもしれないが、自分が感じたままを書く。
7/27、新宿。休日の人で溢れた新宿通りを渡り、歌舞伎町のお店に着く。18時頃に入店。
店には毛皮だの革だの鹿の頭の剥製(ハンティングトロフィーというらしい)だのが飾られていた。
メニューを開くとシカ、イノシシ、ウサギ、クマ、ウズラと、食用としては馴染みのない動物の名前が並ぶ。
1品1品は安くないので、絞り込んで注文することにした。頼んだのは以下だ。
・クマ
・シカ
・ウサギ
イノシシとウズラは結局豚と鶏と変わらんだろうと思ってやめた。
個別に感想をまとめていく。なお、調理法は全て炉端焼きで、塩と味噌が皿の端に盛られて出てきた。
・クマ
メニューに「ツキノワグマ 4才 オス」と書いてあった。生前を思い出さすな。
見た目は脂身がついた牛肉ステーキのようだったが、色が少し濃い。まあ一般的な食べ物でなくとも虫のようなゲテモノではないから、抵抗のある見た目はしていない。ただの肉だ。
味としては、今回頼んだ3品のなかで1番野性味があった。噛む毎に強めの肉の味がする脂が沁みてくる。肉質がやや固めな点もなんだかワイルドだ。先入観もあるのかもしれないが、クマのイメージ通りの肉だった。
・シカ
脂で照っていたクマと比べると淡白な見た目をしている(部位の違いかもしれない)。赤身の牛ステーキに近いだろうか。
味は少し血の味のようなクセがあるが、嫌な臭みというわけではない。食べたのは内蔵ではなく肉なのだが、レバーのような食感やクセだ。モツが好きなら美味しく食べられると思うし、モツが苦手ならシカも苦手だと思う。
脂は少ないものの、味自体はさすがジビエというべきか、あっさりはしていない。
・ウサギ
鶏肉が出てきた。見た目は完全に鶏肉だった。なぜ哺乳類がそこまで鳥類の肉質を再現できたんだというくらい鶏肉だった。
口に運んでみてもやっぱり鶏肉だった。そんなわけないと思って脳が鶏肉を認識することを拒否するが、どう考えても鶏肉なのだ。ワニやカンガルーなど、色々な珍肉が「鶏肉みたいな味」と評されるらしいが、これは完全に鶏肉だった。(ちなみに「鶏肉みたいな味」というWikipediaの項目がある)
ウサギの単位が「羽」である説のひとつとして、四本足の獣を食べられない僧侶が二本足でぴょんぴょんと跳ぶウサギを鳥類と強引に解釈したから、というものがある。何を馬鹿なことを、と思っていたが、食べてみるとこれは僧侶さんサイドの味方にならざるを得ない。
しかしウサギといわれているからか、飲み込む頃にふっと獣を感じさせる味わいだ。それが味なのか香りなのか思い込みなのか、よくわからなかった。
ウサギ肉の味わいを視覚化するとこうなる。
以上がジビエを食べた感想だ。特別笑いを生む内容ではないが、まあやはり話のネタにはなるなと思った。
肉より虫でも食った方が余程話のネタにはなるだろうが、少なくとも今は昆虫食は控えたい。
というのも、僕は歯列矯正をしているからだ。なんとなく想像はつくだろうが、あの矯正器具には食べ物がかなり挟まる。矯正未経験者の方が想像している以上に挟まる。食べかすが挟まるとかでなく、料理が挟まる。そして矯正用のブラシを使わないとなかなか取れない。
普通の野菜や肉が引っかかるだけでも不快なのに、昆虫の肉やら足が挟まってしまったら多分誇張抜きで吐いてしまう。
でも好奇心旺盛ぶっておいて、調理された昆虫が目の前に置かれたら矯正していなくてもきっとギブしてしまうので、珍味を食べるにしてもせめて脊椎動物からだなと思った。
今回ジビエを食べて一番印象に残ったのは「ウサギ嫌いだから食えて清々した」という友人の感想です。
では。
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