ちょっと港町への移住を考えに伊勢志摩へ
最近「30代のうちに田舎に移住したい」というnoteを書きました。
その後は山奥、湖畔、フルーツ王国、温泉地と様々な地域に出かけてみては、自分の感性に合う土地を探し続けています。
前回は和歌山にある超山奥の温泉地に出かけてみて、「温泉は良いけど山奥は日照時間が短くて寒い」という結論に至りました。
その体験を踏まえて、今回は「日照時間が長い温暖な海沿いの港町に出かけよう」ということで、三重県は伊勢志摩にある南伊勢町と志摩市に行ってきました。
1日目 南伊勢町
ないぜしぜん村でみかん狩り
私が住む滋賀から最初の目的地である南伊勢町へは車で2時間ちょっとかかりました。
実際に車で移動しながら、「2時間になると二拠点居住はキツイかな」と思いました。
ただ、今回は特にYouTubeラジオとかも用意していなかったので、慣れで何とかなるかもしれません。
さて、最初にたどり着いたのは、南伊勢町です。
三重県は全国で6位の漁獲量があるのですが、南伊勢町は県内の46%の漁獲量を誇る漁業の町ということもあり、最寄りの玉城ICを降りてから釣りエサの店が立ち並んでいました。
そんな南伊勢町では日照時間や温暖な気候を利用したみかん栽培も有名で、まずはみかん狩りを楽しむことに。
今回訪れたのは、ないぜしぜん村という観光農園。
車を降り立った瞬間に潮の香りに包まれます。
入場料はお土産つきで大人1700円と結構高かったのですが、南伊勢町に観光農園はここくらいしかなくて、みかん栽培が盛んと言えども観光にはまだ力を入れていない地域のようです。
淡路島や伊豆でみかん狩りしたときはお土産なしで800円くらいだったので、ちょっと高いなと思います。
今回はみかん狩りの時期が始まってすぐの10月中旬に訪れたこともあって、すっぱいみかんが多かったです。
農園の人によると、11月中旬くらいになると甘いみかんが増えるらしいです。
農園は木々の間隔が狭く密集していて、地面には落ちたみかんがそのまま放置されて虫がたかっており、ちょっと微妙でした。
みかん狩りは貸し切りだったので、みかん畑の中で家族4人のんびりと過ごすことができました。
食べ放題ということで大食い対決をしてみたのですが、私は13個、息子は14個ということで僅差で息子の勝ちとなりました。
宿田曽漁港で海釣り
みかん食べ放題のあとはどこ行こう?ということで、息子のリクエストで海釣りへ向かいます。
釣り情報サイトで検索したところそこら中に釣りスポットがあり、さすがは漁業の町という感じです。
時間は1時過ぎでしたが、この時間帯でも釣りしている人は結構いました。
釣り初心者の私たちは今回もサビキ釣りをしてみたのですが、30分やってみて今回は1匹も釣れませんでした。
周りの人も釣れてなさそうだったので、今日はそういう日なのかもしれません。
息子は「釣れないねー」「今日は釣れないねー」と言っていたのですが、個人的には糸を落としながら何もしないでボーッとする釣りもいいなと思いました。
堤防近くにはハイビスカスが咲いていて、「沖縄っぽいな、暖かい地域だからかな」と思いました。
ちなみに訪れた漁港の近くはボロボロの家やつぶれた店がたくさんあって、人もずいぶん減っているようでした。
1日目 志摩市
民宿ニューさざなみで船盛
釣りのあとは南伊勢町から志摩市に向かいます。
予約していた民宿が半島の先端にあったため、南伊勢町の漁港からは1時間近くかかりました。
へんぴな場所にあるなと思っておりましたが、意外と道中には町が点々としていて、イオン系列のマックスバリュを見かけた時には「結構人が住んでいるんだねー」という話を夫婦でしていました。
民宿に着くとやさしいおばあちゃんが迎え入れてくれて、2歳の娘を見たおばあちゃんは「かわいいねぇ、ありがとうねぇ、涙が出ちゃうねぇ」と言っていました。
なんだかこちらも優しい気持ちになれました。
土日ではありましたが、泊っている家族は私たちだけ。
深めのゆったりした浴槽に使ってからは、何もせずにのんびり夕飯を待ちます。
ご覧の通り、夕飯はとても豪華です。
船盛付きのプランにしていたのですが、まさか伊勢海老が出てくるとは思っていなかったので家族一同ハイテンションです。
これだけの料理が付いて家族4人で3万円と超お手頃でした。
「パパいいとこ見つけたね!」と息子も大絶賛で、「刺身でお腹いっぱいになれるなんて幸せだね!」と奥さんも大喜び。
家族みんなに褒められて私もご満悦でした。
民宿の方に聞いたところ、民宿がある御座地域は昔から漁業が盛んらしく、お魚がとっても美味しい夕食でした。
2日目 志摩市
志摩町御座で港町散歩
翌朝は早起きができたので、最近恒例の朝散歩に出かけます。
ちょうどこの日から秋入りしたこともあって、長袖でも少し肌寒いです。
まずは民宿から見えていた海を目指すことにしました。
1日目はまったく気づきませんでしたが、泊っていた地域は海に近く海水浴客を相手にした民宿やコテージがたくさんありました。
ただシーズンオフの10月の観光客はほぼゼロという感じで、人も車もまったくいない状況でした。
民宿も確かにたくさんあるものの、廃業している民宿も結構ありました。
あとで宿の方に聞いたところ、昭和の頃は団体客も多くてすごい賑わいだったけど、今では夏以外はほとんどお客さんがいないそうです。
よく聞く話ではありますが、良く考えると昭和ってもう36年前なんですよね。
御座白浜から少し歩いていくと道路が狭い集落にたどり着きます。細い道とは対照的に、おそらく空き家と見られる家々が密集しています。
細い道を歩きながら、「こんな半島の先端に、こんなに人が住んでいたんだな…昭和の時代はすごかったんだな…」と思いました。
かつては漁業と並んで真珠養殖も盛んだったらしく、今では想像もつかないような賑わいだったそうです。
朝の時間帯ということもあり、漁港の方が働かれていました。
10名程度の男女が、釣りあげた魚を手作業で仕訳されていました。
大体40~70歳くらいの方々が多かったように思います。
小学校は閉校していて、この地域に住む子供たちは隣町へスクールバスで通っているそうです。
ちなみに御座小学校が閉校してから移動した先の小学校もまた最近閉校したそうで、どんどん半島の付け根の方に移動していっているとお聞きしました。
1時間くらい散歩して、民宿に戻りました。
前回訪れた山奥の地域と比べて、海沿いの地域は日照時間が長いのが良いですね。
朝食後、1人で散歩した場所をまた家族と巡りました。
歩いてみると本当に良い町で、夏以外で訪れても良いのにもったいないなと思いました。
個人的にはシーズンオフの民宿は非常にお得という新たなライフハックを手に入れて満足なのですが、衰退していく町を見るのはもったいない気持ちになります。
小さい民宿って料理とか宿泊体験とかそういったところをめっちゃ頑張っているけれど、PRを頑張る時間がなくて、それで潰れて行っちゃったのかもしれません。
まずは人を引っ張ってくる必要はありますが、散歩した後に一息つけるようなカフェがあったりして、そこで町の魅力やステキな民宿をより深く知れるような場所があったらいいなと思いました。
ともやま公園で国立公園を一望
宿をあとにして志摩市を巡ります。
志摩市の海岸を一望できて、一面に広がる真珠養殖を見ることができます。
ちなみにここにあった看板の説明を見るまで、海に浮かんでいるたくさんの黒い物体が真珠養殖だとは気づきませんでした。
英虞湾・島めぐりで楽しく志摩を知る
最後は賢島(かしこじま)に移動してリアス島々を巡ります。
賢島といえば約10年前に伊勢志摩サミットで話題になった島でもあります。
と言いつつも私も訪れるまではほとんど意識してなかったです。
来年の大阪万博とかビックなイベントは思い出作りとして参加したほうが良いかもですね。
食後は賢島から伊勢志摩の島々を巡るクルーズに出かけます。
賢島クルーズは大型の船もあるのですが、こちらの小さい船のほうが色んなところを巡れて、何よりおじいちゃんがおもしろいという口コミを見て、小さい方を選びました。
口コミ通り、色んなネタを披露しながら笑いを取っていって、「人が創る体験価値って唯一無二でいいな」と思います。
間崎島はかつて真珠養殖で賑わってた頃は600名ぐらい住んでたけれども、今は50名も住んでいないそうです。
真珠で一財を築いた人も多いそうで、確かに賢島付近ではでかい家がチラホラありました。
ミキモトは真珠養殖で有名らしく、島の中央には豪邸と迎賓館が建てられていました。
奥さんと「真珠って最近の人はあまりつけないよね」という話をしながら、最近の人がつけないのか、最近の人も歳を重ねればつけるのか、どちらなんだろうなと考えていました。
クルーズを終えてから近くにあった大型旅館に行ってみました。
泊まらなくても、こういう豪華なロビーでコーヒーを飲むのって良いですね。優雅な気持ちになれます。
食後は奥さんが大好きなご当地スーパーに寄って帰りました。
まとめ
今回は温暖な港町に住んでみたら、という気持ちで伊勢志摩の町を巡ってきました。
いつも通りその土地で感じたことを箇条書きまとめていきます。
海の景色は心が癒される。沖縄のような青く透き通る海は意外と日本各地にあるのかもしれない。
刺身や干物といった海産物がたくさんあるのは嬉しい。スーパーにも志摩直送の刺身がたくさんあって幸せな気持ちになれそうだった。
半島の先端というへんぴな土地だったけれど、超山奥と比べると店も人も多くて住みやすそうだった。
一方で衰退はしているのは確実で、「山奥は昔から人がいない」けど「港町はかつてすごかったけど今はずいぶん減った」という違いがありそうだった。
「昔は人が住んでいた」ということもあり、山奥と比べて空き家問題は深刻層だった。
海沿いの町が温暖なのかはよくわからなかった。少なくとも訪れた日は海風がすごくて寒かった。
色々と書きましたが、今まで訪れた町の中で一番気に入っています。
もしかしたらずっと埼玉と滋賀という海なし県に住んでいたこともあって、海の景色に対するあこがれが強いのかもしれません。
あとは「自然豊か」なだけではなく、「かつては繁盛していたけど衰退した町」がノスタルジックで好きなのかもしれません。
散歩してみると色んなことを考えますね。
次回は年明けに今までの集大成となるような海沿いの温泉地に行ってみたいと思います。
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