2022年11月に思ったこと③

●ポーランドでのミサイル着弾について
11月15日午後、ウクライナ国境に近いポーランド東部プシェヴォドフ村でミサイルが着弾し2人が死亡した。ロシアによるNATO加盟国への攻撃の場合、一気に戦争のエスカレーションが心配されたが、11月末時点ではウクライナによる防空ミサイルの可能性が高いとの結論となっている。
ウクライナ人スタッフからこの結論についてどう思うかと聞かれたので、素直に報道の通りウクライナのミサイルだろうと答えた。
このスタッフも「自分もウクライナのPPO(防空ミサイル)だと思う。ただ、もしこれがロシアが発射したミサイルで、そしてNATOが参戦するということになったら、この戦争は直ぐにでも終わるんじゃないかと期待したというのが正直な気持ちです」と。
賛否両論あるコメントではあるが(エスカレーションに繋がるという意味で否定的な意見の方が圧倒的に多いと思うが)、この気持ちは痛いほど分かった。

●ゼレンスキー大統領のヘルソン訪問
11月14日、ウクライナのゼレンスキー大統領はロシア軍の占領から解放されたウクライナ南部ヘルソン市を電撃訪問した。
屋外で行われたインタビューにて、記者から「なぜ危険を冒してまでヘルソンに来たのか?」と聞かれ「ヘルソンのスイカが食べたかった」とジョークを飛ばしたとのこと(ヘルソンはスイカの産地として有名)。
その後、自分はヘルソンを開放すると約束した、危険を冒してでもやって来てヘルソンの人々を支援することが重要と感じたからだと付け加えている。
ウクライナ国民の士気の高さには、こうしたゼレンスキー大統領の振る舞いも大きく影響していると言われている。
 
●ウクライナ/Kyiv Postの記事より。
同紙は、Facebookを通じて「(今回の戦争で)ウクライナ人を知る上で理解して欲しいこと」のメッセージを募集し、以下がその結果とのこと。
1. ウクライナは決して降伏しない。
2. 大丈夫か?と聞かれたら大丈夫と答えるが、大丈夫な人なんていない。
 (そもそも大丈夫か?という質問をやめて欲しい)。
3. ウクライナが戦っているのはプーチンだけではなくロシアの植民地主義である。
4. ロシア語を話す人=ロシア寄り、と思わないで欲しい。
5. ウクライナにナチスの問題はない。
6. ウクライナは民主主義国家であり、ゼレンスキー大統領は国民の代表に過ぎない。
 (従い、ウクライナがロシアと戦っているのは民意である)
7. 私たちはもう黙ったりしない。
 (ロシアとの強い決別の意思表示である)
8. ウクライナ人はロシア人全てが戦争責任を負っていると考えている。
 (声を上げないロシア人も戦争に加担しているのと同じ)
9. 常に恐怖の中にいるが、恐怖に屈することはない。

上記が全てのウクライナ人の全ての意思や考えを反映しているものだとは思わないが(そうじゃない人もいっぱい知っているが)、ウクライナ人と接する際の参考にしたい。

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