×「ごめんなさい」〇「ありがとう」
これを読んでいる皆さんも、心当たりがあるのではないでしょうか?
人に何かをしてもらった時、ついつい「ごめんなさい」と言ってしまうようなシチュエーション……私は、それは間違いだと思います。
本来、人に何かをしてもらったら「ありがとう」と返すべきなのです。
「ごめんなさい」が口癖になっている人も多いかと思われます。でも、それを今日から「ありがとう」に替えてみる努力をしてみませんか。
どうして「ごめんなさい」と言ってしまう?
ついつい口にしてしまう「ごめんなさい」――
これは正直、私たちが日本人として生まれ育った以上、ある意味仕方がないこととも言えると思います。日本に限らず、人は『あいさつ』を大切にして生きていますよね。でも、日本には日本の美しい風習として、低姿勢になってへりくだる、という暗黙の文化が存在しています。
だから私たちは、人に何かをしてもらった時、意識的か無意識的かは人それぞれですが、心の中で申し訳ないという気持ちになり、ついつい「ごめんなさい」がパッと口から飛び出てしまうのです。
謙遜し控えめに生きるということが美徳とされるこの国でまともな教育を受けたからこそ、私たちは『謝り癖』が身についてしまっているのだと思います。
どうでしょう。説得力はあったでしょうか。では次に、なぜ「ごめんなさい」ではない方がいいのかを述べていきたいと思います。
なぜ「ありがとう」の方がいい?
それは、人は「ありがとう」の方が、言われた時に気持ちがいいからです。
「ごめんなさい」も何かをしてもらった時に返す言葉として、礼儀だと考えたら別に悪いことじゃないんです。でも、人に何かをしてあげた時、その人から「ごめんなさい」と言われるよりも「ありがとう」と言ってもらった方が、なんだか気持ちいいですよね。やった方は、そんな謝らせるつもりで手伝ったんじゃないのに、なんて思ってしまいます。
「ごめんなさい」と言った方も申し訳ない気持ち=ネガティブ思考に陥ってしまいますし、「ごめんなさい」と言われた方も謝らせてしまったことに対してなんだか申し訳ない気持ち=ネガティブ思考になってしまいます。
そこは「ありがとう」でいいんです。謝罪と感謝はまったくの別物です。
何かをしてもらったなら、やってもらったことに対して謝罪ではなく感謝をするのが筋だと筆者は思います。
もし心の中で申し訳ないと思ってしまっていても、それはそれでいいんです。ただ、これは口に出して相手に伝える言葉を変えてみませんか? という提案にすぎません。
「ごめんなさい」の一言を「ありがとう」の一言に。
たったこれだけのことで、お互いの気持ちの明るさが変わってくると思いますよ。
なんで筆者はこんなにこだわってるの?
正直に言ってしまえば、筆者も少し前までは「ごめんなさい」量産型人間だったのです。
しかし、昨年結婚した夫が物凄くポジティブ思考で人間が出来ている人で、その人に多大な影響を受けてこんな考え方になりました。
私は体が不自由ですから、満足に家事や仕事が出来ないことが多々あります。そんな時はいつも夫が手伝ってくれるのですが、そういうシチュエーションでいつも私は「ごめんね」と夫に言っていたのです。
でも、夫はそのたびに、しつこいくらい私に言い聞かせました。
「あのね、ごめんじゃなくてありがとうって言って欲しいな。だって、侑子は何も悪いことをしたわけじゃないんだから。俺が手伝ったのだって、俺が好きでやっていることだから、別に何も言う必要はないんだけど……でも、そこはあえてなにか『あいさつ』をするなら、ごめんじゃなくてありがとうじゃないかな?」
何も悪いことはしていない。その言葉に少しだけ心が救われました。
確かに言われてみればそうです。人に何かをしてもらうって、別にこちらに非があるとは限らないんです。もちろん、仕事でミスをしてその尻拭いを同僚にしてもらった、なんてシチュエーションだったら感謝と同時に謝罪の必要もあるかもしれません。でも、基本的には謝罪の必要なんてないんです。
何かをしてもらったら「ありがとう」。
私にとって大切なこと――
それは、積極的な「ありがとう」の言葉です。