英語が母国語でない子供達へのサポート(ESL)について。イギリスの学校は外国人にも優しい。
お父さんです。
このブログは地元の公立中高で学び、地方大学を卒業した庶民派お父さんがひょんなことから子供二人の都内私立小学校受験を経て、またまたひょんなことで子供たちがイギリスのボーディングスクールに合格するまでの道のりを綴っています。
今回の記事について
今回の記事は、英語が母国語ではない子供達への英語サポート(通称:ESL)について書きます。イギリスは世界中から多くの人がやってくる他民族国家です。その中には英語が母国語でない人も多くいますが、その人たちへのサポートとしてESLに代表されるプログラムがあります。今回はESLについて書きます。皆さんの参考になれば嬉しいです。
我が家の子供たちがイギリス現地の小学校に入学した時は、英語力はゼロの状態でした。入学時には一応英語と算数のテストがあり、そこで現時点での学力を見極めて適切な学年に入れるという事になりました。結果的に娘はYear5の年齢でしたがYear4に編入する事となり、息子はYear3の年齢でしたがそのままYear3に編入する事になりました。イギリスと日本の学年の変換については以下をご覧ください。
ただ、どの学年に編入しても英語が話せないと普段のコミュニケーションが取れません。当たり前ですが現地の子供達との英語力は大きく違いますのでここをサポートするためにESL(English as a Second Language)という、いわゆる英語が母国語出ない人のためのサポートプログラムが用意されています。これは学校が公立・私立かに関わらず用意されているようで、さすがイギリスは世界中から人が集まってくる多民族国家だなぁと思います(ちなみにESLが無い学校もあるようなの要確認です)。
我が家の子供たちが入学した時にも、他にも南アフリカから1家族、韓国から1家族、オーストラリアから1家族くらいいたと思います。
このESLという授業ですが、基本的には英語の基礎の授業です。普段他の子達が英語(国語)を学んでいる時間に、他の教室に行って専門の先生と1対1もしくは2対1(生徒2人に先生が1人)といった少人数で英語の基礎を学ぶという感じです。基本的には毎日です。下記Year3の時の時間割ですが、午前中のEnglishの時間には我が家の子供たちはESLで学んでいました(9:10からの英語の時間です)。
先生も慣れたもので、英語が話せない、もしくは母国語ではない子供たちに対して大体以下のような順番で丁寧に授業を進めてくれます。
①アルファベットの使い方(AからZまで)
①時間の概念
②フォニックスの基礎
③単語テスト
④リーディング
⑤例えや比喩など(メタファーやSimilie)の使い方
⑥ライティング
以下が時間の概念の内容です
そして、以下がフォニックスの基礎です。
こちらに詳しく書いてますので、ぜひ読んで頂ければと思います。
また以下が息子が入学して1-2か月後の文章の練習問題です。痺れます。。
やむを得ないのですが、まさにアルファベットの羅列ですね。。。
最初はこのような超基礎的な事から始まり、徐々にメタファーなどの比喩表現やライティングに続くという感じです。メタファー教材例は以下です。
我が家の子供たちは最初の半年は苦労していましたが、娘は半年くらいからコミュニケーションが成立し始め、1年目を終わるころには書く方も何となくでき始めたイメージです。一方で息子については、1年くらい経って何となくコミュニケーションが成立し始めて、書く方は娘よりも3か月ほど遅くでき始めたという感じでしょうか。息子はシャイな性格が影響して2年間はほぼクラス内では話さなかったようなので、それが影響しているとも思います。
とはいえ、1年後には上にあるようなメタファーの授業を受け、苦労しながらも何とかこなせるようになりました。最初の入学直後の時期に比べると、雲泥の差だと思います。環境がそうさせるのだと思いますが、子供は本当に吸収力がスゴイです。また、子供たちが途中で嫌にならないように丁寧且つ粘り強く子供たちに英語をESLのクラスで教えてくれる先生にも本当に感謝しかないです。
ESLの先生で良く覚えているのは、ベテランの女性の先生が担当してくれていたと思いますが、娘と息子それぞれに対してしっかりと細かいところまで見てくれていて、
「今日は○○をやりました」
「○○はうまくできた。△△はもう少し次回もやる予定」
などと、逐一レポートとしてメールで送ってくれた事です。たまたま我が家の子供たちが通っていた学校がそうだっただけかもしれませんが、このように英語が母国語でない子供達にもしっかりとサポートをしてくれるのは素晴らしいです。
上記の通り良い事ばかりを書いていますが、一方で気を付けておきたい事も書いておきたいと思います。いくつかありますが、
■1:1(マンツーマン) やそれに近いケースでない場合もある。
大人数でESLを実施する場合は効率が悪くなるため学習効果は薄れる。我が家の場合はESLに参加する子がたまたま少なく、少人数(マンツーマンに近い)でESLのクラスをやってましたが、大人数になる事も有り得るため、注意が必要だと思います。
■学校に任せきりは危険。家庭での努力はやはり必要。特に単語
学校に全てを任せきりにするのはやはり危険だと思います。英語をマスターしてネイティブの子にキャッチアップする為には、いくら吸収力の高い子供でも最低でも2₋3年はかかると思います(普段のコミュニケーション程度であれば半年程度で大丈夫)。その意味で家庭でサポートするべき内容は、
-単語を覚える事(こればっかりは覚える必要アリ)
-英語の本のリーディング(色々な表現を読むことで思考力や想像力を育む)
だと思います。学校のESLの先生からもこの2点は毎回言われました。
ESLというプログラムは用意してあるものの、これは最低限英語のコミュニケーションが取れるレベルに生徒を持ち上げる事が目的で、本格的に英語に取り組むためには、家庭における自主学習も必要だという事だと思います。
海外に住むという事は、色々な問題があり楽しい事ばかりではなく、難しい事や余計に勉強しないといけない事も多いのが現実だと思いますが、少なくともESLというプログラムが用意されている事、それをきっかけとしてアドバイスを受けながら家庭での学習で補強・強化していくという事が大事だと思います。
今回も長々と書いてしまいました。いつも記事を読んでいただきありがとうございます。皆さんの参考になれば嬉しいです。