散り際の美
紅一点 愉しませてくれた庭の薔薇
大雨にも耐えてはいたが
頭を垂れて 隣の草花に寄り掛かる
気の毒に...と 手を触れた瞬間
その時を
待ってましたとばかりに
花弁が 弾ける
あまりにも 呆気なく 散る薔薇
今まで ずっと愉しませてくれたんだから
散り際の美
田園界で 観た景色を思い出す
薔薇と 意思が通じたかのような一瞬だった
そんな 薔薇を眺めていたら
見つけた
小さな蕾が 膨らんでいる事を
風に吹かれ 土に還る花弁達
今 しばらく 愉しめそうだ
散り際の美
浮世雲拝
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