初めての同人誌で起こしがちな失敗7項目

「今までWEB上でのみ漫画を投稿してきたけど、
この度ついに紙媒体で個人誌を作ることに!またはアンソロに誘われた!」
そんな作家さん達が同人誌用の漫画原稿を描くにあたって起こしがちな失敗を7つまとめてみました。逆に言えばこれらを回避すれば印刷された本での大失敗をだいたい避けられます。

まず大まかな用語説明と、原稿を始める前の予防方法、原稿が完成してからの回避方法を可能な限り解説していきます。
ちなみにクリスタEXを使用している前提での解説になります。
ついでに主観ですが失敗度を⭐︎5段階で評価しています。

◆解像度72dpiで描いてた!

失敗度:⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
解像度72dpiで漫画やイラスト原稿をA5やB5サイズで印刷すると多くの作品がピンボケ画像のようになり、台詞や主線もモザイク模様のごとくガビガビになります。

【解像度って何?】
解像度(画像解像度)とは、いわば画像をハッキリ見せる目安です。
解像度は低くなるほど、画像がピンボケしていきます。

【予防方法】
新規作成時に画像解像度を設定しましょう。

紙媒体の同人誌ではモノクロ原稿なら解像度600~1200dpi、
カラー原稿なら解像度350dpiは無いと印刷時にピンボケします。
ポスター原稿の場合は解像度150dpiでもOKです。

よって、解像度は原稿のデータを新規作成する段階できっちり指定してから作成しましょう。

ちなみに、解像度72dpiはWEB上で投稿する際はあまり問題ありません。
したがってペイントツールで作品を新規作成する際も、基本設定から解像度72dpiの場合がほとんどです。だから最も陥りがちで深刻な失敗の一つです。

【回避方法】
結論から言うと、完全に回避する方法は基本ありません。
ただしダメ元で良ければ、次の方法を紹介します。
ガウスぼかしとアンシャープマスクのかけ合わせです。

まず、解像度を変更し、ぼかしをかけます。

[編集]メニュー→[画像解像度の変更]→数値を72dpiから本来の数値にします。
その後、画像を統合し、[フィルター]メニュー→[ぼかし]→[ガウスぼかし]を選択します。
すると解像度を上げたことで画像上に現れたピクセルのガビガビ感を多少なめらかにしてくれます。

次に、アンシャープマスクをかけます。

[フィルター]メニュー→[アンシャープマスク]→
[半径:0付近、強さ:255付近、閾値:0付近で調節]→[OK]
すると多少線画がハッキリします。

ただしグレスケ派であれば細かさは小さく、トーン派であれば細かさは大きめが合います。そこは作品によって違うので各自で調節しましょう。
また、原稿データはアンシャープマスクのプレビューが適応されにくいのでOKしてから様子を見て、気に食わなかったらやり直しという工程になりがちです。
一方で、アンシャープマスクを繰り返しかけると上手くいく可能性もあります。

ですが所詮、ダメ元の付け焼き刃です。画質を完全に良くしてくれるわけではありません。ここまでしてもしっくり来ない時は、急がば回れで描き直すことをおすすめします。


◆フォントサイズ8pt以下で台詞を書いてた!

深刻度:⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
フォントサイズが8pt以下だと、いざ印刷物となった際に読者へ読みにくい印象を与えます。もちろん、読めないわけではありません。
また、サンプルとしてWEB上に掲載すると、実際の発行物より画像が小さく表示される場合がほとんどです。そのため、文字が小さいほど読者に読む気を失わせる恐れがあります。

【フォントサイズって何?】
フォントサイズとは、いわばデータ管理された文字の大きさです。

【予防方法】
視認性の高いフォントサイズにしましょう。

基本的に同人誌で見やすい台詞のフォントサイズは諸説ありますが、
A5原稿ならば、フォントサイズ9~11ptを目安にする人が多いです。
ギャグ台詞ならば12~14がちょうど良いという説もあります。
B5原稿ならば、フォントサイズ12~14ptが目安にする人が多いです。
ギャグ台詞ならば15~17ptといったところでしょうか。

ちなみにWEB媒体で漫画を連載してるとある作家さんいわく、読者が読みやすいようにフォントサイズ14~16ptで通常台詞を打っているそうです。

【回避方法】
フォントサイズを変更しましょう。

[サブツール]の[オブジェクト]でサイズ直しがしたい台詞をクリック選択してフォントサイズを変更する方法や、[テキストツール]で台詞をドラッグ選択してフォントサイズを変更する方法があります。
フォントサイズの数値を変更すれば、文字を大小さまざまにできます。

ただし、台詞のフォントサイズを大きくした分だけ、吹き出しが相対的に小さくなります。場合によっては台詞が吹き出しからはみ出してしまう場合もあります。
したがって、吹き出しを拡大させなくてはならないので、コマ内の画像がその分だけ隠れてしまうと考えてください。
どうしても隠れて欲しく無い場合は文章量を減らすべく、台詞の言い回しを変えることをおすすめします。


◆ノドに絵や文字を入れてた!

深刻度:⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
原稿用紙の隅から隅まできっちり絵や台詞の吹き出し、擬音を入れたのに、いざ実物を読んでみたらどうも本の綴じ部分に描いてある絵や文字が読みにくい…それはノドまで描き込み過ぎてしまったからです。


【ノドって何?】
ノドとは、いわば本になるようページの束が押さえられている一辺です。
主に糊やホッチキスなどで固定されています。

ノドまできっちり絵や台詞を入れると、いざ印刷物となった際に頁数が多いほどノド側の絵や台詞は読みにくくなります。
頁数が少なくても、読者によっては本を大きく開くと本が傷むといった理由から本文の情報をそこまで読み取れない場合があります。

【予防するなら?】
読者に読み取って欲しい絵や文字などの情報を、ノドの近くに出来る限り入れないことです。

まず、原稿用紙には印刷時に裁断する目安となる断ち切り線、
実際に本となった際にページの全体像の目安となる仕上がり線(トンボ)、
台詞や絵が確実に読み取れる範囲の目安となる内枠線があります。

具体的には、ネームや下書きの段階でノド側を一辺、ベタ塗りすることです。
ノド側の断ち切り線からノド側の内枠ラインまでの一辺を全ページ塗りつぶしておくと視認性が上がるので、描き込みを防げます。
例えば左ページ始まりなら右側がノドなので、右端の一辺を塗り潰すイメージです。そこ以外は描いて良いと言う目安にもなるのでおすすめです。

【回避方法】
台詞がノドに収まっているなら内枠に移動させましょう。
絵がノドに収まっているなら切り取って内枠に移動させましょう。

それらを移動させたことでページ全体またはコマ内のバランスやイメージが変わってしまうようであれば、いさぎよく描き直しましょう。


◆全画面保存してた!

深刻度:⭐︎
完成原稿を入稿用データとして出力保存したものの、いざ完成した印刷物を見たらなんだかコマや絵や台詞が小さい…逆に余白は大きい…いわば、原稿上に描かれたもの全てが圧縮されている場合があります。
それは原稿用紙まるごと、全画面で出力保存してしまったためです。

【全画面保存って何?】
全画面保存とは、原稿データを入稿用サイズに書き出し(出力保存)する際に出力範囲を[ページ全体]と選択して保存することです。
原稿用紙はもともと実際の印刷物よりひと回り大きいので、[ページ全体]を印刷しようとすると、画面が圧縮されて本文画像は小さく見え、余白は大きく見えてしまいます。

【予防方法】
書き出し(出力保存)時に出力範囲を[トンボの裁ち落としまで]にしましょう。
アンソロでも十中八九この方法で出力保存した原稿データを求められます。

書き出し(出力保存)の方法は大きく分けて2通りあります。
・単一ページだけ書き出したい場合
差し替える必要があるなどで、1ページだけ別途に書き出したい時に便利です。

[ファイル]メニュー→[画像を統合して書き出し]→[『画像を統合して書き出し』設定でファイル名や保存形式を決める]→[『書き出し』設定で『出力範囲』の選択肢から『トンボの裁ち落としまで』を選択]→[OK]

・複数ページで書き出したい場合
全ページまたは複数ページ一気に書き出したい時に便利です。
また、iPad版クリスタの場合はPDF入稿用データをこの方法で作れます。

[ファイル]メニュー→[複数ページ書き出し]→[『一括書き出し』設定でファイル名や保存形式を決める]→[『書き出し』設定で『出力範囲』の選択肢から『トンボの裁ち落としまで』を選択]→[OK]

余談ですが、出力範囲を『トンボの内側まで』にすると、実際に本文として仕上がる部分だけが出力保存されます。
サンプルを作る際はこちらのご活用がおすすめです。

【回避方法】
原稿データをもう一度、上記で説明したやり方で保存し直しましょう。

一応、多くの印刷所ではそのような原稿データが入稿された場合は一応サイズミスとして依頼側に不備連絡が行きます。
ただし、短納期印刷だったり、極道入稿だったり、依頼者に基本責任を負っていただく方針の印刷所によっては不備連絡されないまま印刷されます。

◆A5原稿なのにB5原稿で描いてた!

深刻度:⭐︎⭐︎⭐︎
A5判サイズで本を発行したのに、いざ実物を確認したらページから本来の絵がはみ出していたり、または圧縮されていたりする場合があります。出力範囲も『トンボに裁ち落としまで』にしたにも関わらずです。
その場合はB5原稿で描いていた恐れがあります。

【A5原稿って何?】
A5原稿とは、いわばA5判サイズ印刷対応した原稿用紙です。
ちなみに一般的な同人誌はA5判サイズとB5判サイズが基本です。
A5判は主に青年誌コミック、B5判は主に学習ノートと同じサイズ規格です。

【予防方法】
原稿データの新規作成時に原稿用紙を『A5判』に設定しましょう。

[ファイル]メニュー→[新規作成]→[『新規』設定画面で『作品の用途』を『コミック』にし、『製本(仕上がり)サイズ』を『A5判』にする]→[OK]

【回避方法】
書き出し(出力保存)の際に元データからの拡縮率を82%にしましょう。

B5原稿を100%とした時、A5原稿はおよそ82%だからです。
ただし、A判およびB判は厳密にはサイズ比率が違います。
よって断ち切り線までの描き込みが足りないことも起こりえます。
そこは各自で確認して必要に応じて書き足してください。

さて、やり方は2通りです。途中まで全画面保存してしまった際と同じ方法です。

・単一ページのみ画像を統合して書き出したい場合
[ファイル]メニュー→[画像を統合して書き出し]→[『画像を統合して書き出し』設定でファイル名や保存形式を決める]→[『書き出し』設定で『出力範囲』の選択肢から『トンボの裁ち落としまで』を選択、さらに『出力サイズ』の選択肢から『元データからの拡縮率』を選択し、『82%』にする]→[OK]

・複数ページで書き出したい場合
[ファイル]メニュー→[複数ページ書き出し]→[『一括書き出し』設定でファイル名や保存形式を決める]→[『書き出し』設定で『出力範囲』の選択肢から『トンボの裁ち落としまで』を選択。さらに『出力サイズ』の選択肢から『元データからの拡縮率』を選択し、『82%』にする]→[OK]

◆おまけ:逆にB5原稿なのにA5原稿で描いてた!

深刻度:⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎

この場合、回避方法は拡縮率122%にする事くらいです。
ただしこの方法は画像解像度を間違えた際と同様に、若干画像の鮮明度がぼやけます。どうしても気になる際はコントラストの調整やシャープをかけると良いかも知れません。

【回避方法】
拡大し、画像統合した原稿データにアンシャープマスクで多少クリアにできます。

やり方としては、122%に拡大して書き出し(出力保存)した原稿データを開き
その開いた原稿データにアンシャープマスクをかけるだけです。

[フィルター]メニュー→[アンシャープマスク]→
[半径:0付近、強さ:255付近、閾値:0付近で調節]→[OK]
すると多少線画がハッキリします。

ただしグレスケ派であれば細かさは小さく、トーン派であれば細かさは大きめが合います。そこは作品によって違うので各自で調節しましょう。
また、原稿データはアンシャープマスクのプレビューが適応されにくいのでOKしてから様子を見て、気に食わなかったらやり直しという工程になりがちです。
一方で、アンシャープマスクを繰り返しかけると上手くいく可能性もあります。

ですが所詮、ダメ元の付け焼き刃です。画質を完全に良くしてくれるわけではありません。ここまでしてもしっくり来ない時は、急がば回れで描き直すことをおすすめします。

◆断ち切り線まで絵を描いてなかった!

深刻度:⭐︎
完成した同人誌を確認してみたら、ページの端っこまでベタをしたはずが塗り切れていない、または描き込みをしたはずが足りていない、さらには仕上がり線よりギリギリ外に出したはずのコマ枠がページの端に見えてしまっているということがたまにあります。その主な原因は、断ち切り線までしっかり作画していなかったためです。

【断ち切り線って何?】
断ち切り線とは、いわば印刷時に原稿用紙を裁断する際の目安です。
仕上がり線から塗りたし幅○mmと言われる部分の最外枠でもあります。

そもそも、原稿用紙には印刷時に裁断する目安となる断ち切り線、
実際に本となった際にページの全体像の目安となる仕上がり線(トンボ)、
台詞や絵が確実に読み取れる範囲の目安となる内枠線があります。

そして印刷機は原稿用紙を取り込む際に判の実寸で裁断します。ただし、ページ数が多いとたまに裁断する位置が若干ずれるそうです。そのずれを補償するのが塗りたし幅とのことです。
最近の印刷機は技術が向上して塗りたし幅を作らずともきっちり仕上がり線(トンボ)で裁断できると言われていますが、まだまだそうでないこともあるようです。

【予防方法】
断ち切り線(塗りたし幅の最外枠)の視認性を事前に上げましょう。

ベタやコマ枠、または描き込みが仕上がり線を越える場合は最低でも塗りたし幅まできっちり描き込む必要があります。一方で、範囲が不確実では塗りたしが不足する恐れがあります。
よって、断ち切り線に沿って長方形ツールで囲う方法がおすすめです。いっそ断ち切り線より外側を分かりやすく一色で塗り潰したレイヤーをレイヤー層の一番上に置くのもひとつです。

塗りたし幅は印刷所によって指定範囲が違うので各自で事前に確認しておきましょう。

【回避方法】
ベタやコマ枠、または描き込みが仕上がり線を越える場合は最低でも塗りたし幅まできっちり描き込みましょう。

この際も、視認性を上げるべく、断ち切り線に沿った枠線や外側を塗りつぶしたレイヤーをレイヤー層の最上部に用意すると便利です。

◆トーン原稿をグレスケ保存してた!

深刻度:⭐︎⭐︎⭐︎
トーンを使って原稿を仕上げたものの、いざ本になったものを確認したらトーンを貼った箇所が何だかモヤモヤしてしまっている…という事があります。
それはトーンを使った原稿なのにグレスケ保存していた場合がほとんどです。

【トーンって何?】
トーンとは、いわばモノクロ印刷で黒い点の集合で模様を表現するものです。
トーンはモノクロ原稿において、情報量を増やすのに一般的な方法です。
モノクロ印刷、原稿とは、基本的には白背景に黒インク一色で表現された印刷および原稿を指します。

【グレスケって何?】
グレスケとは、いわばモノクロ印刷に灰色も使って表現する方法です。
グレースケールの略で、保存、と付いた場合はグレスケ原稿の保存方法を指します。
グレスケは主に写真画像やグラデーションなどをモノクロ原稿に変換した際、なめらかに表現する方法として最適です。

【予防方法】
トーン原稿の場合はモノクロ保存で書き出しましょう。

書き出し(出力保存)の方法は大きく分けて2通りあります。
・単一ページだけ書き出したい場合
差し替える必要があるなどで、1ページだけ別途に書き出したい時に便利です。

[ファイル]メニュー→[画像を統合して書き出し]→[『画像を統合して書き出し』設定でファイル名や保存形式を決める]→[『書き出し』設定で『表現色』の選択肢から『モノクロ二階調(トーン化)』を選択]→[OK]

・複数ページで書き出したい場合
全ページまたは複数ページ一気に書き出したい時に便利です。
また、iPad版クリスタの場合はPDF入稿用データをこの方法で作れます。

[ファイル]メニュー→[複数ページ書き出し]→[『一括書き出し』設定でファイル名や保存形式を決める]→[『書き出し』設定で『表現色』の選択肢から『モノクロ二階調(トーン化)』を選択]→[OK]

◎アンソロ編集をなされる方へ
一番無難なのは、執筆者に執筆概要をお渡しする段階で原稿の表現色をトーンか、グレスケ、どちらかに統一することです。

トーン原稿はモノクロ保存だと主線やトーン効果がクリアに見えるからです。
また、グレスケ原稿はグレスケ保存だとグラデーションが映えるからです。

また、印刷形式によってはオフセットでは特に聞きませんが、オンデマンド印刷ではトーン原稿をグレスケ保存して入稿するとオンデマンド印刷を行う印刷所によってはモアレ(模様荒れ)を起こす可能性があります。

【回避方法】
基本は上記の方法と同様です。

◎アンソロ編集をなされる方へ
モノクロ保存された原稿とグレスケ保存された原稿を同時に集めてしまった場合は印刷形式にご注意ください。印刷形式がオンデマンド印刷の場合、モノクロ原稿をグレスケ保存するとモアレ(模様荒れ)を起こす可能性があります。

とはいえ、逆にグレスケ原稿をモノクロ保存した方がより酷い現象が起こりえます。(こちらは次の項目で説明します)
したがって時間が無い場合、またはどうしても使いたいオンデマンド印刷所がある場合は断腸の思いでグレスケ保存で入稿しましょう。

◆おまけ:グレスケ原稿なのにモノクロ保存してた!

深刻度:⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
グレスケ原稿をモノクロ保存すると、端的に言えば原稿中の白と黒以外の部分が全て消し飛んで保存されます。アンチエイリアスという、図形や文字をなめらかに見せるために灰色を混ぜた部分も灰色の部分のみが失せ、一見ガビガビになります。

モノクロ保存自体は二値ペンで描かれた主線やトーンのように黒100%で描かれたものにはクリアに見えて最適な表現です。

一方で、アンソロ用に一旦画像化して取り込まれた小説などは、書体によってはアンチエイリアスがかかっているため、モノクロ保存により文字が識別できないほどにかすれたり、はらいや跳ねが消えてガビガビの書体になりえたりします。

【予防方法】
グレスケ原稿の場合はグレスケ保存で書き出しましょう。
また、どうしてもモノクロ保存したい方は、グレスケ部分をトーン化しましょう。

1、グレスケ保存で書き出す方法
書き出し(出力保存)の方法は大きく分けて2通りあります。
・単一ページだけ書き出したい場合
差し替える必要があるなどで、1ページだけ別途に書き出したい時に便利です。

[ファイル]メニュー→[画像を統合して書き出し]→[『画像を統合して書き出し』設定でファイル名や保存形式を決める]→[『書き出し』設定で『表現色』の選択肢から『グレースケール』を選択]→[OK]

・複数ページで書き出したい場合
全ページまたは複数ページ一気に書き出したい時に便利です。
また、iPad版クリスタの場合はPDF入稿用データをこの方法で作れます。

[ファイル]メニュー→[複数ページ書き出し]→[『一括書き出し』設定でファイル名や保存形式を決める]→[『書き出し』設定で『表現色』の選択肢から『グレースケール』を選択]→[OK]

2、トーン化する方法
一方で、主線を二値ペンなど、黒100%のみの状態で描かれているからこそハッキリ出したいとお考えの方もいるかも知れません。

その際は
[ウィンドウ]メニュー→[レイヤープロパティ]にチェック→灰色(グレスケ)で表現したレイヤーを選択した状態で、レイヤープロパティの『効果』より、右から二番目の『トーン化』を選択しましょう。

それにより、描かれている線画や模様、塗りが黒100%で変換されたと認識されれば、モノクロ保存しても問題ありません。

【回避方法】
基本は上記の方法と同様です。

◎アンソロ編集をなされる方へ
オンデマンド印刷をご利用なされたい方は、画像データとして小説を扱われていたり、グレスケ保存された原稿を受け取っていたりするのであれば、まずモノクロ保存で入稿しない方が吉です。

どうしてもオンデマンド印刷を利用したい、かつ、モノクロ保存を使われたい方は事前に小説含めて画像統合されたグレスケ原稿を上記の方法でトーン化させましょう。

その際は、[レイヤープロパティ]→右から二番目のトーン化アイコンを押した際、『効果』欄の『トーンの線数』を『85.0』にしましょう。
トーンの目が細かくなり、違和感が若干抑えられます。
個人的には推奨しません。

◆最後に

同人生活をする上で、本を作ったり、アンソロにお呼ばれする、主催するのは楽しい経験となる可能性が高いものの一つです。
だからこそ、実物ができた際に「失敗した…!」と青ざめることは避けたいですし、避けてほしいと私個人も思ったのでこのマニュアルを作りました。
実質、90%くらいは回避できているはずです。

とはいえ、もしかしたら他にも効果的で効率の良い回避方法があるかも知れません。また、他にも忘れちゃいけない、回避したい失敗があるかも知れません。
ご存知の方がもしいらっしゃれば、随時追加していきたい次第です。
ですので、もし宜しければぜひご指導ご鞭撻いただければと思います。

最後に、各項目をなるべく分かりやすく説明しようとして、逆に長くなってしまったことをここにお詫び申し上げます。
また、ここまでご一読いただきありがとうございました。




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