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SaaS営業道~“イノベーター理論”上のタイプ認識の大切さ(前編)~

こんにちは。WealthParkの浮田です。

 ”イノベーター理論”や”キャズム理論”という言葉はあまりにも有名ですが、これを初期のお客様である「イノベーター」からその先まで、実体験として経験できるのはスタートアップ営業の特権ですよね。本100冊読んでも分からない、得難い大切な経験だと思います。

さて、今回書くことは、上記理論についての沢山の本に書かれていることばかりな内容だと思います。

ですが、特にSaaS営業のような変化スピードの速い業界に身を置く者なら、『自社サービスがイノベーター理論上のどのタイプに属するのか』を意識して活動することは、会社の将来(売上だけでなく、サービス設計も含めて)を左右するだけなく、顧客の感じる価値にも影響するものだと思うので、自分の思考の整理をしながら、前編・後編と分けて書いていきたいと思います。

1.”イノベーター理論”のタイプ認識が、営業にとって大切なのはなぜか?

 実際にはこんなにきれいにタイプが分かれることはないし、顧客の個別性は当然あるものの、自社のサービス・市場がどの位置にあるのかで、顧客の大切にするもの(価値観)は間違いなく変わるし、それだけでなく、情報収集や検討手順等も変化すると最近痛感しています。

それによって、間違いなく提案方法は変わるし、商談の進め方は変わります。”イノベーター理論”を知るまでもなく、「そんなの当たりまえだろw」と思われるかもしれません。

 しかし、最前線で営業しながら、このタイプ・立ち位置の変化に常に気を配ることがあるでしょうか?日々営業で目の前の顧客、生々しい話でいえば売り上げを追う中で、本当に気が付くことができるでしょうか?私は結構難しいことだと思います。

2.タイプ認識ができていない(気にしていない)ことによるリスク

 営業がイノベーター理論のタイプに気をつけなければいけない理由は、『過去の成功体験(営業手法・商談の進め方)を継続してしまい、営業時から顧客に価値提供することができなくなっていることに気づかない』リスクが潜んでいるからです。 繰り返しになりますが、顧客のタイプが綺麗に分かれるとは限らないので、このリスクが数字に及ぼす影響はそこまで目立ったものではないかもしれません。

ですが、変化を感じとれないことによる営業スキルの停滞は、個人としても会社としても無視できない問題なはずです。何より、せっかく提案の時間を割いてくださった顧客が、商談中に一つも価値を感じてもらわないで終わることは、あってはならないことです(弊社のようなVertical SaaSなら尚更)。

 タイプ別に顧客が価値を感じるものが変わるのであれば、営業はそれに合わせた商談をしなければなりません。商談をするには準備が必要で、準備を構成する要素はマーケ・カスタマーサクセス・プロダクト・デザイン・etc…自社の全てのメンバーの努力の積み重ねによって成り立っているものだと思います。

商談の準備も進め方も、一瞬で完成・変化させることは難しいです。顧客の言うことが全て正しいわけではないですが、顧客の求める物・価値の置き所がどこかを、その時の状況に合わせてチーム全体で準備できるよう営業が率先して声を上げていくことも、大切な活動の一つだと思います。タイプ認識が希薄だと、こういった活動も起こりにくくなります。

3.まとめ

 何度も繰り返しで恐縮ですが、顧客のタイプははっきり分かれるものではありません。本質的で不変な営業のセオリーやフレームワークもあるでしょう(SPINやMEDDICなど)。

一方で、自社サービス固有の細かい商談テクニックや進め方、営業トークもあるはずで、それらに関しては過去の成功は一旦忘れて、今の状況に合わせて組み立て直す必要があります。

 ちなみに、よく言われる”キャズム理論”はアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間にあると言われるそうですが、偉い人が言ってることは本当だなと感じる日々です(笑)

 後編では、具体でイノベーター⇒アーリーアダプター⇒アーリーマジョリティーとタイプが移り変わる中で、どのように顧客との商談が変わっていったのかを中心に書きたいと思います。

画像参照元|イノベーター理論とは?5つのタイプと具体例を解説!

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