「メディアの数字を鵜呑みにしない 最低賃金と経済の真実」
2024年10月から、日本の最低賃金の平均が1,055円に引き上げられた。
私が学生だったころと比べると、1.5倍以上の増加である。
一方で、平均賃金はこの30年間ほとんど横ばいの状態だ。
また、最低賃金については、よく欧米諸国と比較され「日本の最低賃金は低い」と言われることが多い。
私はいつも数字には懐疑的な目を向ける部分がある。
特にメディアが出す数字には注意が必要で、
上手に作られた数字で人々を誘導していると感じることもある。
最低賃金が最も高いとされる国はオーストラリアである。
最近では、日本人がオーストラリアに出稼ぎに行くという話もよく聞く。
ところで、オーストラリアには世界的に有名な企業がどれほどあるだろうか。
私は特に思い浮かばない。
GDPが世界一のアメリカの最低賃金は7.25ドル(約1,066円)で、日本とほぼ同じ水準だ。
ただし、アメリカは州ごとに最低賃金が異なり、最も高いワシントン州では2,393円に達する。
日本の報道では、このような高い州を引き合いに出して「アメリカは最低賃金が高い」と主張されることがある。
昨今、世界的に最低賃金が上昇している要因の一つは、
コロナ禍や戦争による物価高騰である。
コロナ禍は既に落ち着きを見せているため、
現状の主な問題は戦争による影響と言える。
物価高騰への対策として、さまざまな方法が考えられる。
最も望ましいのは、世界中が戦争を止め、
和平交渉に努めることだ。
しかし、現実には武力支援や軍事産業の利益を追求する方向に進んでいるように私には思えてならない。
次に、我が国においては、消費税の減税やトリガー条項の発動など、多くのアイデアが考えられる。
しかし、こうした議論よりも最低賃金の引き上げが一辺倒のように進められているのは問題だ。
景気が良好でインフレのときなら最低賃金の引き上げも適切だが、
今のようなデフレ状況で最低賃金を引き上げても、
インフレが解消するかのような期待感だけが先行している。
最低賃金を急激に引き上げると、
中小企業の経営が逼迫する可能性がある。
また、最低賃金の引き上げが即座に消費の増加に結びつくわけではないと私は考える。
むしろ、将来への不安から貯蓄が増加する可能性が高い。
また、最低賃金が上がっても、正社員の平均賃金が上がらなければ消費の拡大にはつながらない。
まずは消費を増加させる政策が必要であり、
そのためには減税や積極的な財政出動が求められる。
景気が回復してきた中で最低賃金を引き上げることが最も理想的だ。
国やメディアが発表する情報を鵜呑みにしてはならない。
数字は使い方次第で薬にも毒にもなることを覚えておくべきである。
自分自身の視点を持ち、冷静に判断することが大切だ。
浮島 達雄
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