スカッとしたがる人たちと蜜の味
「他人の不幸は蜜の味」ってことわざがある。
ドイツ語では1つの単語で「シャーデンフロイデ」と表すと聞いた。世界的にもポピュラーな感覚なのだろう。
クラウドソーシングでライティングの仕事を探していると「スカッと系動画の脚本の仕事」の募集は多く、Youtubeでも安定して再生回数が多いようだ。
でも私はそれがわからなくて。たぶん実生活では私自身が「ざまあwww」される側だからだと思う。
ポリコレ棒で殴られたり、空気が読めず悪目立ちしてヘイトを買って報復される側だからだ。
自動車事故とか感染症によって死人が出ても、自動車を禁止しようとかロックダウンしようって話にはならない。
経済のサンクコストとして、ある程度死ぬのは仕方ないと社会として承諾した結果、今の実情があるということだろう。
インターネットも含めて、便利さには替えられない。
スポーツだって戦争だって疫病だって災害だって、他人事ならエンタメや娯楽になり得る。まさに他人の不幸は蜜の味なんだけど。
自分が当事者になる可能性を考えると、シャーデンフロイデも笑って済ませる範囲にしてほしいと思ってしまう。
誰しも聖人君子ではないとか善人ではないというのは当たり前で、言わずもがななのだろう。
でも社会に参加している以上、最低限は遵法的で親切に振る舞うことを期待される。
徳の騎士による炎上というか、私刑には歯止めが効かないから困るんだよな。
責任追及より再発防止のほうが大事なんじゃないかと思うんだけども。
「自分は聖人君子ではない」って開き直りたいけど、それはみんなあえて言わないようにしてるやつなのかもしれない。
わざわざ露悪的、もしくは偽悪的に自分のことを話すのも違和感がある。
ともさかりえじゃないけど「あと少しあたしの成長を待って」としか言えない。