脱ヒキニート体験記6 自分SDGs
これまでの5回の脱ヒキニート体験記で、サポステで受けられる面談とプログラムとインターンの話はそれなりにできてきたかと思います。
視覚障害者のガイドボランティアの話もしたけど、これは誰がどう考えても最初にやるにはハードルの高い内容なので、今回はそれ以外のボランティア体験について書いていこうと思います。
精神に障害のあるかたの支援をしているNPOさんのお手伝いで、公園でバザーをやったことがあります。
お洋服とかいらなくなったおもちゃとか、どっから出てきたのか大量の認印とか鞄とか。品物はいろいろでした。
NPOのかたや精神障害のかたと一緒にお店番もしたけど、私は公園の駐輪場に自転車を誘導するお役目を仰せつかっていました。
こういうの実際にやってみると言うこと聞いてくれる人とそうでない人と当然いて、心が摩耗していく感じ。
気持ちよく挨拶をしてもらえるとこんなに嬉しいんだって実感がありました。
お昼には一つの寸胴で40人前のカレーを作ってふるまっていただいて、芋煮会じゃないけど大きな鍋で一度に大量に作った鍋料理がべらぼうに美味しいのだということも発見でした。
他にも定年後世代や子育ててママさんが主体となって民家を開放している居場所事業のお祭りのようなものを手伝わせてもらったこともあります。
男女共同参画なんちゃみたいなところのイベントにも参加したけれど、いわゆる括弧つきの〝女子供〟というかリガミリティアというか、働き盛りの男性や若者と呼ばれる年代の人間が参加者のボリュームゾーンとしてポッカリ空いていているのだという実感がありました。
少子高齢化も原因の一つと思いつつ、お金がないと家の外で時間をつぶせるような、ゆっくりできるような居場所ってないんですよね。
サードプレイスの創出って異口同音に争点になってきているはずなんだけど、まだまだ課題がある。自発的に参加しないと関係性って作られないんだってことの難しさを感じます。
経済を回すことの重要性と一方で社会原資とつながれず社会参加から遠のくことのジレンマを感じます。
思い起こせば図書館に来る人も高齢男性のソロプレイヤーが多くて、男性は徒党を組むのも下手なのかなあ。それだとこの先共助を得られづらくなって泣きを見るんじゃないかなあとお節介な気持ちにもなってしまいます。
他にも公民館のイベントで健康体操クラブの人たちと一緒に体操して写真を撮るなど、ボランティアは総じて楽しい思い出が多いです。
でもあくまで社会復帰を目指して働ける人間になることが目的だったので、地域のお祭り企画から運営に携わってパンケーキ屋の屋台を出した長期プログラムは地獄でした。
何がつらいのかなかなか言語化できなくて、毎週会議に参加するたびに泣きたくなるくらいつらかった。
複数のメンバーで同じ目的に向かってミーティングを重ねてパンケーキの材料や作り方を研究して、一つ一つはとても楽しい行程なんだけど、団体行動だから自分の思うとおりにいかない部分はどうしても存在する。
それを上手く言語化できず抱え込んで苦しんでいた記憶があります。
担当相談員からは〝無酸素運動と有酸素運動〟のたとえ話をされることがよくあった。
雨琴さんは息止めて我慢して短期間で良い結果を出すのは得意だけど、同じメンバーで時間をかけて成果を出そうとする息を止め続けられないから無理が出てくる。有酸素運動的に取り組むこと。今どきの言葉でいえばSDGsに取り組めるようになることがこのころ顕在化した課題だった。
ふり返って今もそんなにその欠点は改善されていないんだけど、2年かけて展示会を実現させて、望外に覚えのめでたい跳ね方をしている実情もあるので、あの頃よりは良くなっていると思いたいw
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