鉄火味噌
鉄火味噌って知っていますか?
冬の養生に役に立ってくれるツール。
ごぼう、れんこん、にんじん、生姜を粒と言う粒が見えなくなるくらいに、ひたすら包丁で刻む。
刻んだら、極弱火で、鉄鍋で火を通していく。
野菜たちがふわふわパラパラになってきたら、豆味噌を加え、さらに火を通す。
ねっとりお味噌が、いつしかふりかけのようにパラパラになれば完成。
書くと簡単に思えるが、作る量にもよるが、1日作業。
ごぼうと向き合う時間、約3時間。
まな板と包丁とごぼうと私。
でも、この時間、嫌いじゃない。
というか、とっても好き。
そこに集まった女たちで、ワイワイキャッキャしながら、手仕事をしていく。
みんなでいるけど、ごぼうを刻んでひとりのように感じる瞬間が、不思議でおかしくて好き。
溶け合うみたいな。
女たちのすごいところは、わいわいキャッキャしながらも、ちゃーんと進んでいくところ。
そして、ちゃーんと完成した。
パラパラの鉄火味噌が、冬のお守り。
野菜と味噌のパワーだけじゃなくて、そこに至るまでの時間がそこに閉じ込められている。
急いではいけない。
淡々と野菜を刻む、火加減は、できるだけ弱く。
守勢。
積極的に待つ、守る。
動いていないんじゃない。
こつこつ、淡々とでしかできない、ひとつの行動。
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