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風と雷の浅草寺

あけましておめでとうございます。

お正月休みにどこへ行こうか、と夫に尋ねると、「浅草へ行きたい」と返事。
まだ、ここへ引っ越してくる前も、東京へ旅行へ来ると、毎回、浅草へ行きたいという夫。
だけど、特別、行きたい店とかやりたいことがあるわけじゃない。
不思議な人だ。

昨年、2か月の単身赴任をしていた夫は、蔵前に住んでいたこともあって、浅草は徒歩圏内なので、余計に好きなったようだ。

浅草といえば、「雷門」

正式には、「風雷神門」といいます。
仲見世通り側から雷門を見る(雷門と書いてある裏側)と、きちんと風雷神門と書いてあるんです。

門の左右には、風神雷神が奉安されています。
向かって左が雷神様、右が風神様です。

雷神様は、雷を司る神で、太鼓をもち、これを打ち鳴らし、稲妻と雷鳴を引き起こすとされています。
風神様は、風を司る神で、風袋によって、風雨をもたらすとされています。

五行と易の関係

易経では、自然の象徴8つを使い、表現します。
天、沢、火、雷、風、水、山、地。これを八卦と呼びます。
五行は、木、火、土、金、水。
この八卦と五行の関係は、上の図のようになります。

風神雷神のつかさどる、風と雷は、五行で「木」に属します。

風雨も、稲妻も、雷鳴も、植物が芽を出し、育つには欠かせない存在です。
(もちろん、大地も水も、ミネラルも、太陽の光も…なんですけれど…)
五穀豊穣の祈りが風神雷神に込められているのも納得です。

易経は、この八卦を二つ合わせて、64の卦が記されています。
風と雷を使った卦は、
32 雷風恒 と 42 風雷益

32 雷風恒
恒、亨。无咎。利貞。利有攸往。
恒はとおる。とがなし。貞によろし。往くところあるによろし。

恒は、恒久、恒常不変という意味があります。
雷と風が力を合わせて、万物の生育を助けていく様子から、一貫して道を守っていけば、利があるといっています。

42 風雷益
益、利有攸往。利渉大川。
益は往くところあるによろし。大川を渉るによろし

益という字は、皿に水が溢れている様子を表しています。
溢れるという漢字にも使われるように、「ますます」や、利益、増益をさします。
天は陽気を施し、地は万物を生む、その益はあまねく行きわたります。

浅草寺へのお参りへ行くときには、まず、この雷門をくぐると思います。
風神雷神に見守られ、仲見世通りをまっすぐ進む。
威勢のいいおっちゃんたちの声に心弾ませ、本堂までたどり着き、手を合わせると周りの喧騒がスッと消え、静かに向き合う。
心の波がおさまり、静かに目をあけ、浅草寺を後にします。

再び、仲見世通りに戻ると、舟和のいもようかんや、抹茶パフェの誘惑…
でも、ちょっと我慢。

仲見世通りを(人形焼きをつまみつつ)まっすぐ戻り、雷門から出てくる。
そこで、完成する、「恒久の益」がありますように、という願掛け。

雷おこしは、その自分の利を、大事な人にお福分けする行為。
(お土産って、大事な人に買っていきますもんね)
そうして、益々、ふくらんでいく利。

易は、こんなことも教えてくれます。
これを知った皆さまは、仲見世通りを途中で曲がって、遊びに出かけられなくなるんじゃないですか?
ぜひ、こんな面白い願掛けなんだって~ってやってみてくださいね。
きっと、風神様雷神様が、笑って見守ってくれますよ。


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うきこ
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