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「Ukiha Farm Dining」 歴史ある日本家屋でうきはの春を味わう 「かおり野」フルコース

春とはいえ、まだまだ風が冷たい2月16日。
旬のうきは食材を味わう1日だけのレストラン「Ukiha Farm Dining」が再びオープンしました。今回の会場は、白壁の町並みが有名な吉井町にある「居蔵の館」。明治・大正の面影を残すレトロな建物で、いちごを使ったフルコースをいただきます。

前回の「Ukiha Farm Dining」の様子はこちら

第一回に続き、ランチのテーマは今が旬のいちご。
大分県との県境にある果樹農園「梶原フルーツ」にご用意いただきました。
こちらでは、いちごの他にもぶどうや梨、柿など一年を通してフルーツ狩りを楽しめるのが魅力。どの果物も「子どもたちに安心して食べて欲しい」と、低農薬・有機栽培されています。なんと、いちごは収穫の2ヶ月前から農薬を一切使わずに管理しているそうですよ。

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当日は、モニターの皆さんもいちご狩りに参加。人気の「恋みのり」「紅ほっぺ」など7品種を食べ比べながら、それぞれの“推しいちご”を探していました。
いちご狩りを満喫した後は、摘みたてのいちごで「いちご大福作り体験」に挑戦。
梶原フルーツのお母さんの明るいおしゃべりに癒されながら、上新粉から求肥を作り、あんこといちごを包みます。いちごは果皮もしっかりとして、形が丸く包みやすい「さがほのか」を使うのが梶原さんのこだわりなんですって。
つきたての求肥とあんこの甘さとの相性もばっちり!
初対面のモニターさん達も協力しながら大福作りをする間にすっかり意気投合。和やかな雰囲気のまま、レストラン会場の「居蔵の館」へ向かいます。

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大地主の店舗兼住居として明治末期に建てられ、大正期に改築された「居蔵の館」は、屋敷のすみずみまで見どころがいっぱい。話し上手な施設ガイドさんの案内で古き良き日本の美を堪能した後は、いよいよランチのスタートです。

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閑静な庭をのぞむ21畳の大広間。セッティングされたテーブルの上には、粋な花のあしらいが。

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少し揺らぎのあるガラス窓。まだガラスが希少だった時代のもので、この大きさのまま残っているのは珍しいとか。庭園の風景にいっそう味わいを持たせます。


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今日のシェフは、自然豊かな浮羽町新川にある摘草料理とお野菜ベーグルの店「plantago」のゴトウタカコさんと深谷清広さん。摘草とは、自生する野草のことで、人工的な栽培ではないため旬は本当に短く、まさに一期一会の味なんです。そのほかの食材も生産者の方に会いに行って、畑や農場で育つ様子を見て選んだもの。素材が持つ本来の味わいを生かすため低温調理や50度洗いするなど、調理法にもこだわっています。
「今日のいちごは、梶原フルーツさんの有機栽培のもので、病気や虫に強い『かおり野』です。いちごが持つ“生き物としての味わい”をいろいろな形でお楽しみください」


ドライ苺カナッペ&苺ホエードリンク

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最初にテーブルに運ばれたのは、セミドライにしたいちごで作ったベーグルの上に熟成チーズ、柑橘の皮、フェンネルハーブとはこべをあしらったカナッペ。乾燥させたことで甘味と香りが増したいちごに、チーズのコクと柑橘の苦味がよく合います。フェンネルと野草のはこべで春を感じさせる一品。
「いちごも柑橘の皮も風味を残すために低温で乾燥させています。柑橘はうきはの人からいただきました。庭に生えていたそうです。はこべは今朝摘んできたもの。歯周病にいいと言われていて、うちでは乾燥させて歯磨き粉代わりに使っているんですよ」

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カナッペの隣には、ヨーグルトの上澄み「ホエー」と豆乳を合わせたドリンクです。さっぱりとした飲み口にコンフィチュールのいちごを加えてグッと華やかに。
お酒好きの方には、うきは唯一の酒蔵「いそのさわ」の大吟醸にいちごを加えた特製カクテルを。大吟醸のふくよかな旨味といちごの組み合わせは何杯でもいけそうです。
「ホエーは松野牧場さんの牛乳で作ったヨーグルトを使いました。こちらの牛たちはとても穏やかな環境で育てられているので非常においしいんです。機会があればぜひ飲んでみてください。豆乳は、重岡豆腐さん。うきは産大豆で作っているんですよ。いちごは砂糖を少しだけ加えて60℃で約1時間じっくり火を通しました。食材は70℃を超えるとタンパク質の変性が起こり、風味や旨味が飛んでしまうんですね。ですから、うちでは60℃調理を取り入れています」

今回は、「plantago」のお二人がセレクトした器にも注目を。うきは市で活躍中の作家さんの作品をお持ちいただきました。
「木のプレートは、皆さんが座ってらっしゃるイスと同じ杉工場さんの作品です。以前参加したイベントの時に紙やプラスチックのお皿を使いたくないと言ったら作ってくださって。今でもいろんな場所で活躍しています。ドリンクの器は倉田小夜子さん作。優しい味わいが特徴です。器もぜひ愛でてくださいね」

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ルッコラとクレソンの苺サラダ 
~ローズマリーマリネ添え~

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続いては、春らしいクレソンとルッコラのサラダ。うきは市でも自然豊かな小塩の川沿いに自生するクレソンと無農薬で自然に近い環境で栽培された「なごみファーム」のルッコラです。上には菊芋とセミドライの玉ねぎ、いちごを添えています。
「いちごは生とローズマリーにつけたもの。それに発酵させたイチゴのペーストで作ったドレッシングを合わせました。どれもしっかりと野菜の味がすると思います。どうぞ噛みしめて食べてみてください」
野菜の旨味や甘味、苦味など、一口ごとにさまざまな味わいが顔を出す、
まるで春の野山を歩いているような一皿です。
錆びたアイアンを思わせる大村剛さんの陶器がカラフルなサラダを一層際立たせています。

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カリフラワーとドライ苺スープ

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無農薬で野菜を育てる「DONI FARM」のカリフラワーを主役にしたスープ。
「DONI FARM」とは家族ぐるみのお付き合いで、その優しい人柄が野菜の味にも出ていると深谷さんは語ります。
なるほど。噛んで味わえるほど食感を残したカリフラワーはほのかに甘く、低温で引き出した昆布出汁の旨味が優しく寄り添います。ドライイチゴと香ばしく焼いたベーグル、かぶの葉っぱがアクセント。
スープをすくうたびに「カランカラン」と音を立てる器は、日月窯の福村龍太さんによるもの。「今回は土の香りのする金の釉薬を使った器です。福村くんは土と銀を合わせた銀彩など、素晴らしい作品をたくさん手掛けています」

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メイン
吟醸豚ロース 松の燻製 苺バルサミコ酢ソース
野草の玄米リゾット

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大村さんの器に盛られたメイン料理は、梨とローズマリーに漬けて熟成させた吟醸豚のソテーです。低温で火を入れているのでしっとりと柔らかく、噛むほどに旨味がじわり。甘酸っぱいいちごソースがさらに引き立てます。
「吟醸豚を育てている『River Wild』は、傷がついたり形がよくない柿や桃など、売り物にならなくなったフルーツを引き取って飼料にしています。飼料といっても、味は市場に出ているものと同じくおいしい。僕らもそういったフルーツを料理に活用しているんですよ」

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その隣には、「上村青果」の塩気のきいたいぶりがっことチーズをはさんだ流川れんこん。「和みファーム」の葉っぱ付きニンジン、「DONI FARM」のカブと共に、野菜のおいしさをしみじみと伝えてくれます。
「上村さんご夫婦は10年以上の付き合いです。真冬の寒風の中、粘土質の土をかきわけて流川れんこんを掘るそうです。切ると糸を引くほどムチンが豊富で、風邪予防や保湿にもいいと言われているんですよ。食べることで体調を整える、そんな野菜本来の働きを思い出させてくれるれんこんなんです」

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インターバルには、滋味あふれる野草の玄米リゾットを。昆布出汁とチーズの優しい味わいでお腹を落ち着けたら、ラストのデザートです。


苺のコンフィチュール
すりつぶし酵母 苺スコーン
珈琲 or どくだみ茶

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「低温で蒸したいちごのおいしさを味わってほしい」と、いちごのコンフィチュールをのせたティラミスです。
加熱することで旨味がギュッと凝縮され、生の果実とはまた違う味わい。
濃厚な松野牧場のヨーグルトにも負けず、お互いの持ち味を発揮しています。

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コーヒーは吉井町の『蛭子町珈琲店』で焙煎したモカです。コーヒー豆はいろんな国で作られていますが、その土地の水や輸送による酸化で雑味が混じってしまうこともよくあるそう。50℃で豆をしっかり洗って焙煎することですっきりと本来の香りが楽しめます。

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どくだみ茶は3年前にゴトウさんの実家で採取したドクダミを発酵させたもの。まろやかな飲み口とすっと鼻に抜ける香りにホッとします。

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ゆったりとした時間が流れる日本家屋で、旬の食材を心ゆくまで味わったモニターの皆さん。今日の感想をお聞きしました。
「今までいちごは生で食べるだけだったので、こんなに幅広い料理ができるなんて発見でした」
「野菜もすごく味が濃くておいしかったです。Plantagoさんのお話も聞けて興味が湧きました。お店にも行ってみたいですね」
「器も美しかったし、普段食べない食材がたくさん出てきて新鮮でした」
「ウェルカムドリンクから驚き!料理ごとにいちごの香りも違うし、甘さも十分楽しめました」

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火気厳禁など制約がある中、調理にテーブルセッティング、料理の説明にと奔走くださった「plantago」のお二人。今回のメニューにも多彩な趣向を取り入れていらっしゃいました。
「苦労の連続でしたが、ドライや酵母などいちごの形を変えることでたくさん食べてもらえるのもよかったと思います。また挑戦してみたいですね」
「野菜本来の味を感じてほしいので、毎日食材に向き合って試行錯誤しながら料理を楽しんでいます。今回もそういう意味ではいつも通りでした。こんなふうに少人数で特別な体験ができる企画は、これからの観光の一つのモデルになるのではと期待しています」

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お腹いっぱいで思わずうとうとしてしまいそうなほど心地よい静けさに包まれたレストラン会場。
続いては、食後の運動にうってつけの「森林セラピー」へ。
棚田で有名な浮羽町の葛籠(つづら)地区へ向かいます。
(その2へ続く)








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