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ハリコンめちゃよかった〜〜という話

いつものごとくタイトルのままである。
そして長い! レポートになってしまった!!
いつもだいたい1,000字くらいで書いていて、今回はなんと5,500字で5倍!(笑)
noteを書いていると文字数が勝手に出てくれる機能があるのだが、途中でふと見たら5,000字になっていて自分の目を疑った……

まず結論からいうと、今回のハリコンはスーパーウルトラ激ヤバメロイベントであった……ファンの人権しかないイベント……
ほんとうに貴重な体験ができて「最高!!!!」のひとこと(にしてもすごく熱量が入っているが)に尽きる。

2週間まえ、私は東京で開催されたハリコンへ行き、あこがれだったエドワード・ファーロングとの初対面をはたしたのだ。
『ターミネーター2』への出演後に大ブレイクした彼であったが、wikiによると家庭環境や薬物、アルコールなどさまざまな問題により表舞台には出たり入ったりしていたようだ。
しかし、数年ごとにドラマや映画への出演が再開されているという情報から、まだ俳優業をつづけていける希望が見えてきたと思っていた。
それが今年の7月、友人からLINEで「エドワード・ファーロングが来る」と信じられないメッセージが。
二度見はしたし、ハリコンのサイトも数回確認した。事実だった。
しかし彼が前回来日したのは30年ほどまえのことらしく、はたしてキャンセルせずにきてくれのだろうか……と不安を抱きつつ、チケットの発売日になると速攻で買った。決済をおえたら11番目だった。

いざハリコン当日、会場の東京プリンスホテルへむかった。
前日泊まった新宿の雰囲気とは打って変わって、あのドブくさい(新宿には申し訳ないけど北海道の広大な大地ではあんな悪臭はしない)匂いがしなくて感動した。治安と匂いは比例するのだ。
そしてプリンスホテルの立派な扉……!
エントランスへ入るあの正面玄関のデカい扉に感動した田舎者の私は浮き足立っていたのか行く階を間違えてしまう。3階の表示を見たのに階段で2階へ行ってしまってエレベーターに乗り直した。そう、階段は2階でおわっていたのだ。
そんなこんなで受付にたどりつき、チケットを引き換えた。会場の外まで並んでいたが、気が遠くなるほどの長さではなかった。
私はせっかちなので、列に並んでなにかを食べたり買ったりするということがほとんどない。日常で並ぶことといえばスーパーの買い物でせいぜい2、3人のあとにつづくくらいで、テレビで行列のできる店が紹介されては「みんなここまでして食べたいんか?」と毎度疑問に思うくらいだ。
それが、やはり自分の好きなものとなれば苦ではない。そうか、みんな好きでどうしても手に入れたいからあんなに並んでいたんだね! と気づいたが、何十人何百人と並ぶ列には一生入りたくない。
あまり規模の大きくない会場だったがちょうどいいと思った。
列の動きはわりと緩急があって、進んだと思えば止まったり、おそらく話のボリュームによって進み具合が変わるのだろう、と思った。
列に並んで待っているあいだ、ぼーっと立っているのは退屈だし、かといって本が読めるほど集中力もないので、友人にラインでメッセージを送る。
とりあえず出川イングリッシュで頑張るわ、などといっているあいだに列は進み、エディの声が聞こえてきた。
い、いる……! しゃべってる……「アリガト」っていってる!!
これまで映画のなかでスピーカーをとおして聞いていた声が数メートル先でしている。やっとエディに会えるのだと実感した。
またすこし列が進むと、なんとエディがトイレ休憩に行くとのことでファンの横をとおっていくではないか(もちろん私の横も)!
しかも同じフロアの来場者も使うトイレに行っていたらしく、警備のゆるさというか、ファンとの距離が近すぎてビビった。
その後インスタのストーリーでトイレの写真をアップして「これほしい!」と書かれているのを見て、やはりTOTOのウォシュレットは世界を救うのだな、などとのんきなことを思った。
そしてついに私の番がきた。
いる……目のまえに座ってる……存在してる……
私はおそるおそるサインを書いてもらおうと持ってきた『グラスハープ』のDVDケースのなかに入っていたリーフレットをカバンから取り出した。
ちなみにハリコン、ファンに優しすぎて並んでいるあいだに「サイン会で名前と日付を記入してほしい方はこちらへどうぞ」とペンとメモが用意してあった。超良心イベントの極みである。
そこで名前と日付をメモしたのを、お願いします……といいながら一緒に渡す。
まず最初に交わした言葉は「Nice to meet you」だった。
エディのほうから挨拶して手を出してくれたので、ここでテンションがマックスになってしっかりと握手をしてもらう。
それから「What your name?」と聞いてくれたのでメモを指差しながら自分の名前を伝えると「〜〜……〜〜サン!」と 2回も名前を呼んでくれた。もうこれだけでメロい。
「Yes! Thank you!」ととりあえず感謝を伝え、渡したリーフレットについて「この映画がどうしても観たくて中古で探して買いました」と通訳してもらう。
今回は通訳さんがいてくれたからこそめちゃくちゃ話すことができたので、ほんとうに感謝の気持ちでいっぱいである……ありがとう通訳さん……
エディは私が執念でディスクを手に入れたのを知ると「いまってストリーミングがあるけどこれってないんだっけ」と聞いた。
ないんだよ……あなたの出ている作品はことごとくないんだよ……まえに一瞬だけアマプラにアメヒスがあったけどもうないのよ……
なので私は「ほかにも中古で集めたのがアメリカン・ヒストリーX、ペッカー、リトル・オデッサ、などなど……」というと、通訳さんが『ペッカー』に反応していた。あれおもしろいよね。
「それもストリーミングないの?」と聞かれ「disc only…」と答えておいた。
それから『グラスハープ』について「当時はすごくビッグな俳優たちと共演できた作品なので印象に残っている」と教えてくれた。
わかる! 『がんばれ!ベアーズ』のウォルター・マッソーとかでしょ! 盛り上がった。こころのなかで。たぶんこういう話をしたら止まらなくなるので……
それから最後にもう一度握手をしてくれて、あとで撮影会に行くからね、というと「またあとでね」と手を振ってくれた。
エディの歯を見せない笑い方、以前と変わらなくてよかったな……ずっと映画で見てたんだよその顔を……

そして夕方の記念撮影の時間だ。
覚悟はしていたが通訳さんがいない。
出川、出川イングリッシュ……出川イングリッシュ……と私の脳内は“出川”だらけ。
順番が来るにつれてポーズどうしよう、なんも考えてこなかった、ハグ? ハグにする? ほかにもハグしてもらってる人いたよね???? と思考の勢いのまま順番がきて「Can I hug?」と聞いてみる。
ほんとうは「Can I give you hug?」とかいえばよかったのだろうが、こっちはもう「えいままよ」といわんばかりにhugという単語と両手を広げたジェスチャーで近づいていく。
これだけで通じたので、エディは「Sure!」としっかりハグしてくれた……しかも向かい合ってしっかりハグしてからのカメラ目線というやさしさしかない対応……
そのおかげですっかり頭がまっしろになってしまった私は「また来てね」とか「残りの日本での生活を楽しんでね」とか伝えたかったしイメトレもしてきたのに、英語がなにも出てこなかったのだ。
いちおう「Thank you, I love you」はいえたのだが「……あ、さ、Thank you」とどもりながらになったし、変な間が空いてしまいエディもとまどっただろう。アメリカ人は無言の間が苦手という話を聞いたことがあるので申し訳なかった。
しかし、いまとなればこれは正解だったのだ。
会場をあとにしてから私は脳内反省会をした。
せっかく用意してたこと全部いえなかったな、でもめっっっっっっっちゃ楽しかったな、また会いたいな……え、会いに行く?
ことは単純、翌日のチケットを買ってまたサイン会で話しに行けばいいのだ。
不完全燃焼だった私は自分を奮い立たせ、散財覚悟で翌日のチケットを取った。
次こそは頭のなかを整理して行こう、難しい部分は通訳さんにお願いして伝えてもらおう。
人生やっぱりやらない後悔よりやって後悔なのだ。
その結果5分くらいしゃべった。
なにを話したのかというと、いちばんはじめに、ほんとうは美術館に行こうと思っていた(2日目のチケットを取るまえ悩んだ)けど昨日が楽しかったからまた会って話したくて来ちゃった、と伝えた。
「どこの美術館行こうとしてたの?」と聞かれたので、国立西洋美術館だと答えた。
じつは私は国立西洋美術館を設計したル・コルビュジエと誕生日が同じで、縁を感じて今回ついでに行こうと思っていたのだ。
しかし美術館はいつでも行ける。エディはいつでも会えない。これが決定打となり2日目のチケットを取ることにした。
エディに「ル・コルビュジエ知ってる?」と聞いてみたら、わからないとのことだったので、コルビュジエは国立西洋美術館を設計した人で、私と誕生日が一緒なんだ、10月6日なの! とちゃっかり誕生日アピールもした。
あわよくば早いけどおめでとうの一言を聞き出したかったのだが、この話題についてはなるほどね〜という感じで終わってしまった。
それから迷って迷ってやっぱりこれも伝えたい! と思っていたのが、エディが俳優として負のイメージを演じることの素晴らしさだ。
もちろんこれはいい意味である。
次のことを通訳さんにお願いして伝えてもらった。
「私は映画が好きなのでいろいろなジャンルを観る。ファンタジーを観たり楽しい映画でハッピーになれるのも映画の立派な役割だが、戦争映画や人種問題、たとえば『アメリカン・ヒストリーX』のような作品で自分の知らないことを知る、そのきっかけになることも映画の重要な役割だと思っている。だからこそ、エディが若いうちからそういうむずかしい役を演じていたのは素晴らしいことだと思っているし、最近も映画に出ているという情報を見たので応援しています」
前日に話そうと頭のなかに叩き込んだはずなのに、いざ本人を目のまえにするとなかなかスムーズに言葉は出てこなくて、それでもここで伝えなければ絶対後悔する、と固い意志を持って言葉に詰まりつつも日本語で話して通訳してもらった。
1日目のサイン会の横でポートレートが売られていたのだが、私は 2枚買っていた。
ひとつは『ターミネーター2』でエンリケのところへ武器を取りに行ったとき、ジョンがターミネーターに人間としての関わりを教えようと、ハイタッチと笑顔の練習をするところで、作中でもお気に入りのシーンのひとつである。
それからもうひとつが『アメリカン・ヒストリーX』のポートレートだ。
この映画を簡単に説明すると、ネオナチに傾倒したきょうだいの因果応報な作品だ。
私はこのポートレートを見せながら「日本人は人種問題についてあまりイメージがわかないので、映画を観ることで関心を持つきっかけになったんだ」と付け加えた。
するとエディはすこし考えながら「人種問題について、いまもアメリカで重要な問題であることは変わらず、時代が逆行しているようにも感じる」といっていた。
それからすごく印象的だったのが「振り子のようにこの問題はくり返している」という“振り子”のたとえだ。
振り子は一度動かしはじめるとなかなか止まらずずっと動いている。これを人種問題のたとえに持ってきた、というか振り子を話のたとえにすることが新鮮でおもしろいと思ったのだ。
エディが自分でそう思っていったことなのか、日本のことわざのような感覚でよく使うたとえなのかはわからないが、日常では聞かない言い回しで文化のちがいを感じた。
このやりとりをしながらサインを書いてくれていたのだが、おまけでハートマークも付けてくれてサービス精神のよさに心を打たれた。通訳さんも「ワア、ハートマークだ」とつぶやいていた。
前日伝えきれなかったことを伝えることができたという満足感にくわえ、もしまた会えるなら今度はちがう過去作の話もしたいと思って最後に「また日本に来てね」といった。これは英語で伝えることができた。
するとエディは「Sure!」となんとも嬉しい返事と、また来年来れたらいいな、といってくれて感無量である……
しかしここで振り切ったコミュ力により強欲の壺と化した私は最後の最後で「ハグなんてしてもらえたりしますか……?」と聞いてみると、これももちろんだといわんばかりに席を立ってこちらへ来てくれるではないか! ファンサの神すぎる……
ヒィ〜〜〜〜〜〜〜〜嬉しすぎる………………言葉にならない情けない声を出しながらもなんとか「Thank you, I love you」を伝えると、ななななんと頰キス(エアキスだが)をしてくれたのだ!!!! ここまで読んでくれている人がいたとしたら急な惚気大変失礼。でも嬉しかったから書いちゃうもんね。
あの短時間でだいぶかわいがってもらえた気がする。もしかしたら子どもが自分のお小遣いを握ってひとりで来たと思われていたかもしれない。ほら、アジア人ってとくに幼く見られるじゃん……
あとで調べたらアメリカ人が親しい人に対してする挨拶と同じだったらしく、これはもう友人と名乗ってもいいのでは? と頭のなかはお花畑の浮かれポンチ。
……もう 2週間経った(ちなみに今回は書いたり消したりを繰り返して下書きを2週間寝かせている)けど、ファンサが神すぎていまになっても意味がわからない。

先週末、エディはソルトレイクのfanxというイベントに参加していたらしく、インスタの投稿を見るとかなり大規模なイベントだったようだ。
アメリカのあれだけでかいイベントに出る人が日本のあんなアットホームイベントに参加していたの、ほんとうに特別なことだったんだな、と感動した……

ちなみに次回のクレカ請求はいつもの3倍です。ホテル代とかも払ったしね。無事に破⭐︎産!
でも楽しかった、エディありがとう!

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