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朝の千代田線、1番ホーム。
小田急線と繋がっていて行先の決まっているのかいないのかそんな電車が、次々とくる。
死んだ顔のサラリーマン
少しきつい香水のOL
ランドセルを背負っている女の子
そして、制服を着た中高生
私は今年から社会人になった。
まだ、20歳なので中高生とさほど年齢が変わらないと信じたい。
英単語、古文単語などを広げる高校生を毎朝見て私は、今の彼女彼らと同じ熱量で何かの学びを知識を得ようと努力したことはあったのだろうか、学びだけでなくこの熱を人生の中でもったことがあったのか
ほぼ毎朝、最寄り駅から会社までラーメンズの『器用で不器用な男と不器用で器用な男の話』の最後の小林さんの辞めたらどうにもならないじゃないかの言葉に救われ
会社に着けばまず第1にパソコンの電源をつけメールを読み、返信をし書類を渡され書いてあるままを入力し、電話をかけ、お昼を食べメールを読み
この繰り返しで8時間が終わる
家に帰ればお風呂に入りご飯も食べる日食べない日にわかれそのまま眠って起きると朝、またお弁当を作り家を出る。疲れた心と身体に気が付かないふりをして
きっとこのままこれから先正社員という立場にすがって安定を求めて生きてゆく
そんな自分の未来に嫌気がさしても
彼女、彼らと同じ熱量をもつ勇気さえ力さえ
この何も無い手には残っていない
そんな私は多分きっと彼女、彼らの熱量を
ほんの少しだけかもしれないが
支える仕事をしていて彼女彼らを応援する気持ちは消えていないし、彼女彼らの今の熱量で学んだ未来の先には希望しかあって欲しくないと思っているそこが死んでしまった時
会社がある街のように、汚れていくだけの街を眺めて誰かに伝えようとしなくとも自分だけの中にも何も言葉が文が短歌が一言でも出ない時
私は、この街の安定から抜け出して
どこかを迷って生きていくのかもしれない。