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黍を食うのは?

 今日は、『詩経』の魏風から「碩鼠(せきそ)」という詩を。

碩鼠でなくカピバラ?😅

 

 碩鼠(おおねずみ)、碩鼠
 わしらの黍(きび)を食うな。
 三歳(みとせ)なんじに貫(なれなじ)みたれど
 わしらを肯(あえ)て顧みること莫(な)かりき
 彼の楽土(たのしきとち)適(たずねゆ)かん
 楽土 楽土
 そこにわしら所(おちつきすむところ)を得ん

 碩鼠 碩鼠
 わしらの麦食うな
 三歳なんじに貫みたれど
 わしらを肯て徳(いつくし)むこと莫かりき
 逝(たちさ)り いまや
なんじに去(おさらば)せん
 彼の楽国(たのしきくに)適かん
 楽国 楽国
 そこにわしら直(あんらくよろしき)を得ん
 (訳は『志のうた 中華愛よう(訁に甬)選』)
 同じ詩でも、『ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 詩経・楚辞』では、

 でっかいねずみのようなあんた、私の育てた黍を食べないておくれ。
 三年あんたに仕えたけれど、私を大事にしてくれなかった。
 さあ、あんたなんか棄て去って、あの楽しい土地に行こう。
 楽しい楽しい土地よ、
 そこに私の場所があるはずよ。

 でっかいねずみのようなあんた、私の育てた麦を食べないでおくれ。
 三年あんたに仕えたけれど、私に情けをかけてはくれなかった。
 さあ、あんたなんか棄て去って、あの楽しい国に行こう。
 楽しい楽しい国よ、そこで私ものびのびできるはず。


 同じ詩なのに、随分違う訳と解釈である。

 最初にあげた訳は、黍を食べるのは役人。三年は、役人の任期。ひとつところに配置さるたら、農民を絞り上げて他所へ赴任する。

 後にあげた訳は、黍を食べるのが女の恋人?。三年暮らした相手に対して投げつけた別れの言葉とするもの。

 さて、黍を食べるのは役人か、恋人か?

 見出し画像は、うちの田んぼに、種も蒔いてないのに生えてくる稗(ひえ)。あいつら、強いなー😅。

           🐻


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