もう夏だ!
一昨日は「立夏」。つまり、まだ日中肌寒い日があっても、暦の上ではもう夏って事になる。
ところで、熊吉の愛読している「中国名詩鑑賞辞典」には、夏の詩がほとんど無い😅。春はかなりあるし、秋や冬の詩も、割りとあるのに、夏の詩は少ない。
もっとも、漢詩全体を見ればあるんだろうけど、パーセント的には、そんなに無いのかも。
数少ない夏の詩は、晩唐の高駢(こうべん。?〜887)の「山亭夏日(さんていかじつ)」である。
山亭夏日
緑の木立は、陰も細やかなほどこんもりと茂り、夏の一日はいかにも長い
山荘の建物は、影をさかさに池水に落とし(あたりはしんと静まり返っている)
おりから水晶簾がものうげに動いていることによって、いくらかのそよ風のあることがわかり
道理で棚いっぱいに並べてある薔薇🌹のかおりが、庭中に満ちた(実に爽涼きわまりない)。
この詩の作者・高駢は黄巣の乱を討って、一時は権勢をものにしたそうだが、のちに部下にそむかれ殺されてしまったらしい😱。
そのちょっと前の時代に生きたのが杜牧(803〜852)。
彼は、「惜春」という詩で、「春半ばにして一年はもう終わったようなもの」なんて言っている😁。
春半ばにして 年は已に除(時の過ぎ去る)す
其の餘は強ひて有ると為す
即ち此に残花に酔はん
便(すなわ)ち同じく臘酒(歳暮に醸造した酒)を嘗めん
ちょう(忄に長)望す 春を送る盃
慇懃にす 花を掃く箒🧹
誰か為に東流を駐(とど)めて
年年 長く手に在らしめん
杜牧さん、夏にも創作意欲を示そうよ😅と思う熊吉だった(笑)。
🐻