「2001年宇宙の旅」に学ぶ演出技法【人類の夜明け】
映画「2001年宇宙の旅」とはスタンリー・キューブリック監督によって1968年に公開されたハードSF映画です。
アポロ11号による月面着陸より前に公開されたにもかかわらず、特撮で再現された宇宙の描写があまりにもリアルな上、監督の判断によりナレーションによる説明を省いたことで、より引き込まれる映画になっています。
※ここから先、ネタバレを含みます。
モノリスによる人為的な進化
この映画では「人類の夜明け」というパートがありサルがモノリスによって人類に進化するさまが描かれています。
引用元:「2001年宇宙の旅」
モノリスに触ることにより、知恵を得たサルは骨を道具として使うようになり、人類への進化を始めます。
このシーンの最後ではサルが投げた骨から宇宙船のカットにつながるようになっています。ここで最古の道具から最先端の道具へつなぐことで「飛躍的な進化を遂げたこと」を一つのカットつなぎで表現しています。
投げた骨(最古の道具)から宇宙船(最先端の道具)へつながる
モノリスと太陽
サルがモノリスに手を当てた際に、カメラがモノリスをアオるアングルに変更され太陽が映り込む形になります。
この時モノリスの一辺に太陽がかぶっていることにより、『地平線から太陽が登っているさま』を違う形で表現し、「人類の夜が明ける」ことを表現しています。サルがモノリスに手を当てた際に、カメラがモノリスをアオるアングルに変更され太陽が映り込む形になります。
引用元:「2001年宇宙の旅」
モノリスの一辺 = 地平線
地平線から太陽が登る = (人類の)夜明け
このように本来違う小道具や背景を組み合わせや見かたを変えることで、意味合いをもたせています。
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