売り物件の土地価格の計算方法|路線価を使って土地の価値を把握しよう
不動産の購入を検討する場合、土地の価値を把握しておくことはとても大事です。
「そんなの不動産屋さんに直接聞いたらいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、世の中、親切な業者ばかりではありません。
あなたになんとか物件を買わせようと思って、嘘(に極限に近い事実)の情報を提供してくるかもしれません。
不動産屋は頼もしい味方でもありますが、最終的な投資判断はあなたの仕事です。
何が起きても、自己責任。
あとになって「失敗した~」ということがないように、正しい土地価格の計算方法をマスターしておきましょう。
固定資産税評価額で確認する
土地の価値は、固定資産税評価額から確認できます。
固定資産税評価額とは、「不動産の固定資産税を計算するために用いられる指標の一つ」です。
不動産の固定資産税は、固定資産税評価額に一定の税率をかけて計算します。
固定生産税評価額は3年に1度、不動産鑑定士によって見直されています。
不動産鑑定士は、現在の市況や周辺の不動産価格を参考に金額の見直しを図っています。
一般的に、固定資産税評価額は不動産が売買される実勢価格の70%程度になっている言われています。
不動産売買はパンや卵といった小売販売と異なり、売主、買主との相対取引のため、取引ごとに価格は大きく異なります。
しかし、固定資産税評価額を参考に、土地の価格(価値)を把握しておくことは重要です。
固定資産税評価額は、売り物件の資料を請求すると概要書やレントロールと一緒に送られてきます。
以下が、実際の固定資産税評価額の明細書です。
固定資産税評価額は、土地と建物に分かれて記載されています。
土地と建物で明細が分かれているのは、土地は経年劣化で価値が下がることはないですが、建物は経年劣化によって価値が低下してしまうためです。
赤色枠内の金額が固定資産税評価額で、この明細の場合は「12,816,534円+3,811,158円+3,089,199円=19,716,891円」がこの物件の評価額ということになります。
これは、土地と建物合わせての金額のため、土地のみの場合は「12,816,534円+3,811,158円=16,627,692円」です。
売り物件の資料の中に、固定資産税評価額の明細書があれば、それを参考に土地の価格が計算できます。
先ほど、説明したように固定資産税評価額は実勢価格の70%程度です。
上記の例だと、この物件の土地の実際価格は「1,662万円÷0.7=2,374万円」ということになります。
不動産投資を勉強していると、「土地値以下物件を見つけました」という言葉を目にすると思います。
土地値以下物件とは、上記の例で言うと「この物件を2,374万円以下で購入できた」という意味です。
土地に2,374万円の価値があるのに、建物と込みで2,374万円以下で買えたわけです。
土地値以下物件は、理論的には買ってすぐに売っても2,374万円の土地として売れるので損をする心配が少なく、リスクが小さい物件と考えられます。
売り物件の資料の中に固定資産税評価額の明細書があった場合は、このような手順で土地の価値を計算してみてください。
路線価から土地の価格を計算する
売り物件の資料には、いつも固定資産税評価額の明細書があるとは限りません。
売り物件の半分ぐらいは、情報がないと思っていいでしょう。
「固定資産税評価額がないのに、どうやって土地の価格を計算するの?」と思いますね。
簡易的な方法ですが、土地の価格を計算する方法があります。
それが、路線価(固定資産税路線価)を使って計算する方法です。
「なんだか難しそう…」と思うかもしれませんね。
心配しなくても、一度やってみたら大したことはありません。
順番に解説していきますね。
ステップ①路線価図で該当する土地を探す
路線価とは、ある道路に面する土地の1m2あたりの固定資産税評価額のことです。
路線価は、国税庁がまとめている「財産評価基準書」で確認できます。
言葉が難しいですね、覚える必要はないので、これから説明するやり方だけ理解すればOKです。
まずは、以下のサイトにアクセスしてください。
購入予定の物件がある都道府県を地図か、左のメニューから選択します。
今回は福岡の物件で計算してみます。
「福岡県」をクリックしましょう。
「路線価図」を選びます。
物件の所在地がある地域を選択します。
今回は「博多区」にしてみます。
番地の一覧が表示されます。
ここはなんでもいいので、どれかひとつページをクリックします。
物件の場所の詳細を探すために上のメニューから、一つ手前のページ部分をクリックします。
「福岡市博多区」全体の地図が表示されます。
物件の所在地がある場所を探して、マス目をクリックしましょう。
博多駅前の地図が出てきました。
ステップ②接道の路線価を確認する
この地図が「路線価図」です。
この地図を使って、土地の固定資産税評価額を簡易計算します。
先ほどの路線価図を拡大しました。
路線価図をよく見ると、それぞれの道の上に【2,500D】といった英数字が書かれているのが分かります。
この数字は、その道に接している土地の1m2当たりの価格を表しています。(千円単位)
該当する土地が上図の青色のエリアだった場合、接している道に書かれている数字は【2,500D】です。
つまり、この土地の1m2当たりの価格は「2,500千円→250万円」ということになります。
ステップ③路線価をもとに土地価格を計算する
接道の路線価がわかったら、最後にこの数字をもとに土地の価格を計算していきます。
該当する土地の面積が100m2だとすると、この土地の固定資産税評価額の簡易計算値は「100m2×250万円/m2=2.5億円」ということです。
固定資産税は実勢価格の70%程度なので、土地の価格は「2.5億円÷0.7=3.6億円」ということが分かります。
博多駅前の一等地の100m2の土地は3.6億円の価値があるということですね。
説明がしやすいように博多駅前の土地を選びましたが、一般の不動産投資家が購入する土地は「1m2=10万円」とかそんなものです。
土地の価格を計算するときは、路線価を調べて「300m2×10万円÷0.7=4.3千万円」といった形になります。
路線価の簡易計算の式をおさらいしておきます。
また、私のような地方で不動産投資を行う場合、あまりにも田舎すぎると国税庁のサイトに該当エリアの路線価図が存在しない場合もあります。
このような時は、最も近いエリアの路線価図を参考に1m2当たりの単価を検討します。
路線価図のないエリアはそもそも土地の価値が低いとみなされている場所が多いため、近隣の数値を参考により低い単価で土地値を計算しましょう。
土地価格は自分で計算しよう
土地価格の計算方法を紹介してきました。
固定資産税評価額の明細書があるのはまれで、ほとんどの場合、土地の価格は自身で簡易計算する必要があります。
楽待などのポータルサイトで物件探しをするときは、今回紹介した国税庁の路線価図は一緒に開いておきましょう。
それぐらい頻繁に使うサイトです。
というか、土地の価格をしっかりと計算せずに物件を購入するなんて無謀すぎます。
物件情報をもらったら、まっさきに土地価格は計算するクセをつけておきましょう。
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