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UKという独特な国

この国は非常に興味深い特徴を持つ。イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドそれぞれが自治政府を持ち、それぞれが強いアイデンティティを有している。元々は異なる国であったことに鑑みれば、アイデンティティが異なるのは自然なことと言える。

この独特さが顕著に表れるのがスポーツの分野である。サッカーやラグビーでは、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドそれぞれが独自のチームを持っているが、オリンピックでは一つのチーム「Great Britain」として出場する。時には対戦相手となり、時には同じチームとして戦う。

これを日本に当てはめると、東京と大阪が別々の国であり、サッカーやラグビーでは対戦相手となるが、オリンピックでは同じ国として出場する感覚かもしれない。しかし、間違いなくこれは完全に一致する例えではない。

あるイングランド人は「今日、ウェールズに出張予定がある。夜のサッカーのイングランド戦をウェールズのパブで観るのは避けるつもりだ。ホテルの部屋で観る方が安全だろう」と言っていた。これは決してウェールズの治安が悪いということではなく、それだけ各地域がサッカーに対して熱狂的であり、それぞれが異なる国であることを物語っている。

再び日本に当てはめると、阪神ファンが集まる大阪のスポーツバーで巨人を応援するような感覚に近いのかもしれない。

「イギリス」や「イギリス人」という言葉は、非常に曖昧に感じる。UK全体を指しているのか、Great Britainを指しているのか、あるいは単にイングランドを指しているのかが不明確だからだ。

以前は深く考えずに「Are you English?」と尋ねてしまうことがあったが、最近では避けるようにしている。ロンドンなどの都市部にはスコットランド人、ウェールズ人、北アイルランド人も多く、全員がイングランド人ではないからだ。彼らは、自分の出身地に基づいて「I’m Scottish」「I’m Welsh」などと答えることが多く、決してEnglishではない。私は最近、Britishという言葉を使うようにしている。


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