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標高700mの朝-しがないWEBライターの雪山滞在記 2日目 12月3日(火)

ガソゴソと人が動く気配に目を覚ますと、障子のあいだから明るい日差しが差し込んでいる。

時刻は午前7時過ぎ。久しぶりに床で眠ったせいか、少しだけ体が痛い。こたつから体を起こすと、「おはよう」という声が襖の向こうから聞こえてきた。雪山の朝は早い。

初日の夜はみなが持ち寄った日本酒で飲み会をやっていた。僕は2時ごろに眠りに落ちてしまったが、他の人たちは4時過ぎまでやっていたのだという。松任谷由実の曲が流れていたのは覚えている。ブリザードブリザード、というフレーズが頭に残る。

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外に出ると、青く広がる空と澄んだ空気が眠気を吹き飛ばしてくれる。山の朝だ。東京では引きこもり同然だった僕も、思わず体を動かしたくなる。屈伸運動をすると、ポキっという音が膝の方から聞こえた。

僕が4ヶ月近く滞在する苗場高原は700m近い場所にある高地だ。つまり関東で考えるなら高尾山の頂上よりも高い場所にいる。やはり気圧などは東京と全然違うのだろうか。驚くほどその体感はないが、もしかしたら到着時の興奮がまださめていないからかもしれない。

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さて。僕たちが3ヶ月のあいだ、寝泊まりすることになる場所は、旅館「新雪」の跡地。要するに今はただの空き家みたいなものだ。

冬のあいだしか稼働しないこともあって、やはりホコリがすごい。昨日の飲み会前に簡単な掃除をしたものの、2階の寝室部分に上がると、思わず咳き込んでしまった。別荘を久しぶりに訪れる人はこういう気持ちになるのかもしれない。

今回、僕の寝室として割り当てられた部屋は9畳ほどの角部屋。東京に住んでいたときの部屋よりも広い気が…。布団何枚敷けるんだよ、この部屋…。

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窓を全開にして、押入れの中の布団を引っ張り出した。そして乗ってきた車を布団干し用の台にして外に干す。あるものはなんでも使う生活の知恵。

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午前中にその他共用部分の掃除を済ませたあと、昼食をとり、職場となる「SAKE BASE NAEBA」に移動した。今日から本格的に店舗の運営などの準備に入っていくわけである。

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Wi-Fi完備らしく、都内なら作業場所として重宝しそう

さて、店舗の運営に必要な作業は、設営や接客などたくさんあるわけだが、その中でもまず重要なのが「商品の設定」なのだそうだ。顧客のターゲットや店のコンセプトに関わるんだから、当たり前じゃんと思うのはわかるけれど、少しだけ話を聞いてほしい。ちょっとだけ違う話だ。

いわゆる小売店の基本的な作業は
「仕入」→「販売」→「精算」
となるわけだが、その中には「在庫や品質の管理」「接客」など様々なオペレーションが発生する。こうした以後に続く作業を左右するのが「商品の設定」となるわけである。どういうことか。

たとえば食品を売るお店の場合、必ず賞味期限というものがある。つまり商品の賞味期限を毎日確認する「品質の管理」や「廃棄」という作業が、雑貨店などと比べて余計に発生することになるのだ。

加えて商品数が増えると、在庫管理はもちろんのこと、仕入先や書類の項目も比例して増える。作業の数が指数関数的に増大していくわけだ。結果的に煩雑な作業が増え、ミスも発生しやすくなる。一方で商品が増えた方がお客さんの満足度は高くなりそうなものなので、難しいところだ。

とどのつまり、商品の設定がその後のオペレーションに大きく作用する。だからこそ、店舗運営においてもっとも重要な項目となるのだ。

というお店の「先輩たち」からの受け売りを偉そうにしたところで、はたと気付くのが、街の商店やコンビニのすごさである。

家族経営の場合が多いのにも関わらず、莫大な種類の商品を扱ってたりするけど、あれどうやってんの。天才なの? というか、コンビニが膨大な数ある東京ってほんとやばい。

これはおそらくほんの一部、序の口のようなものなのだけれど、お店の生態系を見ることができるのは面白い。これがまた実際にお店が始まってとなると、全然違う感想になるのだろう。月末にはどうなっていることやら。

というわけで、今回はここまで。それでは、またあした。

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