しんたく

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  • 徒然なるままに雑記

    日記の中から抜粋したもの。基本的に書きなぐりのものなので、期待せずさらっと読んでください。意識せずとも、いつも1000~2000字程度に収まるのが我ながら不思議。

  • しがないWEBライターの雪山滞在記

最近の記事

ポケットの中の宝石

「自分の作品をきみは雑に扱いすぎだよ。作品がかわいそうだ」 大学の講評帰りの道すがら、同級生の彼は唐突にこう言った。作品発表の際に、半ばふてくされたような態度を取っていた僕を戒めていたのかもしれない。 「だって構想も手法も面白いじゃん。なのに、自分でその作品を台無しにしてる。大切にすれば、もっともっと良くなるのに」 でも、と僕は切り返す。クソなものはクソじゃん、と。最大限に力を注いだとしても、作品の質には何一つ関係しない。むしろ、みんなが大してレベルが高いわけでもない自分

    • いつかの雑踏

      緊急事態宣言が解除されて、徐々に街も賑わいだした。自転車に乗りながら、夜のネオンが流れていくさまを眺めていたら、ふと数年前に同僚と下北沢で朝まで飲んだときのことを思い出した。 当時、働いていたのは、今では誰も知らないような場末の制作会社だった。毎晩、終電過ぎまで仕事をしたあとに、夜の街に繰り出し、朝まで騒ぐ。そして会社のソファに横になり、また眠い目を擦り、仕事をする日々だった。週に数日しか家に帰れない日々は、端的に地獄じみた状況ではあったが、それはそれで楽しかった気もする。

      • 母の日の準備はできたか

        家にずっといるのが辛いという人は、専業主婦・主夫のすごさを感じるチャンスなのではないか。 一人暮らしを始めたものは、みな母親のありがたみを感じるという。毎日、食事が当たり前のように出てきて、掃除も洗濯も常日頃からなされている。そのすごさは実家から離れて、自分で家事を行なってみて、初めてわかることだ。毎日献立考えるの大変…。洗濯物とホコリってすぐ貯まるんだな…となるわけである。年末年始に実家に帰り、両親の偉大さをまざまざと思い知らされるものは少なくないだろう。 しかし、自粛

        • 午前1時、“引きこもり”の雑考

          日常の中の不便は必要なのかもしれない。 人が「どこに不満や不便を感じるか」ということは、生活の改善へのもっともわかりやすいヒントとなるからだ。つまり、より多くの人がストレスを感じる場所を改善することが、ソーシャルグッドへの第一歩。 例えば、家電三種の神器などを考えるとわかりやすい。この発明によって、多くの人の生活水準がグッと上がったと言われている。生活に起因する不便の多くを改善した大発明だ。日本神話から言葉を引用していることからもその重要性がよくわかるだろう。 さて、現

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        • 徒然なるままに雑記
          2本
        • しがないWEBライターの雪山滞在記
          10本

        記事

          スーパーマンになんてならなくていい - しがないWEBライターの雪山滞在記 幕間01 - 1月6日(月)

          電話越しに泣きじゃくる声が聞こえる。普段あまり感情を表に出すことのない彼のそんな声を聞くのは、赤ん坊の時以来のことかもしれない。 「別に、大丈夫だからさ」と、僕は答える。僕らは確かにポンコツかもしれないけれど、それでもこの年齢までなんとか生きのびただけでも十分にすごいんだ、と。 うん、としゃくり上げるように彼は答える。少し楽になったよと。 それに対して、僕はまた明日ゆっくり話そうぜ、と言う。そう、泣きたいときに泣けるのがいちばんなんだ。彼が流すはずだった涙は僕が奪ってしま

          スーパーマンになんてならなくていい - しがないWEBライターの雪山滞在記 幕間01 - 1月6日(月)

          売り上げ前年比200%超えの奇跡 - しがないWEBライターの雪山滞在記 30日目 12月31日(火)

          時計の短針が8のあたりを過ぎるころ。店にいたお客さんがパッと途切れる。店の外に人通りはない。いわゆる凪の時間だ。 「今年も終わりですね…」 突然、しんみりとした実感に包まれる。そうだ。バタバタと走り抜けた12月も終わるのだ。そして、今年ももう終わる。アルバイトのアキさんがそうですね、と優しい笑顔をこちらに向けた。 張り詰めていた糸がふっと緩む。外ではプリンスホテルのあたりから、いつものように花火が上がっていた。花火が上がる時間帯になると、店の前にはちょっとした人だかりが

          売り上げ前年比200%超えの奇跡 - しがないWEBライターの雪山滞在記 30日目 12月31日(火)

          「ありがとう」と「ごめんね」のはなし - 2019年のまとめ

          気がつけば年の瀬も年の瀬、12月も残すところ、あと3日である。気づかなかった。もう年が明けるのである。まったく気づかなかった。 正直なところ、こんなまとめを書いている余裕などないのだろうが、それでも書こうかなと思ったのは、この文章を読んだからだ。 ギルドチームHuuuuの編集者・友光だんご。1年間近く『ジモコロ』や『BAMP』などのメディアの編集をともに行ってきた彼は、ライター・しんたくにとって最高の編集者であり、また無二の友人でもある(と僕は思っている)。 この1年を

          「ありがとう」と「ごめんね」のはなし - 2019年のまとめ

          クリスマスは開店記念日 -しがないWEBライターの雪山滞在記 24日目 12月25日(水)

          24日目の12月25日。ようやく開店の運びとなった。 当初の開店目標から遅れること5日。ちょうどクリスマスである。 苗場に来てから、ずっとバタバタとしていた気がするが、特に開店前の3日間は店舗準備でカンヅメ状態だった。朝から日をまたぐほどの時間まで働きづめだったのは久しぶりのことである。 ちなみに昨年は開店前日の作業で朝4時くらいまでかかったそうだ。それに比べれば平和なものだが、とはいえ全員疲労の色は濃い。クリスマスどころではない。サンタのプレゼントは前日の夜に受け取って

          クリスマスは開店記念日 -しがないWEBライターの雪山滞在記 24日目 12月25日(水)

          「盆地って、バイオレンスだよね」 - しがないWEBライターの雪山滞在記 9日目 12月10日(火)

          車の助手席に座って窓の外を眺めていると、のどかな田園風景が続く。 本日も晴天。久しぶりに10度を超えたせいか、昨日まで積もっていた雪はすっかり溶けきっている。 山頂の雪は少しばかり残っていて、青と白のコントラストが実に気持ちがいい。遠くまで広がる視界の果てに山があるというのは、守られているようでなんとなく安心感がある。 苗場は人里離れた土地なので、麓の町に降りるのでも一苦労だ。今日は往復で100km近く走るのだという。入りくねった山道ばかりを走っていると、距離感がどうに

          「盆地って、バイオレンスだよね」 - しがないWEBライターの雪山滞在記 9日目 12月10日(火)

          キャッチボール部結成 - しがないWEBライターの雪山滞在記 8日目 12月9日(月)

          外に出ると、まごうことなき晴天である。 一週間ほど滞在して気づいたことだが、どうやら晴れの日の方が寒く感じるらしい。気温自体は普段とほとんど変わらないのだけれど、少し肌寒い。風があるせいかもしれない。 ここ、苗場は標高700mの高地。山の天気は変わりやすいというが、まさにその通りで、天気が一日中コロコロと変わる。そんな中で久しぶりに一日中晴天の日よりだった。 そして今日で滞在からちょうど一週間となる。昨日は一日、ゆっくりと休んだおかげで、気持ちも心機一転という感じ。

          キャッチボール部結成 - しがないWEBライターの雪山滞在記 8日目 12月9日(月)

          トンネルを抜けると、そこは温泉天国 -しがないWEBライターの雪山滞在記 5日目 12月6日(金)

          実務と呼ばれるものが大の苦手である。 書類整理や、営業、挨拶など社会人に必要とされるスキルのほとんどが、とかく面倒でしかたがない。この歳になると、最低限のことはできるけれど、とにかく遅いし、ストレスがめちゃくちゃたまる。小さいころから「グズ」と呼ばれていた通り、致命的に要領が悪い人間なのだ。 そんな人間がお店の運営を手伝おうなんて、よく考えたものだ。逆にいうなら、任せた方もすごい。採用の前にちゃんと苦手なんですって、あらかじめ言ってるからね! そして、ついに5日目である

          トンネルを抜けると、そこは温泉天国 -しがないWEBライターの雪山滞在記 5日目 12月6日(金)

          雪は流れる水とともに - しがないWEBライターの雪山滞在記 4日目 12月5日(木)

          窓からの強い日差しで目を覚ますと、午前7時ごろ。昨日は早々に眠ったとはいえ、こんな時間に起きることなど、東京ではありえない話である。 それにしても晴れた朝は寒い。窓の広い僕の部屋は、夜のあいだに一気に冷たくなるのだ。布団をかぶっていても、どうにも物足りない。 部屋に置かれているヒーターをつけようかとも思ったが、せっかくだから起きてしまうことにした。早起きは三文の徳である。散歩でもしようかな。 外に出ると、うっすらと雪が積もっている。何度見ても少し感動してしまう。 足跡

          雪は流れる水とともに - しがないWEBライターの雪山滞在記 4日目 12月5日(木)

          タバコと潜水は瞑想と似ている - しがないWEBライターの雪山滞在記 3日目 12月4日(水)

          「タバコを吸うのって、瞑想と似てる気がするんだよね」 ささやかな夕食のあと、机を囲んでぼんやりとしていると、タバコに火をつけた彼が唐突に呟く。なんで? と尋ねると、彼は深く息を吸い込んだあと、煙を吐き出しながら気だるげに答えた。時計の針は20時を指していた。 「瞑想にしろ、ヨガにしろ結局は『呼吸を意識してリラックスしよう』ってわけじゃん?」 タバコなんて深呼吸の最たるものだよ、と続けた。今年30歳になる彼は、一年ほど前にタバコを吸い始めたのだという。 「はじめて自分で

          タバコと潜水は瞑想と似ている - しがないWEBライターの雪山滞在記 3日目 12月4日(水)

          標高700mの朝-しがないWEBライターの雪山滞在記 2日目 12月3日(火)

          ガソゴソと人が動く気配に目を覚ますと、障子のあいだから明るい日差しが差し込んでいる。 時刻は午前7時過ぎ。久しぶりに床で眠ったせいか、少しだけ体が痛い。こたつから体を起こすと、「おはよう」という声が襖の向こうから聞こえてきた。雪山の朝は早い。 初日の夜はみなが持ち寄った日本酒で飲み会をやっていた。僕は2時ごろに眠りに落ちてしまったが、他の人たちは4時過ぎまでやっていたのだという。松任谷由実の曲が流れていたのは覚えている。ブリザードブリザード、というフレーズが頭に残る。

          標高700mの朝-しがないWEBライターの雪山滞在記 2日目 12月3日(火)

          私を苗場に連れてって - しがないWEBライターの雪山滞在記 1日目 12月2日(月)

          「まもなく越後湯沢駅に到着します。次の停車駅は長岡駅です」 上越新幹線の車内に、次の駅への到着を知らせるアナウンスが流れる。 窓の外をぼうっと眺めていた僕は、アナウンスに違和感を覚えた。 ーーーあれ。なんか変だな。 今回降車予定なのは新潟県の浦佐駅。そこから車で周辺地域をぐるっと回ったあと、今回の目的地・苗場へと向かうこととなる。 10:34に駅で待ち合わせだが、時刻は9:30を回ったあたり。遅刻癖のある僕は、遠距離移動の際は特に早め行動を心がけているのである。えらい。

          私を苗場に連れてって - しがないWEBライターの雪山滞在記 1日目 12月2日(月)

          「やらなければいけないこと」なんて、ない

          本当に「仕事をしたくない」と身体中が叫ぶ日というのが月に数回ある。 そういう日はどんなに頑張っても頭が回らないし、身体が尋常になく重たい。まるで身体が休めと叫んでいるかのようだ。 たしかに疲れてはいるのかもしれないが、周りの人は同じことをしていても、平気そうにしているのである。 どうしてみんなは毎日ふつうに働いているのだろう、とずっと不思議に思っていた。 そんなことをずっと考えていたあるときのことだ。 ふと、それは「やりたかったこと」が「やらなければならない」に変化している

          「やらなければいけないこと」なんて、ない