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私を苗場に連れてって - しがないWEBライターの雪山滞在記 1日目 12月2日(月)


「まもなく越後湯沢駅に到着します。次の停車駅は長岡駅です」

上越新幹線の車内に、次の駅への到着を知らせるアナウンスが流れる。
窓の外をぼうっと眺めていた僕は、アナウンスに違和感を覚えた。

ーーーあれ。なんか変だな。

今回降車予定なのは新潟県の浦佐駅。そこから車で周辺地域をぐるっと回ったあと、今回の目的地・苗場へと向かうこととなる。
10:34に駅で待ち合わせだが、時刻は9:30を回ったあたり。遅刻癖のある僕は、遠距離移動の際は特に早め行動を心がけているのである。えらい。

しかし、長岡駅って結構遠かったような。その次の駅が浦佐駅なのかしら。だとしたら、想像よりも到着が遅くなりそうな感じがプンプンとする。10時前には到着予定のはずだから、なんだかおかしい。謎の第六感に突き動かされた僕は、長岡駅の位置を確認した。

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長岡駅って浦佐駅より全然先じゃん!乗り過ごすうううううううう!
あああああああ、乗る新幹線1本間違えたああああああああ。

そう、僕が今乗っている「Maxとき」は浦佐駅には止まらない」新幹線
なぜgoogle mapを信用せずに、早めの新幹線に乗ろうなんて考えたのだろうか。ちょっとでも早く着いておこうと欲をかいた人間の末路である。なんで大宮駅で大人しく待っておかなかったの!

などと心の中でぐちゃぐちゃと喚き立てているうちに、越後湯沢のホームへと列車は入っていく。
ひとまずここで降りなければ、間違いなく遅刻は必至。流石に初日からこの体たらくではまずい。慌てて卓上の荷物をまとめて越後湯沢のホームへと降り立った。

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「12月から3月のあいだ、新潟の苗場で働かない?」
そんな唐突な連絡があったのは、10月の終わり。手持ちの仕事がだいたい片付き、面白いことがしたいなと感じ始めていたころだった。

まず、はじめに感じたのは季節労働という響きがいいな、ということ。東京から地方へと出稼ぎに向かうのだ。逆転の発想である。聞くところによると、季節的な人材需要はこのような観光地では少なからずあるのだという。

そもそも1年前の偶然でライターにならなければ、どこかの旅館に住み込みで働こうなどと考えていた僕にとって、もってこいの話だ。しかも苗場といえば、平成初頭におけるスキーの聖地である

そしてロックの祭典「FUJI ROCK FESTIVAL」の開催地としても名高い場所。

バブル期の栄華を極め、そして今なお多くの人が訪れる場所となれば、「地方創生」と騒がれるこの時代において、土地としても非常に興味深い場所だ。しかも期間は真冬のオンシーズン、そして住み込み。断る理由はほぼない。

そして話はトントン拍子に進んでいき、出発当日を迎えることになったのである。

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無事に浦佐駅で定刻通りに合流後、車で走ること1時間ほど。曇天の中、苗場の象徴とも言える「苗場プリンスホテル」が出迎えた。通年で営業している訳ではなく、本格的にオープンとなるのは12月中下旬からなのだそう。

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そして、ほどなくして今回の目的地に到着。これが冬のあいだ、働くことになるお店「SAKE BASE NAEBA」である。

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(写真は昨年開店時のもの)


もともと街の酒屋として稼働していたお店だったが、店主の高齢化によって閉店。街に酒屋のなくなった状況を打破すべく、オンシーズンだけでも店舗を運営しようと立ち上がった有志が、昨年末からオープンしたお店なのだという。今年は12月下旬から開店予定で、これから半月のあいだ準備を進める形となる。

というわけで今回は様々な人とともに、この「SAKE BASE NAEBA」の運営に携わることになりました。とはいえ、店舗運営など初めての経験。いくらローカルや店舗運営に関する話を当人たちから聞いていても、所詮は聞いただけの知識。実際に体験して気づくことばかりのはず。その実感や発見などを日記形式でまとめていければとか考えてます。

春を迎えたとき、自分がどうなっているのか。全く想像もつきません。もしかしたらあまりの過酷さに、春を待たずに逃げ出しているかも。そのときは「やーい」と指をさしながら、腹を抱えて笑っていただきたいと思う。たぶん記録として残すはずだ。たぶん。……たぶん。

そのあたりのドキュメンタリーとしても、楽しんでいただければうれしいです。それでは春までのあいだ、どうぞよろしく。

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ちなみにこれを読んで、ちょっと苗場に行ってみたいかもと思った人は、ぜひ各種SNSにてご連絡くださいまし。もしかしたら一緒に働けるかも!一応twitterだけ載せておきますね。

それでは、またあした。

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→次 12月3日「標高700mの朝



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