「22世紀逃亡者の悲劇」

米櫃のうえくだをまく大トラジディ
RADIO DAYSは周波数の海へおぼれ
白河夜船をこげたマイケルが
さまよえるオランダ人みたくオブラディ・オブラディン
酩酊のさき、ハロー、メイデー
さんざさざめく、鳴動して鼠一匹 寝るには9マイルは遠すぎる

星を描いてもえがいても
つながらなければ名前を呼べないまま
よるべないふとうのとも
ますと、ごー、おん

世界はあなたのかたちにしろく濁っていましたね
ゆううつとうっくつのくつをはく
余白と行間にほをはれ
それがあたらしい満艦飾でなくとも

祝砲はなる
かわるがわる投げつけた花束
あなたなしじゃこうかいすらできないじゃないか

わたしの止揚
さびついた緑青
海岸べりにずらり並んだ思い出を
大小かかわりなくひとつずつ握りつぶして旅へ出る
ハロー、ハロー、
いつかこの水平線のむこうで会おう


 

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