裏切りの果て、絶望の淵で
二十代の美優は、またもや新しい男と再婚した母親、子に振り回されていた。
物心ついたころから母は男を渡り歩き、家庭は常に不安定だった。
朋子がまた新しい男を連れてきて結婚すると言ったとき、彼女はもう何も言う気になれなかった。
義父となった男、雄一は、表向きは誠実で落ち着いた雰囲気を漂わせていたが、どこか裏の顔を隠しているような不気味さがあった。
美優は彼に対し、どうしても好意を抱くことができなかった。
そんな中、美優は職場近くのカフェで働く一人の男性、啓介と出会う。
穏やか