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MBAの志望校の選び方

こんにちは、Penです。前回の自己紹介に続き、今回は第2弾の記事となります。

実は私は、MBA受験でCambridge大学しか受けていません。その要因はいくつかあります。

今回は、一歩手前に戻って、そもそもMBAの学校選択はどのような軸で決めることが多いのか、いくつかの基準をお示しした上で、私自身がどのように決定したのかをご紹介していきたいとおもいます。


MBAの学校を選ぶ際の基準について

多くのMBAの面接では、「Why this school ?」を問われます。学校側には様々な目的があるかとおもいますが、合格を出した場合に本当に入ってくれるのかといったロイヤリティの確認や、目指すキャリアに到達する上で適切な学校選びがされているのかという一貫性の確認の意味合いが強いのではないかと感じます。

では、具体的な「軸」について代表的なものを紹介していきます。

1.ランキング

まずはランキングです。主なものとしては、FT(Financial TImes)や、QS(Quacquarelli Symonds)のランキングがあります。これらは、算出の指標が異なるので、大学によっては両者でランキングが大きく異なることもあります。

大学のランクについて話をする際には、これらのランキングでTop 10、Top 20、Top 30に入っているかといった基準で議論されることが多く、Cambridgeは20位くらいのことが多いです。

 なお、注意すべき点として、ランキングと入学難易度は、必ずしも一致せず、例えば欧州校はランキングで同水準のUS校に比べると、合格者のGMATの要求水準は低い傾向にあります。

2.地域

地域については、大きく北米(基本US)、欧州(イギリス、フランス、スペイン等)、アジア(シンガポール、香港等)に分かれます。

私の入学する2023年度の日本人の傾向としては、欧州が北米より若干多く、アジアがだいぶ減る印象です。地域に応じて、この後に紹介する期間や規模、ダイバーシティに差が生じます。

地域そのものの魅力としては、例えば気候(US西海岸やスペインはいいですね)、アクセス(欧州だと周辺への旅行がしやすい)等があります。

3.期間

期間はおおよそ1年弱〜2年くらいです。地域毎に見ると、USは基本的に2年制、欧州は1年制が多い傾向ですが、学校によって差異はあり、学校次第では期間の選択もできます。

2年制の場合、時間的余裕が1年制に比べてあるため、交換留学やインターン等に費やすことのできる時間が増え、留学期間の時間の使い方の自由度が高まります。また、純ジャパの人にとっては、英語の環境や現地の文化に慣れるための時間にも余裕ができます。クラブ活動等では、1年生と2年生が同じタイミングで大学にいるので、縦のつながりが強まることもメリットです。

他方、期間が長くなればなるほど、必要な授業料や生活費も増え、私費の方の場合は、次のキャリアに進むタイミングが遅れることによる機会損失も増えますので、自身の状況を踏まえた決定が必要です。

4.規模

同学年の人数をいわゆる「クラスサイズ」と言いますが、数十人から1000人近くまで様々です。人数が少ない場合には密度の高いネットワークが構築でき、人数が多い場合には多様な同級生と関わる機会が増えますので、どちらも一長一短だと言えます。

Cambridgeで言うと、1学年200人くらいで、先輩方からはちょうどいい人数という感想を聞くことが多いです。

5.ダイバーシティ

「ダイバーシティ」については、マジックワード化しているところもあるので、各学校の説明会等では何をもって「ダイバーシティ」と言っているのかを注意することが重要です。例えば、
 ・生徒の出身国数
 ・生徒の国籍や人種のバランス
 ・年齢の幅(例えば、ミッドキャリアと合同の授業があると広がります)
 ・業種・職種の幅
等の指標があり、どれもダイバーシティが豊富であることの裏付けとして使われます。

全体的な傾向で言うと、国籍や人種のダイバーシティについては欧州校の方がUS校より多様、年齢については欧州校の方がUS校に比べて若干高め、業種や職種は学校次第の印象です。

6.ネットワーク(学内の広がり、アラムナイ)

「ネットワーク」と書きましたが、実は多様です。例えば、学内の広がりで言うと、ビジネススクール単独か、総合大学の一部としてのビジネススクールかが1つのポイントです。総合大学の場合、学部横断的なクラブ活動への参加等を通じて、コミュニティを拡大することも可能です。

アラムナイのネットワークについては、「量」と「つながりの強さ」の2つの視点があると思います。量については、やはりビジネススクールとしての歴史の長いUSの学校の方が、経済界で活躍されている方が多い印象です。つながりについては、どの学校でも一定程度あると思いますが、例えば Dartmouth大学のTuck school等は、卒業生とのつながりが強いと聞きますので、就職先を探す際にどれだけアラムナイの活用ができるかという点は、考慮する価値があるかもしれません。

7.専門性

大学、授業自体はそこまで差異がないと言われることも多いですが、やはり強みとしているカリキュラムには特色があります。

例えば、ファイナンス、アントレ、ソーシャルビジネス、テック、リーダーシップ、マーケティング等は、それぞれ数校思いあたります。

当然、学生もそうしたキャリアを歩みたい人が集まってくるので、具体的に目指したい業界が決まっているようなケースでは、専門性を軸に選択することが重要になります。

8.授業の進め方

授業の進め方については、例えばHarvard Business SchoolやIESE Business Schoolは、ケーススタディを極めて多く扱うことで有名です。

また、学校によっては、実際の会社を対象にしたコンサルティングプロジェクトを授業に盛り込み、実践を重視するようなところもあります。

色々と紹介はしてきましたが・・・

その上で、注意していただきたいのは、これらに全てこだわりを持つ必要がないことです。むしろ、こだわる項目が多すぎると、志望校がほとんどなくなります。

自分の中で優先度をつけて、譲れないポイントは何かを考えていくことが必要です。

なぜCambridge大学を選んだのか

前置きが長くなりましたが、肝心の私の志望動機に移ると、大きく次の3点でした。

1.ダイバーシティ・・・多様なキャリアパス

初回の投稿で記載した通り、私のMBA取得の大きな目的は、ダイバーシティのあるチーム運営でした。

そうした中で、Cambridge大学のclass of 2021/22の卒業後の就職先を見ると、MBAに多いコンサルティング業界が29%、ファイナンス業界が30%となっています。他方、残り4割は、パブリックセクターやテック業界、IT業界等が占めています。コンサルティング・ファイナンスに留まらないキャリアパスの広さが特徴で、こうした関心分野や専門性が多様である点が魅力でした。

2.ネットワーク・・・カレッジ制での学部外の交流

CambridgeとOxfordの特色として、カレッジ制であることが挙げられます。少し説明しづらいのですが、ハリーポッターでいうグリフィンドールやスリザリンのようなもので、各学生が学部と別に所属する生活・勉強の場です。

私はCambridge MBAに入学した友人から、同じ寮に医学部の院生が住んでいて、そうした人と一緒にディナーをして専門について話をすることが面白いと聞きました。そうした学部の垣根を超えた組織である環境に魅力を感じました。

また、学部横断的なビジネスプロジェクトやスポーツクラブ等の課外活動も活発です。

3.専門性・・・実践的なカリキュラム

最後に専門性です。Cambridgeのプログラムの特徴は、テックとアントレです。実際に、ケンブリッジの一帯は、「シリコンフェン」と呼ばれていて、多くのスタートアップが立ち上がっています。

この中で名物となっている授業としてCVP(Cambridge Venture Project)というものがあります。これは、周辺の企業等に対してコンサルティングを行い、新規事業の立案等をサポートするプログラムです。

こうしたプログラムが他にもいくつかあり、1年制というカリキュラムの短さを感じさせない、従実したプログラムであることに惹かれました。

このように整理してみると、「言いたいことは分かったけれど、どうやって調べていけばいいんだ?」という声が聞こえてきそうですので、次回は学校分析の具体的な進め方について紹介していきたいと思います。

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