過去10年間の成長業界の推移
業界は時代とともに拡大している業界と、衰退していく業界が存在します。
以下は2011年と2021年の成長率トップ5業界の栄枯盛衰を示したグラフになります。2011年では、石油石炭、ガス、教育学習支援、学術研究専門サービスが特に大きく成長をしていましたが、2021年では、それらの業界は軒並み成長率を落としています。
2011年/2021年の成長業界トップ5
石油石炭・ガス・電気
特に石油石炭はマイナス成長にまで鈍化しています。一方で、電気業界は若干成長率が高まり、利益率も向上しています。おそらく気候変動などの社会的背景により、石油石炭などへの依存度を低下させ、再生エネルギーなどに気運が高まっていることが考えられるのかもしれません。また電気自動車の普及も考えると、電気業界は引き続き成長が期待できるかもしれません。
不動産
2011年では、マイナス成長でしたが、2021年ではプラス成長に復活しています。背景としては、不動産価格の上昇が挙げられると思います。特に節税や投資用としてタワーマンションなどが不動産価格の上昇に寄与したと思われます。今後は、タワーマンションの節税への規制強化や、東京から地方や郊外への流出により不動産価格は下落する可能性が高いと思われます。したがって今後の不動産業界は後退していくのではないでしょうか。
学術研究・専門サービス
2011年では高い成長率を誇っていましたが、2021年では成長が鈍化しています。企業のコンサル需要が一巡したことが背景として考えられるかもしれません。また新規参入の容易さによる価格低下など、今後は低成長低利益率となる可能性があります。
医療福祉
少子高齢化に伴い成長率が加速しているのかもしれません。少子高齢化は引き続き課題であるため、今後も成長していくことが考えられます。
職業紹介
2011年以降高成長で維持している希少な業界ですが、転職が社会一般に受け入れられる風土となり、雇用の流動性が高まってきていることから成長を維持していると思われます。今後ジョブ型雇用が拡大するにつれて、更に雇用の流動性は高まると予想されます。
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