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逆下方婚のススメ

**「下方婚(かほうこん)」**とは、結婚する際に、社会的地位、学歴、収入、経済力などの要素が自分より低い相手と結婚することを指す。この概念は、主に社会学や家族学の分野で使われる用語で、特に女性が自分より社会的地位や経済力が低い男性と結婚するケースを指して使われることが多い。

Loserな男

弟は37歳、独身。大卒で、中高時代には留学経験があり、語学堪能。でも就職する業界を完全に間違えた。現在、大手航空会社で法人営業をしているが、JTCの中でも給料は低い方。コロナ禍の数年間では会社がガチで傾きかけ、ボーナス、ベースアップ、昇進の全てが吹っ飛んだ。本人は酔うと自虐的に「あの頃、飛行機以外は全て飛んでいった」と言うが、そのネタで笑う人を一度も見たことがない。聞いてる側が目を覆いたくなるほど、彼のキャリアは悲劇そのもの。

大学時代、同じく英語が堪能だった友人たちは、外銀や商社に進んだ者もいて、今や弟と天と地ほどの差がついた。単純に年収の差だけではなく、多くは30前後で結婚し、子供を儲け、中にはまだ手が届きやすかった数年前に都心のタワマンを購入し、億近くの含み益を手に入れている人もいる。くどいが、弟は37歳で独身。貯金も大してなく、キャリアの展望も見えない。かといって業界を離れるような思い切った転職や起業をするような性格では無い。このままでは、家なんて一生買えない。弟の近況を聞くたびに、「なんてLoser」なんだと思わずにはいられなかった。

逆下方婚

弟に会うたび、私は「早く彼女を作りな、アプリでも合コンでもなんでもいいから」と小うるさい年寄りのみたいな事を言っていた。同世代の独身女性はどんどん少なくなっていく。残った同世代女性やさらに下の世代の女性達が37歳の独身のおじさん(しかも貧乏)に興味を持つなんて、まずありえない。「男でもタイムリミットがある」と口を酸っぱくして繰り返した。

そんなある日、弟が「彼女が出来た」と言うではないか。しかも、私も知っている人だと。よく聞いてみると、家族ぐるみの付き合いがある家の娘さんで、大学卒業したての23歳😨
年の差、なんと14歳差😱

彼女の名前をJ子ちゃんとする。本田翼似の美人で、昔から教会のユースキャプテンをやるような活発な子で、欧州留学経験があり、才色兼備そのもの。しかも大学卒業後は外資系企業に就職し、弟の年収をすでに追い抜いている。スペック的には、弟が3人いても釣り合わない。

J子ちゃんは、昔からよく知る「優しいお兄さん」として弟のことを慕っており、なんと彼女の方から交際を申し込んできたらしい。話を聞いた時は、信じられない気持ちと同時に、相手の親御さんに申し訳ない気持ちになった(うちのルーザーがすいません…)

普段なら、歳の離れた女性に近づくおじさんは気持ち悪いと思うし、J子ちゃんのことを小学生の頃から知っているので、親のような気持ちになり非常に複雑な思いもある。しかし、冷静に弟の立場で考えると、これは彼の人生で一度あるかないかの満塁ホームランのチャンスではないか。一回り以上年下だが、金や優位な立場に物言わせて付き合ってるわけでも無いし(そもそもそんなものがない)、奇跡的にうちのルーザーを好きだと言っている。

J子ちゃんと結婚できれば、彼は可愛い奥さんを得て(しかも、実質彼女のおかげで)パワーカップルになり、子宝にも恵まれるかもしれない。2人なら家もそのうち買えるかもしれない。この子との結婚を逃したら、Loser人生がほぼ確定するのではないか。そう、逆下方婚 (弟にとっての上昇婚) しかない。そういうわけで前回弟と飲みに行った時にこの逆下方婚の大事さを説いた。

今後進展があったらまたアップデートします。


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