『カミング・スーーーン』について
先日、あうるすぽっとにて開催されました、
DANCE×Scrum!!!2020
無事終演致しました。
僕は今回、約4年ぶりにソロ作品を発表致しました。
タイトルは『カミング・スーーーン』です。
photo by bozzo
自分にとっての“いい踊り”とはどこにあるのか、
そして自分の身体でそれを立ち上げる為にはどうすればよいか、
という所からスタートした作品でした。
いい踊りとは、常に実感を伴っているものだと思っています。
この作品には、行為としての踊りを目的とせず、あくまでその場に表れた事象や現象であることを目指し、観る人との間に踊りを起こす事を、振付として意図的にプロデュースする、というコンセプトがあります。
この事は、2年前くらい前からぼんやりと自分の中で取り組み続けて来たテーマでもありますが、現在のコロナ禍、そして今回のDANCE×Scrum!!!2020という場が無ければ、作品という形には至らなかったかもしれません。
そして、久しぶりに作品世界の為の音でなく、シンプルに自分の身体が影響を受ける音を使いました。
こちらが意味や物語をこしらえようとしなくても、それは勝手に表れてしまうものだと、今は考えるからです。
踊り手としての自分の意図を超えた所に表れるものを、作り手として内と外からプロデュースするという、という事がやりたかったのです。
という様な事が、本番を終えてからようやく言葉として腑に落ちて来ました。
ぼんやりごちゃごちゃとそんな事を考えながらも、作っているときは感覚が先行です。
感覚を言葉に変換するのも難しいですが、
言葉を感覚に変換するのもまた大変な仕事ですね。
昨日、DANCE×Scrum!!!2020のオンラインプログラムを観ました(全部で7時間あるので、ちょこちょこ観ました)。
生で観れなかった他の作品も楽しんだのですが、合間のトークを観ていて、ちゃんと言葉を持ってるダンサーは素晴らしいなあと改めて思いました。
自分は言葉が苦手な方で、考え過ぎて特に瞬発力に欠けるのですが、苦手であることに甘えてちゃいかんなあと思い、ひとまず作品について言葉にしてみました。
(とか言いながら、これにも結局1時間くらいかかってしまいました)
まあ言葉にしてみると、そんなの踊りをやっていく上で当たり前に重要な事じゃないか、とも思えて来ますが、こうやって改めて自分の中にくさびを打つからこそ、ここを手がかり、足がかりにして踊り手・作り手として新鮮に探求し続けていけるのでしょう。
何はともあれ、無事に開催され、盛況の中で幕を閉じたDANCE×Scrum!!!2020という時代の熱を帯びた場と、それに携わる全ての人々と観て下さったお客様に心より感謝致します。
ありがとうございました。
DANCE×Scrum!!!オンラインプログラムのチケットはまだ購入できます。
アーカイブ期間 2020年12/31(木)23:55まで
ご購入・詳細はこちら↓
https://dancescrum2020.peatix.com
※僕の作品は諸事情により8分弱のダイジェスト版として配信されております。
最後に、この作品を作りはじめる手がかりとして綴った言葉を載せておきます。
またどこかで、新鮮にお披露目することができればと思います。
『カミング・スーーーン』
まだ無い 名前
残らない 重さ
あの、見えない 向こう側
あなたは
それに 安心 できます。
私は
どこかへ 行く 必要が ありません。
2020.12.13
中村 理
photo by bozzo
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