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『ブレックファスト・クラブ』 感想

映画のお話。僕は映画の知識が特別あるわけじゃないけど、少しくらいお話してもいいですよね😉他愛もないなと思って読んでくれれば幸いです。
最近観た『ブレックファスト・クラブ』についての感想考察していきます🎦ブレックなんたらって何?て人は僕のマガジン読んでみてください📖

魅力①青春時代のもどかしさ
この作品のテーマですね。ヤンキー、スポーツマン、不思議ちゃん、お嬢様、ガリ勉というスクールカースト。相容れない人間模様。牽制し合って威張り合う。でもよく考えればおかしいんですよ、だって何された訳じゃないから。悪いことしてないのになぜか仲が悪いっていうね。でもそういう論理を捻じ曲げてしまうのが青春なんでしょうね🎒
あと殴り合わないけど伝わる嫌悪感。ほんとうまく映像化してます🎥仲悪くても別に殴り合わないんですよ。勇気がないのか、動機がないのか、でも青春ってそんなもんじゃないですか?理解のない人達や社会。ぶち壊したいのにぶち壊せない。なんとももどかしい時期。これ1985年の映画なんですけど、35年前から国境を超えても変わらないんですねー😖なんとも感慨深い。
ちなみにアメリカにもスクールカーストはあるみたい

Jock(日本でいうリア充)はアメリカではスポーツマンらしい。Queen Beeもチアリーダーとかそんな感じ。日本と一緒かな、少し違うかなって感じですかね🤔あと面白いのが、Bad Boysは大学に上がるともうカーストというかスクールからも外れた存在になるらしい。なぜかというと本格的にギャングと連み始めるから笑。さすが🇺🇸こういうスクールカーストを初めて取り上げたのが、『ブレックファスト・クラブ』らしいのです。そしてこの作品が『ピッチパーフェクト』、『スパイダーマンホームカミング』などに影響したみたいですよ👀

魅力②セリフ
印象深いセリフはどんな作品もありますけど、『ブレックファスト・クラブ』のセリフはかなり印象的かなーと。

"ファック・ユー!"序盤で不良ベンダーがイタズラをして、物音を聞いた先生がクラスに入って来ます。

先生「ベンダーお前だろ」 べンダー「違います」
先「無駄口叩くな、来週も補習だ」 べ「はーい、予定確認してきます」
先「無駄口叩くな分かったか?」 ベ「いいえ」
先「再来週も追加だ」 べ「まだまだ序の口です」
先「もう翌週も追加だ」 べ「どうでもいいよ」
先「これから長い間よろしくな。友達の前でいい格好したがるやつだ。お前が常に考えているのは周りにどう見られるかだけ。ましな人間になれ。他の奴らも騒ぎを起こすなよ。」先生教室から出て行き、バタン。
べ「ファック・ユー!

こんなシーンのセリフです。ベンダー怒りのファッキューです。先生も背中で声を聞いてやるせない表情。先生にだって10代はあったし、気持ちはわかる。けどあまりにも手が焼ける。そんな心情ですかね。
一方のベンダーも色んな境遇があって自分は不良になった。4.50代のおっさん先生に分からないし、分かられて溜まるか。俺のことをいつもクズ(fuck)みたいな目で見るんじゃねえ。クズ(fuck)はお前だ。クズ(fuck)はお前だ。"Fuck you!" そんなニュアンスが感じられます。
またゴオオオとエレキギターとドラムの音が徐々に聞こえ、🚪バタン、"ファック・ユー!"でジャーン♪と鳴り響く音響演出も衝撃的です。こんな補習居てたまるか!っていう狼煙が5人から上がった瞬間っていう印象も受けます。

"とんだ小心者だ"

中盤ベンダーが囮になったあと、先生に倉庫に閉じ込められるシーン
先生「他の生徒の前で二度と私に恥かかせるな。いつかお前が貧しく生活してる時、私は現れる。復讐だ」
ベンダー「脅迫ですか?」
先「町の住民は俺のことを信用してる。かかってこい不良!」ジャケットを脱ぐ
先「最初に殴ってみろ。ここだ、顎だ、殴れよ」おどけた表情のベンダー
先「思った通りだ。とんだ小心者だ

といったシーンです。バーノン先生はいかにも生徒から嫌われそうな先生なんです。意味のないルールとかも守らせて、お金もらっててみたいな。でもこのシーンは先生のごもっともで、苦労して先生になった訳で、それなりの財産もある。社会的地位は自分が上だし、ワルくて強いだけでお前中身は空っぽだってことですよね。青春わかるーの裏に、教員わかるーが設けられているって感じ。先生にも威厳はあるんです。だからこそ青さが際立つし、もどかしくさせるんです。なんか少し心に残ったシーンでした。

"大人になると心が死ぬの"
終盤打ち解けあった5人。それぞれの家庭環境の話に。スポーツマンのアンディはスポ根父親のプレッシャーが嫌。ガリ勉ブライアンも学業のプレッシャーが。そんな中亀裂が生まれます。ベンダーが家庭環境の話で苦い表情に。

ベンダー「俺は比べられるのが嫌いなんだ。お嬢様のクレアはクリスマスにイヤリングか?俺は親父からタバコ1カートンだぞ!!」しばらく沈黙、、、
アンディ「俺たちも親みたいになるのかな」
クレア「私はならない、絶対に」
アリソン「きっと無理よ。大人になると心が死んじゃうの。私はいや」

正に人生のバイブル📕大人になると心が死んじゃうんですよ!死にたくない!でも本当に死ぬの?とも思っちゃう。僕はまだ21歳だしそんなこと分からない。高校生の彼らも分かるはずがないけど、僕たちからしたら大人ってそう見えちゃうんですよね。僕だって親が自分を理解してくれなくて頭を抱えた経験があるし、自分はそんな親になりたくないって思ってるし。でも大人って忙しいから単に感性が薄れてくのかな。本当に明日が不安になる言葉です。
またこのセリフをアリソンが言ってるのも感慨深い。不思議ちゃんの彼女ですが、いたるシーンでよく表情を切り取られてます。心が死なないように常々感性を大事にしてるのかなあ。
今見返すとこの辺りのシーンはすごく沈黙が多い。重みが生まれて、悶々としてるグルーヴだなあと感心。

"僕たち月曜日に学校で会った時どうする?"
前述のシーンの次のセリフ。

ブライアン「今言うことじゃないけど、僕たち月曜日に学校で会った時どうする?友達だよね?」
アンディ「そうだな」
クレア「こうやって話せる友達かって?本心を言うと、無視する」
ア「いい態度だな」
ク「じゃあ体育会系の友達の前でブライアンに話しかけられたら?やあって言っておいて後で悪口言うでしょ」
ベンダー「むかつく女だ!お前はダチに嫌われるのが怖いだけだ!」
ク「あなただってそうするでしょ!偽善者よ」
べ「偉そうなこと言うな。自分の世界だけで生きてろよ。一緒に廊下を歩く心配なんてしなくていいぜ」
ク「黙って。大っ嫌い」

かー、分かる。分かります。特にクレアはお嬢様で人気者、自分が大好き。だから評判には敏感。でも友達が評判の判断基準なんておかしいですよね。でも自分がどんな人間かは他人がいるから決まる。その上学校はカースト社会。界隈ってのが存在してる。もちろんそれが変だってことはみんな気づいてるんですよ。でも誰もぶち壊せないまま三年間が過ぎたりする。そしてその感情はどこにも行き場が無いんです。だからこのベンダーとクレアのなんとも噛み合わない口喧嘩となったのです。いやー高校やり直したい🔙
そしてブライアンもよく言った。僕が思うに彼のセリフのニュアンスは[今日お互いを曝け出したけど友達ってこういうことなのかな?]ていう確認や[カーストの壁は崩れたんだよね?てことは]という主張かなと。そしてあわよくば友達と呼んでいい?という希望もほんの少しだけ込められていると思います。またクレアの発言を聞いてガッカリとやっぱりの入り混じった顔は彼のカーストにおける立場を印象付けています。

"僕とアリソンの方がマシだ、変人だからね"
前述したシーンでクレアの発言から悟ったブライアンのセリフ

ブライアン「僕とアリソンの方がましだ、変人だからね。君も僕を無視する?」
アリソン「無視しない、他に友達がいないの」
ブ「全員に言っておく。僕は無視しない、卑劣な行為だ」
クレア「私といたら人気者よ」
ブ「うぬぼれが強すぎて自分のことばっかりだ」
ク「本当は友達の言いなりになりたくない、あなたには分からないわ。私とは違う世界に生きているもの。私が受けてるプレッシャーを知らないでしょ」
ブ「僕がプレッシャーを知らない?分かったこと言うな!(英ファック・ユー)」

はあ、クレアはどこまで自分が好きなんだ。しかしブライアンの変人だからというセリフは刺さりました。変人だから友達がいないことも処理できるし、勉強に夢中になった。変人には一般人のような評価判断が適用されないんだ。はあ、つくづく自分を省みます。
僕コーは今までこれといって熱中してきたことはなかったんです。中高の部活のサッカーも帰宅部はなんだか嫌だから入部しただけ。学業に専念したいと思ってた大学でもやはり周りの目は気になって手付かず。クレアと一緒です。でも今振り返れば学業に専念したり、映画が好きなら映像の道に進んだり、可能性は無限大で時間は有限だった。気づくのは遅いんですね。やり直せない、やり直したい。一方ブライアンだって変人なことはコンプレックスだと思います。クレアが羨ましい気持ちはあると思います。でもクレアとブライアン。他人からの評判という得体の知れないものに苦しみもがいているのはどちらでしょう。他人の目なんて自分が勝手に創造した世界で、自分だけがいる世界なんです。クレアが言った私の世界なんてのは存在しないんですね。そして躊躇いと憤りがつのったブライアンの"ファックユー" 彼なりの渾身の一言だったでしょう。
あとつけ加えで、ファックとかビッチとか稚拙なスラングが多いのかなと。正しい解析じゃないかもですが、覚えたてのようなスラングが多く登場する気がします。まさしく青い高校生なのかなって感じました。

魅力③音楽
やっと③です。音楽が魅力的🎸おそらく80sバンドの音楽なんだろうけど、これまた青春なんですよ。曲は様々なとこに挿入されてて、5人の感情の抑揚を表しています。しかしこの曲がダサーって感じ😯男子高校生のあの感じ。現代だから当時は違ったのかもだけどね😐でも大体の人の青春ってそんなグルーヴなんじゃない?曲名とか詳しく知りたいな。

魅力④感情移入しやすい
思えばこの作品感情移入しやすいんじゃないか。理由としてはカーストの5種類どれかに必ず自分が当てはまるからじゃないでしょうか。僕はクレアだったのかな。はあ、少し辛い。
そして全員がコンプレックスを持ってるし、そこに善し悪しがありません。そもそも人に善し悪しなんてつけられないんですよ。けど正義を定義しようとしたり、自分なりに良い生き方なんかを想像しちゃう。みんな違ってみんな良い。要はそういうことだけど、なんかちゃちに聞こえる気もする。だから悶々としてるのかなあとか考えたりして。
感情移入しやすい理由はもう一つ。5人の感情の起伏がナチュラルだからかなと。コンプレックスが明確で、みんな冴えない人間だから怒ったり悲しかったりがナチュラルに感じ取れます。洋画ってたまに訳わかんないとこで怒って銃乱射とかあるじゃないですか。それがないので観客を上手くロックしてるな、と思いました。

以上が『ブレックファスト・クラブ』についての感想考察です。映画は観れば観るほど深まって、色んな発見ができるのでまだまだ掘り下げれそうです!
この作品を通して僕が言いたいことは

普通って無い

ってことです。言われ飽きて聞き飽きてることかもですけど、僕は真っ向からこう思ってます。なんなら普通って言葉も使わないようにしてます。十人十色、多種多様。日本人はとりわけここが鈍感です。日本人の選択肢の中に好き、嫌い、普通ってあったりして、どっちでも無いことで言い訳とか自分の立場を上手く保ってるんです。違う!そんなことじゃ無い!僕たち人は善し悪しじゃ測れないんだ!だから不良でもヘタレでも俺は俺。
僕だって昔から毛が濃いいんです。太い眉毛をいじられたことだって何千とあります。けど僕は僕なんです!父譲りの毛の濃い僕なんです!皆さんもどこかコンプレックス持ってると思います。でも胸を張って自分は自分。そしてそのことを揶揄してくる他人は他人。そう言い聞かせてください。今まで散々こんな話は聞いてるでしょう。されどもう一度僕らは社会も地位も取っ払いましょう❗️2019年だからこそ。

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