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3分で読める #ギークリ でお話しした「ブランドデザインシステム」とは

「あなたのほしい打ち出の小槌はどっちじゃの?」

11/23(土)に行われたAdobe Community Expertによるクリエイターの祭典、記念すべき第一回「 #ギークリ 」に参加し、光栄にも登壇をさせていただきました。

タイトルのバナーに入れた英文のMagic Malletとは、打ち出の小槌を表していて、Adobe Communitiy Expertデザイナーたちの共演は、まさに、「デザインの打ち出の小槌」状態だったなぁ、、、と、楽しく振り返っています。

ワークショップには立ち見も出たくらい(大盛況)。

そういえば、振り返りの記事の中には、「Adobeって高いよね?(Adobe,高くね?)」という言及もありました(うんうん)。

高いかどうかは個人の判断としても、この、多機能すぎるとも思えるアプリ群をデザイナーが、いかにして「使い倒す」のか。

アプリのはしごや連携については、多くのクリエイターも言及しています。つまり、チラシやバナーを作るだけなら、もはや、Adobeは要りません。チラシ(バナー)制作の打ち出の小槌が欲しい方は・・・・で十分だからです。

私はグラフィックデザイナーですが、CCのほとんどを日常的に使用しています。上手いかとか、早いかとはは別として、コンセプトや世界観を生み出し、さまざまな現場へ、さまざまな媒体へ、長く引き継がれていくためにも「チラシの打ち出の小槌」ではなく、「デザイン」の打ち出の小槌が必要です。

メインタイトルでも書いた通り「3分で読める」ようにしなければならないので、ここは短くまとめてしまいますが、他の皆さんがすでに色々な記事でも触れられている通り、「ブランドデザインシステム」をデザイナーがCCで作成する。そして、クライアントにExpressで引き渡し、汎用性を高めてもらう、というのは、「なぜ、Adobeを使うのか」の一つの結論でもあります。


良いものを作って、長く続ける「戦略」とは?

冒頭のスライドでは、こんなやりとりも出てきました。

前半部分では、「デザインの展開」がそのまま、ビジネスの拡大や収益とリンクする事例を4つ紹介しました。

みなさんがよくご存知のラグジュアリーブランドやコーヒーショップ、そして、ギークリのデザインも同じように、ダイナミックなデザインシステムです。

私が今、お手伝いしている富岡ワイナリーの事例も紹介しました。

「ラベル」のデザインではなくて、「ブランド」のデザインをする、そして、「ブランドのデザイン」がさまざまな事業に展開されるイメージをもつ。

「もしも、AがBに変わったら?」
「もしも、これが増えたら?」
「もしもこれがやりたくなったら?」

さまざまな、「仮説」を検証しながらデザインを拡張(可能に)する点(妄想ビジョナリー)がポイントです。

最初からブランドの「タネ」の部分と、「しかけ」を分けて考えておことで、自由に、かつ無限にデザインと経営双方の可能性が増えるというわけです。

「花月(はなつき)鞄店」の仮想ロゴリニューアルを題材に(前例やテンプレートや探さないで!)。


みなさんにもロゴデザインを考えてもらうということを前提で、仮説の「案件」を提示、ブランドデザインを考えてもらうことにしました。


創業者は、花月智子さん(智子という名前の人に悪い人はいません)。創業は明治時代(という想定)。しつらえが良く、丈夫な革の鞄を作り続けていました。

ところがいよいよ世代の交代となり、デザインもリューアル。あなたは担当のアートディレクターだとしましょう。

「なんか、伝統ぽさもあって、しっとりとしたいい感じで頼むよ〜」

この時、「花月(はなつき)鞄店」のまま、前例としてすでに成功しているいい感じのサンプル見て参考にしないで欲しい、デザインテンプレートを決して探さないで欲しい、とみなさんにお話ししました。

未来は、過去とは状況が違うから。

ではどうする?まずは「妄想」して欲しいのです。

息子さんは飲食業に、お孫さんはアパレル業界に事業を展開させていくかも、しれないし(可能性あるある)。

もしかしたら、鞄店でなくなるかもしれません。そして、これは、決して珍しいことではありません。


とはいえ、グルメで世界中の美味しいものを知る長男のkazuwoさん、スケボーやスノボーが得意な孫のshowくんにも、「花月」の冠を纏う限りは、智子さんの「美学」「理念」は引き継いでもらいたい。

一方で、時代の流れやターゲットを意識した、スピーディなデザイン展開のためには、「ブランドデザインシステム」の構築が最も頑強であり、自由であり、継承と発展、そして拡大の可能性に満ちています。


デザインは「資産」である。とすれば、そのデザインは「投資」に値するかどうか、そこが問題だ。



ギークリのセッションで、国内最高峰のPhotoshopの使い手である「パパさん」が、生成AIについてこのように述べられていたのが印象的でした。

生成AIとは、デザイナーの副操縦士である。
https://x.com/StudioT_ppp


私自身は、生成AIやテクノロジーの意味は、デザイン業界にとって、今や、大きく二つあると考えています。

一つ目=プロにとっての副操縦士(デザインのクオリティを上げるため)
二つ目=ノンデザイナーや初学者にとっての保険つき自動運転(目的地まで無事に連れて行ってくれる)


「あなたのほしい打ち出の小槌はどっち?」A.チラシやバナーが出てくる小槌 B.万倍に展開できるデザイン(とデザインシステム)が出てくる小槌



ちなみに、デザインシステムの話をメインにしましたが、その元になるオリジナルなデザインは「良い品質」であり、「つくり手らしさ」が光っていることが重要だともお話ししました。

ギークリイベントの後、無性に絵が描きたくなった、ロゴが作りたくなった、フォトショいじりたくなった、仕事がしたくなった、今までチャレンジしていないツールに触れてみたい、と感じた人は多かったのでは?

クリエイターにとって、「良い道具」は、創造性を伸ばし、制作意欲を掻き立てるための、欠かせないものであることも実感しました。

ギークリ、マジックな時間でした。楽しかった!ぜひ、来年も開催してください。楽しみにしています。


[Adobe Comminity ExpertsのAdvent Calendarに参加しています。]

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