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【読書感想】『海辺のカフカ』①〜15歳の少年は家を出て遠くの知らない街で暮らす〜
久々にこの本を手に取ってパラパラ読んでみたらものすごく読みたくなってきて、こんだけ本読みたくなったの久しぶりだからここ何日か読書にかなりの時間をベットしてる。面白ポイントも紹介したくなってたので紹介する。まずはあらすじから。
15歳の少年は家を出て遠くの知らない街へ行き、小さな図書館の片隅で暮らすようになる
簡単に言えばこれで終わりなんだけれど、一応ね。
「僕」田村カフカは東京都中野区野方に住む15歳の中学3年生である。父親にかけられた呪い(お前はいつかその手で父親を殺し、いつか母親と交わることになる。そして、姉とも。)から逃れるために家出を決心し、東京発の深夜バスを四国の高松へ向かう。そこで「この人はぼくの母親かもしれない」と思い込む相手(佐伯さんという美しく上品な中年女性)と関係を持つようになる。そして父親にかけられた呪いと自分自身と向き合うようになる。
旅は、あなたの持ち物の中で最低限生きていくのに不必要な物を炙り出してくれる
で、まずおもしろいと思ったのが、家出して(本人はそんなつもりじゃないけど)当てのない旅に出る冒頭のシーン。
リュックにはどうしても必要なものだけを入れることにする。服を選ぶのがいちばんむずかしい。下着は何組必要だろう。セーターは何枚必要だろう。シャツは、ズボンは、手袋は、マフラーは、ショートパンツは、コートは?考え始めるときりがない。でもひとつはっきりとしていることがある。大きな荷物をかついで、いかにも家出少年ですというかっこうをして、知らない土地をうろうろと歩き回りたくはない。
(中略)
寒い場所に行かなければいいんだ。僕はそういう結論にたどりつく。簡単なことじゃないか。どこか暖かい土地に行こう。そうすればコートなんていらない。手袋もいらない。寒さを考えなければ、必要な服の量は半分くらいになる。
長い時間をかけて僕は持ちもののリストを短いものにしていった。色んなものをそこに書き加え、それから削った。また多くを書き加え、またそれを削った。
最近、当てのない旅に興味があって自分でやったりしていたので、この部分がめちゃくちゃ共感できた。
「今持ってるお金と生きる力で何日いれるか分からないけどとりあえず東京行ってみよう!」という(今思えば)漢気チャレンジを、今月の頭にやったのだ。結果的には2日目の夕方に寂しくなって、次の日の朝のバスで帰ったのだけれど。
作中の少年の場合は「いかにも家出少年という格好をしたくない。だから荷物を減らさなきゃならない」というモチベーションというか必要性だった。一方ぼくは、「荷物を多く持ちすぎちゃうと重たくなってパッと思いついた時に移動しにくくなるから荷物を減らしたい」という想いがあった。ほぼ服1着と寝巻き1着だけ持っていった。肩掛けバッグだけで済んだ。
理由や意図は違えど、見知らぬ土地に行く(しかも住む場所も期間も決まっていない)となったらやはり荷物は減らさなくてはならない。
冒頭のシーンは「当てのない旅の仕方」としてとても参考になった。繰り返すが、旅に出る前は本当にこれが大事だ。
長い時間をかけて僕は持ちもののリストを短いものにしていった。色んなものをそこに書き加え、それから削った。また多くを書き加え、またそれを削った。
ぼくは今度、愛媛県のみかんの会社に短期のバイトをしに行く。ちゃんと持ち物を点検してから出発しよう。
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